PかNか? 900iのインタフェースには注意:50xユーザーのためのFOMA乗換指南(2/2 ページ)
「F900i」に続き、残り4社の900iシリーズの登場も迫っている。これを機に、50xシリーズなどから乗り換えを考えているユーザーも多いだろう。しかし、50xとは大きく操作感が変わってしまっているメーカーもある。
似て、非なるモノ? F900i
ではほかのメーカーはどうか。F900iとF505iを比べると、よく似ているが細かな部分が異なっていることが分かる。富士通は504i系から505i系へ移行する際に、メニュー周りの構成も大きく変えた。このときにFOMA同様9分割アイコンを採用している。
ユーザーインタフェースは似ているともいえるし、けっこう違うともいえる。ただし50xのときから、よく言えば「メニューインタフェースの改善に余念がない」、悪く言えば「インタフェースをころころ変更する」メーカーだっただけに、富士通ファンにはそもそも操作系の慣れに対するこだわりはないのかもしれない。
ほぼ変更なしのD900i、SH900i
N、P、Fが、従来のFOMA端末を改良して900iシリーズに仕上げたのに対し、三菱電機とシャープのD900i、SH900iは、ほぼFOMA新規開発。そのためかインタフェースも50xがベースになっている。
いずれも、どちらが900iなのか分からないほど酷似している。この2機種については、50xユーザーも違和感なく乗換可能だろう。
ユーザーインタフェースの変更をどう見るか
自社のユーザーインタフェースをかたくなに守るメーカーと、柔軟に変更するメーカー。ユーザーにとって、どちらがありがたいのだろうか。
少々前の調査だが、買い換え時に「現在使っている端末と同じメーカー」を機種選択の理由として挙げるユーザーは35%にも上った(2003年8月の記事参照)。特に、使い慣れた操作体系を望む声は年齢が上がるにつれて大きくなる(2002年4月の記事参照)。
メーカーの“ブランド力”とは、信頼性や多機能さ、カメラ画質などスペックに現れない部分などを指すのだろう。ただし“使い慣れた操作体系”も、同様に重要なブランドであることも間違いない。一定レベル以上の使い勝手を達成したら、その操作体系を壊さぬよう拡張していくという方針のメーカーも多い。
ただし900iシリーズの場合、インタフェースの変更は、操作系に対する方針というよりも、コストと開発期間の問題のほうが大きいようだ。
NECとパナソニックモバイルは、基本となるハードやソフトウェアを共通化することで、1社での開発に比べて開発期間の短縮・開発コストを削減している。富士通も、50xシリーズで使っていたリアルタイムOSではなく、汎用OSのSymbian OS(2003年6月の記事参照)を使うことで同様の効果を狙っている。
ユーザーインタフェースの一貫性よりも、安価な端末をタイムリーに提供することを最優先したということなのだろう。
ともあれ、900iシリーズに機種変更するユーザーは、自分が愛用するメーカーの端末がどのような仕様なのかを見極めてから乗り換えることをお勧めする。
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