2003年は“変身ケータイ”、今年は“ミニミニケータイ”:Mobile Weekly Top10
折りたたみ型一辺倒だった携帯電話に、変化の波が訪れている。2003年は利用シーンに合わせて形状が変わる“変身ケータイ”の年だったが、2004年は「高機能化にうんざり」な“ミニミニケータイ”が続々登場している。
2003年は、利用シーンに合わせて端末がさまざまな形状に変化する“変身ケータイ”がトレンドだった。
ムービースタイルをうたって登場したパナソニック モバイルコミュニケーションズ製のFOMA「P2102V」(2002年12月の記事参照)を皮切りに、液晶部が180度スライドする回転式ボディの京セラ端末「A5305K」(2003年5月の記事参照)やドコモのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ端末「SO505i」(2003年4月の記事参照)「SO505iS」(2003年12月の記事参照)と続き、あまりにいろいろな向きにスライド・回転するあまり、どうしたらいいのか分からなくなる「P505iS」(2003年11月の記事参照)が登場して“変身の年”は暮れていった。
これらの“変身ケータイ”は、カメラのメガピクセル化や高機能化に伴って進化した末の形状。その多くが「デジカメのように使うには、どのような形にするべきか」という点にフォーカスして設計されたものだった。
そして今年の傾向は、ずばり小型化。カメラ礼賛の流れにうんざりしたユーザーが増えたのだとしたら皮肉だが、「薄型・小型・軽量」をうたう端末が続々と登場している。
auの春モデルでは、ソニエリが高さ89ミリの「A1402S」(2月18日の記事参照)、三洋マルチメディア鳥取が重さ103グラムの「A5405SA」(2月16日の記事参照)で薄さや軽さをアピール。ボーダフォンの「V301SH」(1月22日の記事参照)もコンパクトさでは負けていない。ドコモも高さ87ミリの「P252iS」(4月26日の記事参照)を4月にリリース、ビジネスシヨウでは“名刺より小さい”ストレート端末「premini」(5月11日の記事参照)を発表して注目を集めた。
2003年にも薄くて小さい端末は出ていたが、変身ケータイのインパクトが勝ってしまい、陰に隠れがちな存在だった。しかし“折りたたみの元祖”といわれるNECまでが回転機構の端末を出すこのご時世(4月27日の記事参照)、“小さいこと”のほうが、もの珍しく感じられるようになったのかもしれない。
重さ | 幅 | 高さ | 厚み | |
---|---|---|---|---|
V301SH | 93グラム | 47ミリ | 92ミリ | 22ミリ |
A1402S | 104グラム | 47ミリ | 89ミリ | 22ミリ |
A5405SA | 103グラム | 48ミリ | 94ミリ | 20ミリ |
P252iS | 95グラム | 46ミリ | 87ミリ | 26ミリ |
premini | 69グラム以下 | 39ミリ | 90ミリ | 19ミリ |
SO505i(参考) | 145グラム | 50ミリ | 105ミリ | 33ミリ |
A5502K(参考) | 145グラム | 50ミリ | 111ミリ | 25ミリ |
この流れは、折りたたみ型へのアンチテーゼともいえる「INFOBAR」(2003年10月の記事参照)が人気を博したことから始まったようにも思える。INFOBARは、薄型軽量ながらも使い勝手は良好で、機能面でも妥協がなかった。
2004年に登場したミニミニケータイたちも、載っている機能は絞られているものの、その使い勝手やデザインには細かい配慮がなされている。
何でもありのデパートのような端末から、よく使う機能やデザインが洗練されたセレクトショップのような端末へ──。折りたたみ一辺倒だった時代も今は昔、2004年は携帯電話の多様化が進み、端末選びも楽しいものになりそうだ。
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