携帯はこうしてPCになっていく(2/3 ページ)

» 2004年12月02日 01時50分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

50Mバイト超目前のメモリ

 2つ目はメモリだ。「CPUの次に重要な位置を占めるのではないか」と伊藤氏が話すように、CPUクロックだけでなくメモリ容量は急速に増大している。カメラ付き携帯電話登場時に5Mバイト程度だった携帯のメモリ容量は、現在は20Mバイト前後。50Mバイトを超えるのは目前であり、韓国では既にHDD搭載の携帯電話も発表されている(9月7日の記事参照)

 メモリ容量の増大によりマルチメディア機能はさらに進化できる。「(50Mバイトに達すれば)音楽でいうと50曲くらいを蓄えられるようになる。iPodにはかなわないが、かなりそれに近いところまでいく」(伊藤氏)。

 ここでの“メモリ”は、動画や静止画を保存するフラッシュメモリのほか、ゲームの動作時に利用するSRAM/SDRAMの両方を指している。フラッシュメモリについては、低コスト化のため既にNAND型の活用を開始していることも明かした。

 さらに将来的には、携帯の“ストレージネットワーク化”も狙っている。「メモリがどんどん載るということは、携帯もストレージネットワークの中の一つの部分を占められる」と伊藤氏。複数のストレージをネットワークでつないで活用する技術をストレージ(エリア)ネットワークという。

 「携帯を一つのストレージとして見ることが、面白いアプリを生み出すのではないか」(伊藤氏)

OS共通化〜アプリケーションプラットフォーム統一へ

 3つ目はOSだ。昨今、国内ではドコモを中心にLinuxやSymbianなど汎用OSの採用が始まっているが(11月18日の記事参照)、KDDIはQualcommが用意するOSとアプリケーションプラットフォームBREWを利用していく方針だ。

 「(Qualcomm製のリアルタイムOSである)REX OSを当分使うつもり。汎用OSはウイルスなどの懸念もある。セキュリティをしっかりしないと、ストレージネットワークとしての利用もない」(伊藤氏)

 KDDIはBREWをアプリケーションプラットフォームとし、メールやWebなどをBREWアプリケーションとして開発する計画を掲げている(4月28日の記事参照)。通信キャリアによって採用するOSは異なるが、これまで端末メーカーによってバラバラだったアプリケーションは、確実に共通化の方向に向かっている。

 次ページ:2005年の携帯はどうなるのか?


液晶はVGAに〜PDAよりむしろスマートフォン

 “PC化”を別の観点から見ると、PDA機能を取り込んだスマートフォン化が最初のステップとして実現しそうだ。「私は最近PDAの利用をやめて携帯でやっている。ディスプレイさえ大きければ十分実用的になってきた」と伊藤氏。

 KDDIのカシオ製端末「W21CA」では、携帯で初めて2.6インチの液晶を採用し「ほとんどPDAに近くなっている」(伊藤氏)。「VGA解像度の液晶や有機ELの実用化に期待している」と話した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年