5分で分かる、先週のモバイル事情:9月6日~9月12日
スマートフォン関連のトピックが目白押しとなった先週。イー・モバイルがHTC製の「Touch Diamond」、KDDIが同じくHTC製の「E30HT」を発売すると発表した。AppleはiPhone 3Gファームウェア「2.1」を公開。TCAとケータイキャリア5社は、18歳未満のフィルタリングについて、ブラックリスト方式を原則適用すると発表した。
KDDIからもスマートフォン――活気づくスマートフォン市場
先週はスマートフォンに関するトピックが目白押しの1週間だった。9月9日にはイー・モバイルがHTC製のタッチパネル端末「Touch Diamond」を10月上旬に発売すると発表。9月11日にはKDDIが、タッチパネル+QWERTYキー搭載のHTC製端末「E30HT」を2009年春に投入することを明らかにした。
KDDIがスマートフォンの投入を発表したことで、ドコモ、ソフトバンクモバイル、KDDI、ウィルコム、イー・モバイルの大手携帯5キャリアがスマートフォンを展開することになり、ビジネスコンシューマー市場や法人市場におけるシェア獲得争いの激化が予想される。
なお、海外では英Sony Ericssonが、同社のWindows Mobile端末「Xperia X1」を9月30日に英国、ドイツ、スウェーデンで発売すると発表。RIMはコンシューマー市場に本腰を入れるとし、チケット販売の米Ticketmaster、インターネットラジオサービスの米Slacker、DVR(デジタルビデオレコーダー)の米TiVoとの提携を発表。端末についても、同社初となる折りたたみ型BlackBerryの「BlackBerry Pearl Flip 8220」を披露した。
関連キーワード
KDDI | イー・モバイル | スマートフォン | BlackBerry | E30HT | HTC | HTC Touch Diamond | HTC Touch Pro | 法人ビジネス | NTTドコモ | QWERTY | ソフトバンクモバイル | Sony Ericsson | タッチパネル | ウィルコム | Windows Mobile | XPERIA X1
Apple、新製品発表――iPhoneのバージョンは2.1に
Appleが9月10日、新たなiPodファミリーを発表した。iPod nanoは加速度センサーを搭載した縦長スタイルのフルモデルチェンジ版として登場。iPod shuffleはブルーとグリーンがメタリックな色調になり、iPod classicは120Gバイトモデル1本に絞られた。iPod touchは、音量調節ボタンとスピーカーを新たに搭載し、「Nike+iPod」のセンサーを内蔵した。
また新サービスとして、プレイリスト作成機能の「Genius」を発表。iTunesを使用するユーザーの活動データを収集し、それに基づいてプレイリスト候補を表示するというもので、クリックするだけでライブラリにマッチしたプレイリストが自動で生成される。
9月12日、iPod新ラインアップの発表会「Let's Rock」で講演を行った米Apple CEOのスティーブ・ジョブズ氏は、iPod touch向けのファームウェアバージョン2.1を9月9日から、iPhone向けの2.1を9月12日から配布すると発表。アップデートによりiPhone 3Gのバージョンは2.1となり、(1)バッテリー寿命の向上(2)通話発信時のエラーと通話中のエラーによる回線切断の発生頻度の減少(3)メールの信頼性の向上(4)パスコード入力に10回失敗するとデータを消去するオプション(5)Geniusプレイリスト作成機能 など多数の機能が改善されるという。
なおiPhone 3Gについては、ソフトバンクモバイルが法人向けの活用を積極的に提案しており、9月10日に開催された法人ユーザー向けの商品・サービス説明会「SoftBank Summit 2008」で講演に立った同社社長の孫正義氏は、講演の大半をiPhone 3Gのビジネス活用の可能性に関する説明に費やした。
関連キーワード
iPod | iPhone 3G | Apple | iPod nano | iPod touch | スティーブ・ジョブズ | 発表会 | 法人ビジネス | CEO | ファームウェア | iPod classic | iPod shuffle | ソフトバンクモバイル | 孫正義
