Mobile:KEYWORD 2003年4月1日 07:39 PM 更新

1x EV-DO【いちえっくす・いーぶい・でぃーおー】

KDDIが4月末から「CDMA2000 1x EV-DO」の試験サービスを開始する。この新しいデータ通信方式はどのようなものなのだろうか

 1x EV-DOは、KDDIが採用した第三世代携帯電話CDMA2000 1x(1x MC:用語)の延長線上にあるもので、これまで以上に高速なデータ通信を可能にした技術仕様のこと。RAKE受信機能やソフトハンドオーバーの省略など、音声品質を確保せずに済むことから、1.25MHzの帯域幅をすべてデータ通信向けに割り振ることができる。その結果、1xでは最高144kbpsだったものが下り最大2.4Mbps、上り最大153Kbpsを実現するに至った。

 1x EV-DOの中身は、米Qualcommが開発した「HDR(High Data Rate:用語)」と同じもの。これは1x EV-DOの概念を満たす技術として、具体的なものがHDRであったということで、3GPP2(用語)によって正式に採用された。

 EV-DOは、進化を意味する「Evolution(エボリューション)」とデータ通信に特化した「Data Only(データオンリー)」を表している。

 1xの拡張版にはこのほかに、1x EV-DV(Evolution Data and Voice:データアンドボイス)がある。1x EV-DVは、まだ技術仕様が確定しておらず、有力な候補として米MotorolaやNokiaなどの推奨する「1x TREME」や、中国LinkAir Communicationsが開発した「LAS-CDMA(Large Area Synchronized CDMA)」、Qualcommも参加している「L3QS」などがある。

 KDDIでは2003年4月30日から、2GHz帯を使ったEV-DOの試験サービスを東京23区内で開始する。試験サービスは10月までとされ、それ以降は商用サービスとして800MHz帯を使ったEV-DOが開始されるもよう。800MHz帯のサービスエリアは1xと同じで、1xと1x EV-DOのデュアルモードを採用した音声端末も登場する。



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関連リンク
▼ 3GPP2
▼ Qualcomm
▼ KDDI

[江戸川, ITmedia]

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