Mobile:NEWS 2003年1月17日 07:37 PM 更新

携帯Javaが新たなステージに〜ケイラボ

2003年のビジネスシーンでのトピックは、携帯Javaかもしれない。既に2000万を突破して、プラットフォームとしては十分に普及。しかし、その利用率は今ひとつだ。ケイラボの千葉取締役は、「今年Java利用のブレークポイントが来る」と見る

 iアプリ、Javaアプリ、ezplus……。登場から2年、今や携帯電話のJava機能は広く認知され、お馴染みのものになった。対応機種台数もiアプリだけで1581万9000。3キャリア合わせると2400万以上に上る。

 技術的にはこなれてきた携帯Javaだが、本格的な普及は今年になると、携帯向けアプリケーションなどで知られるケイ・ラボラトリーの千葉功太郎取締役は話す。

iモードがブレイクしたのも2000万を超えたとき

 ドコモに関して言えば、既にiモードの43%がJava対応。非iモードユーザーを含めても、既に3人に1人はJava対応端末を利用している。にも関わらず、Javaの利用頻度はそれほど高くないようにも感じられる。

 「Java端末がこれだけ普及しているにも関わらず、確かに思ったほど使われていない。感覚的には、(対応端末ユーザーの)半数以上の人がJavaを使ったことがないのではないか」(千葉氏)。

 携帯のJavaは、使ってもらうまでの一歩を導くのが課題だ。ドコモは先日iモードメニューで「無料iアプリゲーム特集」を行ったが、その結果は良好。そこに参加したサイトの契約者は大幅に増えたという。とにかくJava未経験者に体験させる必要がある。

 ここに今年のポイントがあると千葉氏は見る。「ここはまだ掘り起こせる市場。今年はどこかでブレークポイントが来る」。

 振り返ってみると、iモードが“ブレイクした”と言われたのも「2000万を超えたとき」(千葉氏)。技術面ばかりが語られたJavaも、2000万を超えてビジネスになり得るプラットフォームになってきた。

 2003年……というと、春に予定されている新シリーズ、505iで「何ができるんですか?」という話になりがちだ。しかし「(505iは)ゼロからのスタート。技術ショーケース的な意味合いはあるが、ムーブメントが起こせるわけではない」と千葉氏は見る。

505i。第3世代のJavaはどうなるのか?

 今年の春、とドコモが話す505iシリーズ。503iから始まったiアプリは505iで第3世代となる。では505iではJavaはどう変わるのか?

 1つ考えられるのは、さらなる容量の拡大だ。503iでは10Kバイト+10Kバイト(スクラッチパッド)だったiアプリのサイズは、504iでは30Kバイト+100Kバイトに拡大した。携帯の内蔵メモリは年間倍増のペースで増えており、505iではiアプリ容量もさらに拡大することが予想される。

 しかし通信速度は問題だ。「(iアプリ容量の拡大は)今年当たりが限界ではないか。通信で落とせなくなってしまう」と千葉氏。504iでは28.8Kbpsに高速化されたが、PDCではそろそろ高速化は限界だ。

 さらにiアプリ容量が拡大すれば、ダウンロードに時間がかかると共に、通信コストも跳ね上がる。504iの130Kバイトでも通信コストは約300円。これ以上容量が上がっても、「ダウンロードに600円かかる」となったら敬遠されるだろう。

 逆に期待できるのは、Javaと端末ネイティブ機能の親和性の向上だ。これまでセキュリティの観点から、Javaのアプリケーションは端末のメモリにアクセスできず、端末の機能の利用も制限されてきた。しかし、今年はJavaが端末機能に歩み寄っていく傾向があると千葉氏は予想する。「もともと入っていたのが、(Javaで)追加したのか(アプリケーションの)見分けがつかなくなるのではないか」(千葉氏)。

 既にJ-フォンのパケット端末やKDDIのJavaでは、端末の一部情報を取得したり、電話着信情報を取得できるようになっている。ドコモのiアプリでも、Javaからカメラを操作したり、本体の開閉情報を取得できるようになった。Javaが操作できる端末機能が増えていくのは、確実な流れだろう。



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関連リンク
▼ ケイ・ラボラトリー

[斎藤健二, ITmedia]

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