Mobile:NEWS 2003年6月20日 08:46 PM 更新

野田幾子のFOMA日記
初めてのテレビ電話

FOMAといえばぜひ試してみたいのがテレビ電話。テレビ電話仲間も見つかり、ドキドキしながら試してみたところ、かなり面白いことが判明。すっかりハマって、もう音声だけには戻れない?

 最近私の周りでも、テレビ電話機能付きのFOMA「P2102V」を入手したという人が続々と現れている。

「これでテレビ電話仲間ができた!」

 喜び勇んでまずやったのは、P2102Vを持っているとおぼしき人々にメールを送ることだった。

「テレビ電話仲間になってもらえませんか?」

テレビ電話をかける前に連絡を取り合う謎

 ──というのは、「FOMAを持っている」のと「テレビ電話機能を使いたいと思っている」のは別問題だからだ。事実、「キョーミないから」と断られた例もあった。

 「テレビ電話OKよ」という何人かに早速電話してみる。あーどうしよう。いくら知り合いが相手とはいえ、なんか緊張するよ!

 それにしても、テレビ電話は何時ごろかけたらいいものなのだろう。会議中や電車の中では出られないし、周りにヤバい(見られたくない)ものが映っていてもマズいだろう。音声通話だったら寝起きでもオッケーだが、寝ぼけまなこの顔もバッチリ映すテレビ電話だから、出てくれないこともありそうだ。それに自分の身辺だってきれいにしておく必要がある。私も一応「女性」であるからして、そのへんは男性よりも気を遣うものなのだ。

 結局、テレビ電話する前にはメールや音声通話でこんな会話が交わされることになる。

「○日の△時頃はどうですか?」

「あ、その時間帯は外出してるんでダメなんです」

 「外出してるからダメ」って、いったい何のためのケータイなんだ……とツッコミたくなるようなやり取りだが、念には念を入れなければ。少々大げさに構えすぎな感もあるが、テレビ電話初心者同士ゆえ、万全の状態で臨みたい。

これがテレビ電話! つい、身振り手振りが大げさに

 ようやく時間帯が合ったA氏と、念願の初テレビ電話が実現した。教えられた電話番号をダイヤルし、テレビ電話用の発信ボタンをプッシュすると画面にはA氏の姿が! 当たり前なのだが、やはり感動する一瞬だ。


相手が応答すると「Video-Phone Connecting」画像のあとに相手が映し出される。右下の小さい画面には自分、中央の大きな画面には相手側の映像(切り替え可能)。画面に映っている人は恥ずかしがり屋のため、画像処理で目の部分を隠してあるが、これはFOMAの機能ではない。液晶部分を90度に曲げて使うムービースタイルにすれば、相手に周りの風景を中継できる。買い物の最中にどれにしようか迷ったときなどに便利な予感。しかし動かすとかなり激しく画像が乱れるので、「動かしては止める」が基本

「スゴイ、本当にテレビ電話ですね〜!」

 意味もなく手や頭を振ってみたりして、「初テレビ電話」を思いのほか満喫してしまった。

 イヤホンマイクを持っていなかったのでハンズフリー設定にしてしばし感動を分かち合う。相手はイヤホンマイクを付けていたため、私の声はきれいに聞き取れるようだが、こちら側は音が割れてしまって聞き取りにくい。音声通話のように受話器へ耳を当ててしまったり(当然相手には耳のアップしか見えない)、FOMA端末をモニターにして別の携帯電話で音声通話をしてみたり──と、謎の行動に出てしまった。

 最終的にはハンズフリーに戻したが、何しろ相手の声が聞き取りにくいため声が大きくなりがちだ。その上相手が見ていると思うと、つい身振り手振りが大きくなる。

 FOMAに向かって話しかけながら笑ったり手を振ったりしているのは端から見ると、かなり滑稽だった模様。職場の同僚たちは「この人おかしくなったんじゃないか」と怪訝そうだ。 「独り言じゃないよ、テレビ電話なんだよ!」

 1人の空間でテレビ電話を楽しむならともかく、周りに人がいるところでは「さー、テレビ電話でもかけるかぁ!」「あっ、テレビ電話が来た!」などとさりげなくアピールしておいたほうがいいかもしれない。

もう音声だけじゃ物足りない?

 以来、ヒマさえあれば「テレビ電話仲間」に電話をする毎日。回を重ねるうちに最初の緊張感や恥じらいはどこへやら、すっかり気に入ってしまった。

 単純なことなのだが、つながった瞬間に相手の姿を確認できると「あ、間違い電話じゃないんだ」と安心する。また相手が出先なら背景を見て「いまどこどこ? 分かった、○○でしょ!」などと盛り上がれる。隣に人がいるなら紹介してもらえるだろうし、「一緒に飲もうよ〜」と電話に向かって乾杯できる──。こんな少々バカバカしい楽しみ方ができるのも「テレビ電話ならでは」の利点と言えそうだ。

 楽しくてついつい長電話になりがちだが、音声通話時よりもバッテリーの消耗が早いのには要注意。バッテリーゲージが2つの状態からテレビ電話を始めると、約20分後には電池切れになってしまった。

 音声はイヤホンマイクを使えばクリアで聞き取りやすいが、ほんの一瞬タイムラグが発生する。それでも映像があるおかげなのか、それほどは気にならず許容範囲という感じだ。

 映像は先方がちょっと動くと画像が崩れてしまう。通話状態によってはイヤホンマイクを付けても音声がとぎれることもあるので、テレビ電話時はなるべく手を机の上などに固定するのがいいようだ。


テレビ電話中にP2102に撮り貯めたムービーを再生すれば、リアルタイムで相手も楽しめる。iモーションメールを送って返事を待つのとはまた違ったライブ感が楽しい(左)。テレビ電話にナマの画像を映したくなければオフにしたり、別の画像に差し替えることも可能だ

 人と会って話をするのが好きな私は、相手の表情が分かるテレビ電話にすっかりはまってしまった。これを使えば、遠距離恋愛中のカップルや単身赴任中の家族も、別れの危機や家族断絶を防げそうだ。

 もちろん声以外の情報が相手に伝わるのは愉快なことばかりではない。音声通話時には適当に打っていた相づちも、真剣にやらざるを得ないし、知られたくないときに居場所がバレてしまう危険性もある。ケンカした場合には音声通話よりも陰惨になりそうな気もする。

 もう1つ気になったのは通話料金。FOMAユーザーからよく「テレビ電話は通話料金が気になるから、自分からはかけないようにしてる」という声も聞いた。私のFOMAは借り物なのであまり気にせずバンバン使っていたが、さほど必要がないと思う人が気軽にどんどんかけたいと思える価格ではない。

時間帯料金
標準タイム52円/分(平日午前0〜1時/午前8〜0時)
お得タイム36円/分(平日午後1〜8時/土・日・祝日)
料金プランによって異なる。上記はいずれも「FOMAプラン67」で、営業区域内・営業区域隣接県にかけた場合

 「テレビ電話仲間がさらに増え」「増えたことで通話料金も安くなり」「テレビ電話機能付きFOMAが周りに認知され」「ヘンな目で見られることもなくなる」──そんな世の中が早く来ないかしらと、テレビ電話愛好家な私は考えるわけです。



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▼ パナソニック モバイルコミュニケーションズ

[野田幾子, ITmedia]

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