フィルタリング、18歳未満はブラックリスト方式を原則適用へ
電気通信事業者協会(TCA)とNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・モバイルの5社が9月12日、青少年の有害なサイトへのアクセスを制限するフィルタリングサービスの認知拡大・利用促進策を発表した。
キャリアは18歳未満の既存契約者に対するフィルタリングサービスの周知を十分に行い、親権者が「不要」と申告しない限り2008年度内にブラックリスト方式のフィルタリングサービスを設定する。
なおブラックリストに掲載されているサイトでも、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が認定した「健全サイト」については、閲覧可能にする方針。カテゴリーや基準については、EMAを始めとする第三者機関の意見を踏まえつつ改善するとしている。
また、現在提供しているフィルタリングサービスに加え、ユーザー自身が個別に閲覧不可とするサイトを設定できるようなサービスの提供も目指していく。
関連キーワード
フィルタリング | ブラックリスト | 電気通信事業者協会(TCA) | 基準 | キャリア | 通信事業者 | モバイルコンテンツ審査・運用監視機構 | イー・モバイル | KDDI | NTTドコモ | ソフトバンクモバイル | ウィルコム | 未成年 | 青少年ネット規制法 | 学生
MediaFLOとFeliCaの可能性を検証――島根ユビキタスプロジェクトがスタート
9月11日、「ユビキタス特区」事業の1つである「島根ユビキタスプロジェクト」の推進協議会が設立され、実証実験の模様や利用設備などが報道関係者向けに披露された。
同プロジェクトは、代表申請者であるメディアスコープが中心となって実施するもので、産学公民の連携を重視することから島根大学・学長の本田雄一氏を筆頭に、島根県知事の溝口善兵衛氏、松江市長の松浦正敬氏など、地元の大学や自治体トップが名を連ねる。ICT業界からは、クアルコムジャパン代表取締役会長の山田純氏、フェリカポケットマーケティング代表取締役社長の納村哲二氏、トヨタ・電通・ソニーの3社が出資するメディアラグの代表取締役社長、藤井雅俊氏などが参画し、MediaFLOやFeliCaがどのような形で利用者の生活向上や地域の経済振興に貢献できるかを検証する。
実験の1つとして注目されるのは、屋外では日本初となるMediaFLOの試験放送。約3年をかけて、UHF帯におけるMediaFLOの電波伝搬実験を実施し、プロジェクト全体を支えるインフラとして機能させながら、技術的な改良や改善を図る。
実験当初はストリーミングによるリアルタイム放送を展開し、近日中にはクリップキャスト(蓄積型マルチメディア放送)やIPデータキャストの実験も追加するとしている。
同プロジェクトでは、多様なポイントやクーポン、会員情報を1枚のカードやおサイフケータイにまとめるアプリケーションシステム「FeliCaポケット」の実証実験も実施。FeliCaポケットの仕組みを利用した独自の地域カード「あいポケット」「あいポケット WAON」を発行し、メディアスコープと地域の商店街が連携して、店頭のサイネージ端末からの電子クーポン受け取りシステムや、地域ポイントプログラムの構築などを行う計画だ。
MVNO向けレイヤー3接続プランを公表――イー・モバイル
イー・モバイルが9月10日、MVNO向けのネットワーク接続料金を発表した。総務省が5月19日に改定した「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」に沿って策定・公表したもので、イー・モバイルをMNOとしたMVNOサービスを検討する事業者向けに、モバイルデータ通信サービスの概要やMVNO事業者が負担する各種費用、技術的条件、運用、サービス開始までの手順などを説明している。
標準プランの接続プロトコルはレイヤー3となり、端末はイー・モバイル側が有償で用意。端末はMVNO側で独自に調達することも可能としている。端末にセットするSIMはイー・モバイルからMVNO側へ貸与し、MVNO事業者が負担する費用については、月額利用料を基本とし、さらに事務手数料、工事費等によって構成される。
