ニュース
KDDI、日立および東芝と燃料電池搭載の携帯開発に着手
メタノールを燃料として発電し、充電のいらない電池──燃料電池を使った携帯電話の開発にKDDIが着手した。2005年度末までに携帯電話内蔵タイプの試作品を開発する。
KDDIは日立および東芝と燃料電池を使った携帯電話機の開発に着手した。2004年度中に外部充電器タイプの試作品、2005年度末までに携帯電話内蔵タイプの試作品を完成する予定。
「今後のトレンドとして地上デジタルテレビが携帯に乗ってくることを考えると、燃料電池が至上命題」(KDDI)であることから、次世代電池として開発を進める。
開発メーカーの1社である日立は「KDDIから燃料電池の仕様が出てきた段階で開発」としており、現状はイメージ段階。燃料電池普及を阻む法規制の1つ、メタノールの航空機内持ち込みが解除される見通しの2007年に向けて、開発を行う。
advertisement
現在のところ、具体的な仕様は固まっておらず、現行のリチウムイオンバッテリーを置き換えるのか、端末内で併用していくのかも未定。コストは2倍程度、電池容量は2倍程度を目標とする。
日立と東芝は燃料電池開発メーカーであると共に、KDDI向けのau端末供給メーカー。東芝はこれまでポンプやファンを使用して燃料のメタノールを希釈するアクティブ型の燃料電池を開発してきたが、それに加え濃度99.5%のメタノールを希釈なしで使うパッシブ型の超小型燃料電池の開発も行っている(6月24日の記事参照)。
関連記事
- 東芝、世界最小・親指サイズの燃料電池を開発
純メタノールを使うことでタンクを小型化したパッシブ型。燃料約2ミリリットルで小型オーディオプレーヤーを約20時間駆動できる。 - 「モバイル向け燃料電池」も“秒読み”――日立がカートリッジ方式展示
ノートPC/PDA/携帯電話など、モバイル機器の“夢の電源”として期待されている「燃料電池」。ナノテクノロジーの展示会「nano tech 2004」で、実用化に近づきつつあるモバイル機器向け燃料電池が紹介されている。 - IECが携帯機器向け燃料電池の国際標準化に着手、日立が議長に
IEC作業部会の国際議長に日立が就任へ。日本主導でマイクロ燃料電池の標準化が進みそうだ。 - 「今年中に製品化」東芝、ノートPC向け燃料電池
東芝のノートPC向け燃料電池が、製品化に向けて秒読み段階だ。CeBITでB5サイズのノートPCを、メンテナンスフリーで動作させるデモを行っている。形状は未定だが、システム構成は変えずに年内にも製品化を目指す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.