携帯はこうしてPCになっていく(2/3 ページ)
CPUは数百MHz、メモリは50Mバイト以上、そして各社が共通のOSを採用。PCのようなスペックアップとプラットフォームの共通化が携帯でも起きようとしている。
50Mバイト超目前のメモリ
2つ目はメモリだ。「CPUの次に重要な位置を占めるのではないか」と伊藤氏が話すように、CPUクロックだけでなくメモリ容量は急速に増大している。カメラ付き携帯電話登場時に5Mバイト程度だった携帯のメモリ容量は、現在は20Mバイト前後。50Mバイトを超えるのは目前であり、韓国では既にHDD搭載の携帯電話も発表されている(9月7日の記事参照)。
メモリ容量の増大によりマルチメディア機能はさらに進化できる。「(50Mバイトに達すれば)音楽でいうと50曲くらいを蓄えられるようになる。iPodにはかなわないが、かなりそれに近いところまでいく」(伊藤氏)。
ここでの“メモリ”は、動画や静止画を保存するフラッシュメモリのほか、ゲームの動作時に利用するSRAM/SDRAMの両方を指している。フラッシュメモリについては、低コスト化のため既にNAND型の活用を開始していることも明かした。
さらに将来的には、携帯の“ストレージネットワーク化”も狙っている。「メモリがどんどん載るということは、携帯もストレージネットワークの中の一つの部分を占められる」と伊藤氏。複数のストレージをネットワークでつないで活用する技術をストレージ(エリア)ネットワークという。
「携帯を一つのストレージとして見ることが、面白いアプリを生み出すのではないか」(伊藤氏)
OS共通化~アプリケーションプラットフォーム統一へ
3つ目はOSだ。昨今、国内ではドコモを中心にLinuxやSymbianなど汎用OSの採用が始まっているが(11月18日の記事参照)、KDDIはQualcommが用意するOSとアプリケーションプラットフォームBREWを利用していく方針だ。
「(Qualcomm製のリアルタイムOSである)REX OSを当分使うつもり。汎用OSはウイルスなどの懸念もある。セキュリティをしっかりしないと、ストレージネットワークとしての利用もない」(伊藤氏)
KDDIはBREWをアプリケーションプラットフォームとし、メールやWebなどをBREWアプリケーションとして開発する計画を掲げている(4月28日の記事参照)。通信キャリアによって採用するOSは異なるが、これまで端末メーカーによってバラバラだったアプリケーションは、確実に共通化の方向に向かっている。
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