シャープ、アクロディア、ブライセン、エイチアイが参画――Symbian Foundation
Symbian Foundationは9月9日、新規メンバーとしてアクロディア、ブライセン、エイチアイ、Ixonos、KTF、Opera Software、シャープ、TapRoot Systems、UIQ Technologyを迎えたと発表した。
Symbian Foundationは、2008年6月にAT&T、LG Electronics、Motorola、Nokia、NTTドコモ、Samsung Electronics、Sony Ericsson、STMicroelectronics、Texas Instruments、Vodafoneを設立メンバーとして発足し、これまでに計40社が参加を表明している。
同団体では、Symbianをベースとしたオープンな共通プラットフォームを開発し、それを利用することで、端末開発のコスト低減や開発期間の短縮を目指す。Symbian Foundationに加盟する団体には、共通プラットフォームおよび共通UIフレームワークが提供される予定で、特許使用料不要ですべてのソフトウェアを使用できる。
関連キーワード
Symbian(シンビアン) | アクロディア | AT&T | Ericsson(エリクソン) | フレームワーク | エイチアイ | KTF | LG電子 | Motorola(モトローラ) | Nokia(ノキア) | NTTドコモ | Opera | Samsung | シャープ | Sony Ericsson | STMicroelectronics | Texas Instruments | UIQ Technology | Vodafone
7月のケータイ出荷台数、400万台割れ――JEITA
電子情報技術産業協会(JEITA)が9月10日、2008年7月の携帯電話・PHS端末の国内出荷台数実績を発表した。累計出荷台数は377万9000台で前年同月比70.7%となり、500万台超を出荷した6月の実績を大きく下回った。
携帯電話の出荷台数は363万4000台で、前年同月比71.1%。ワンセグ搭載モデルの出荷台数は289万1000台、前年同月比154.7%と好調に推移しており、搭載比率は79.5%と8割到達が目前に迫っている。
法人向けカメラなし端末、法人向けプリペイド3Gサービス登場
9月11日、KDDIが京セラ製の法人向け端末「W63K」を発表した。W63KはKCPを採用したストレート型のau端末。カメラと外部メモリスロットを非搭載とし、オートロック機能/遠隔オートロック機能や遠隔データ消去機能を搭載することで、紛失、盗難時の情報流出を防ぐ。
日本通信は法人向けのプリペイド3G通信サービス「b-mobile3G hours500」を9月19日に発売すると発表した。中ZTE製のUSB接続型HSDPA端末と500時間分の接続料金がワンセットになった製品で、接続料金は1分ごとに減算。個人向けのb-mobile3G hours150よりも長時間かつ長期間の利用を想定しており、日本通信によると、1カ月のうち20日で1日75分利用した場合、20カ月間の月額料金は4990円(端末代、プロバイダ料金込み)になるという。
関連記事
KDDI、HTC製スマートフォン「E30HT」投入──VGAタッチパネルにQWERTYキー搭載
KDDIは9月11日、Windows Mobile 6.1 Professionalを搭載したKDDIとしては初のQWERTYキーボード搭載スマートフォン「E30HT」を発表した。「HTC Touch Pro」ベースの端末で、EV-DO Rev.Aに対応し、2.8インチのVGAタッチパネルを搭載する。iPhone対抗の「Touch Diamond」、日本ではイー・モバイルから登場
イー・モバイルは、HTC製のWindows Mobile搭載スマートフォン「Touch Diamond」を10月上旬に発売すると発表した。進化した独自UIの「TouchFLO 3D」を搭載したほか、下り最大7.2Mbpsの高速通信が行える。- 苦戦のiPhoneに“包囲網” au「Touch Pro」発売へ、ドコモは「BlackBerry」新機種
