Mobile:NEWS 2003年7月23日 08:19 PM 更新

数字で読み解く“携帯”(4/4)


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 いつまでにメガピクセルにすればユーザーは逃げないか。このバランスがキャリアにとっても難しいところのようだ。高機能なデバイスを急いで搭載すると、それだけコストもかさむ。反対にQVGA化やメガピクセル搭載を半年程度遅らせてもユーザーが逃げないなら、端末製造コストが低下するというメリットもあるからだ。

※実際、「メガピクセルを載せるので一番大変だったのはキャリアの説得」と話す端末メーカーもある

データARPUをどこまで伸ばせるか

 契約者獲得とARPUの向上という2つの流れを見てきたが、結局のところ、他社と熾烈な食い合いをせずにキャリアが売り上げを伸ばすには、データARPUを増加させるしかない。

 そしてデータARPUの増加には、対応端末と共に魅力的なサービスを出していくしかない。だから、新サービスを考える部隊が端末の仕様を決めるという流れになる。

※iモード事業部が端末の仕様決定で力を持つのはこういう理由。iモード事業部の幹部が、「カメラなんていらない」「メガピクセルなんてどうでもいい」とたびたび言ってきたのも(6月20日の記事参照)、(iモードに絡んだ)データARPU増加に直接結びつかないからと見ることができる

 今後、端末にはさまざまな新機能が載り、通信方式も新しいものになっていく。しかし最も注目すべきは、そうした機能を生かしたサービスを提供できるかどうかに尽きる。

※ただし、将来の動向としては、データARPU増加だけに留まらない利益の柱を見つける動きも活発になってきている。コマース用途がその1つだ。iモード事業部は、デジタルコンテンツ市場は1000億市場としばしば話す。うち、課金代行によるドコモの取り分は90億円。ドコモ全体の売り上げに比べれば微々たる数字だが、この課金代行モデルを物販にも広げることで、市場規模はどんどん大きくなる。KDDIに続き、ドコモも物販の課金代行を開始する。この分野の伸びからも目が離せない

月間端末製造台数400万台

 携帯電話の出荷台数は、だいたい月間で400万台。年間で4800万台だ。携帯電話の新規契約数は、2002年度で約650万増だから(4月7日の記事参照)、4000万台以上は買い換え需要ということになる。

 携帯電話全体の契約者数が7700万人いるから、平均すれば約2年ごとにユーザーは買い換えを行っている。「505iがターゲットとするのは503iユーザー」──そう言われるのは、この平均して2年おきの買い換えという数字からだ。

 また、この4800万台を各キャリアのシェアで割ると、ドコモ向けが2700万台、auおよびJ-フォン向けがそれぞれ900万台、ツーカー向けが250万台という数字になる。例えば、ドコモがFOMAしか売らなければ(それでも従来同様に端末が売れるなら)、年間2700万ずつFOMA契約が増えることになる。



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[斎藤健二, ITmedia]

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