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2002年5月27日　07:08 PM 更新

カタログには載っていない、F504i情報（3/3）

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予測変換まで備えた、かな漢字変換

　富士通製端末の弱点の1つだった日本語入力も、F504iでは大きく改良されている。まず、入力時の文字を逆順に表示するボタン（メールボタンが対応）が備えられた。通常、「あ」キーを押すと「あ→い→う→え」という順に表示されるが、メールボタンを押すことで、「あ→お→え→い」と戻ることができる。

　また、大文字/小文字変換ボタン（iアプリボタンが対応）はトグルになっており、押すたびに入力モードが切り替わる。単なる大文字/小文字変換ボタンの場合、大文字の英字や小文字の英字を連続して入力する際に何度も変換ボタンを押さなくてはいけないが、F504iでは最初に一度押せばいい。

画面いっぱいを使った一覧から絵文字や記号を選択できる。一覧画面ではページ送りも可能だ

　インライン入力に対応しているほか、変換時は第2候補以降が一覧表示される。残念ながら候補一覧画面ではページ送りキーは働かない。

　変換は、16文字までの連文節変換が可能。精度は満足いくものだろう。さらに、1文字だけ入力して変換を行うと「頭出し予測変換」機能が働く。「あ」と入力すると「明日の」「アプリ」「朝一番」「朝帰り」「アフタヌーン」「後でね」といった予測語が一覧表示される。

　この予測語は、ユーザーがこれまで変換確定した単語も自動的に登録される。また、時間帯によって異なる候補が表示される「時間予測変換」機能も持っている。「お」と入力して変換した場合、朝なら「おはよう」、夜なら「おやすみ」という候補が表示されるものだ。候補の並び順は、（1）ユーザーの確定した単語（2）時間予測変換語（3）通常の予測語（4）単漢字 の順。

　F504iの予測変換は、ちょうどJ-フォンの「J-SH51」などが備える1文字予測変換に近い機能だ（2月1日の記事参照）。あらかじめ予測語が入っていたり時間予測変換が可能という点では使い勝手が向上している。ただし文節のつながりや単語の意味のつながりに関係なく、「あ」と入力すれば同じ候補が出る点では、例えばソニーエリクソン製端末の「POBox」などには劣る（2001年6月の記事参照）。時間予測変換も、挨拶以外の単語では時間の違いによる単語は見いだせなかった。まだ進化途中の機能という印象だ。

赤外線はデータの送受信限定

　さて、504iシリーズの特徴である赤外線通信はどうなっているのだろうか（5月21日の記事参照）。F504iでは、自局情報、アドレス帳、Bookmark、受信メール、送信メール、未送信メールの送受信が可能。それぞれ1件ずつのほか、全件送受信も行える。

　赤外線を使ってPDAなどからダイヤルアップするモデム機能に関しては、何も記載されていなかった。

　赤外線通信はIrMC1.1に準拠しているため、504i以外のPDAやPCともデータの送受信が可能。ただしIrMCが推奨するvCardやvCalenderなどのデータフォーマットは、機種によってかなり表記方法が異なる。日本語など2バイト文字のエンコード方法も異なれば、プロパティの意味合いも実装法によって異なっている場合が多い。詳細なデータ通信テストは、別途記事としてまとめたいと思う。

赤外線通信は、受信時もメニューをたぐって“待ち受け状態”にする必要がある

PIM機能はiアプリ偏重

　F504iでは、基本的なPIM機能以外はiアプリで実装するという方針のようだ。ネイティブソフトウェアである内蔵ソフトウェアとしては、アラーム機能が内蔵されている程度。

　そのアラーム機能も、音量とメロディの種類は独立して設定できるものの、1種類のみで、繰り返しの設定も毎日か1度かしかない。

　iアプリとしては、以下のソフトがプリインストールされ、基本的なPIM機能の役割を果たしている。

名称	機能
便利つ〜る1	カラーメモ、お気軽算（家計簿）、スクリーン電卓（履歴付き計算機）
スーパーカレンジュール	カレンダー兼スケジューラ

　各iアプリは、待ち受けアプリに設定することもできるため、従来よりもアクセスは容易になった（5月21日の記事参照）。例えば、F504iではカレンダーを壁紙に設定することができないが、「スーパーカレンジュール」を待ち受けアプリに設定しておけば、単なるカレンダー表示よりも高機能な壁紙となる。

　なお、プリインストールされているiアプリは全9件。豪華なゲームソフトもプリインストールされており、起動や動作もF503iSに比べて多少高速になっている。

左から、待ち受け画面で3Dの熱帯魚が動き回る「コーラルアイランドF」、3Dパーツや時計パーツを組み合わせて、動くオリジナル待ち受け画像を作る「3D待ち受けbox」、落ちてくる「ぷよ」をつなげて消していくゲーム「ぷよぷよF」、バイブレータも活用した「ピンボール3D」、「娘」のコマを外に出すパズルゲーム「お出かけ娘」、健康チェックや体調チェックが行える健康維持ソフト「マイヘルスケア」、英単語の実力を診断できるゲーム「揃えて英単語！」

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[九条誠二, ITmedia]

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