スマートフォン市場で、“四つ巴”の決戦が幕を開ける。7月iPhoneを国内で発売したソフトバンクに対抗し、NTTドコモは9月末に新機種発売を、auは週内にHTC「Touch Pro」投入を発表する予定だ。 ウィルコム、アキバや東京、梅田駅などで「WILLCOM D4」体感イベント実施──9月16日から
スマートフォン市場で、“四つ巴”の決戦が幕を開ける。7月iPhoneを国内で発売したソフトバンクに対抗し、NTTドコモは9月末に新機種発売を、auは週内にHTC「Touch Pro」投入を発表する予定だ。次の携帯、半数が「スマートフォンも検討」
アイシェアがスマートフォンに関する意識調査の結果を発表。iPhoneとWILLCOM 03の実機画像を見せた上で、次にスマートフォンを利用する可能性を聞いたところ、半数超が検討する意向を示した。- RIM、BlackBerryの対コンシューマー戦略を強化
Ticketmaster、Slacker、TiVoらと提携し、ビジネスユーザー中心だったBlackBerryでの一般ユーザー獲得に乗り出した。 ソニエリ、Windows Mobile搭載「Xperia X1」の発売日を発表
新ブランド「Xperia」の第一弾「X1」は、9月30日にまず英国、ドイツ、スウェーデンで発売されることが決まった。初の折りたたみ式BlackBerry、「BlackBerry Pearl Flip 8220」が登場
これまで一貫してストレート型スマートフォンを提供してきたRIMが、初めて折りたたみ式のBlackBerryを発表した。- マイクロソフトのWindows Mobile、国内5キャリアで搭載機が発売に――KDDIの「E30HT」登場で
“シェイクでシャッフル”な最薄iPod nanoほか、iPodファミリーが全ラインアップ改定
アップルがiPodファミリーのラインアップを改定。注目は加速度センサーを搭載し、「シリーズ最薄」を実現したフルモデルチェンジのiPod nanoだ。劇的な改善多数──iPhone 3Gファームウェア「2.1」は米国時間12日に配布開始
米AppleのCEO、スティーブ・ジョブズ氏は、9月9日に開催したイベント「Let's Rock」で、iPhone向けの新ファームウェア2.1を「金曜日から配布を開始する」と話した。- Apple、「App Store」のダウンロード回数が1億回を突破と発表
7月11日に開設された「App Store」でのiPhoneアプリのダウンロード回数が、約2カ月で1億回を突破した。 「iPhone 3G」がiPhone 2.1アップデートで変わったポイント
7月11日に開設された「App Store」でのiPhoneアプリのダウンロード回数が、約2カ月で1億回を突破した。ビジネスケータイ後進国・日本を目覚めさせるのは誰だ?
携帯電話の普及が飽和する中、通信各社の成長を下支えしているのが法人携帯の需要だ。個人向けと違い、ほとんどが通話専用にしか使われていない法人向け携帯の使い方を変えるには、“らくらくホン的”アプローチが必要になってくるのではないだろうか。18歳未満はブラックリスト方式のフィルタリング原則適用へ──利用数は約430万件に
電気通信事業者協会(TCA)と国内の携帯電話/PHSキャリア 5社は9月12日、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングサービスのさらなる認知向上と利用促進を図るための取り組みを発表。合わせて2008年7月末までの利用者数実績も明らかにした。日本初、屋外向けMediaFLO+FeliCaの実証実験──島根ユビキタスプロジェクト開始
島根大学周辺のユビキタス特区で9月11日、「島根ユビキタスプロジェクト」がスタートした。産学公民で連携し、MediaFLOやFeliCaを使ったさまざまなサービス実験やビジネスモデル実験が行われる。イー・モバイル、MVNO向けのレイヤー3接続標準プランを公表
イー・モバイルは、同社のHSDPA網を利用するMVNO向けにレイヤー3接続の標準プランを策定し、提供条件や接続料金などを公表した。月額の接続料金は、10Mbpsごとに700万円(税別)。- Symbian Foundationにシャープ、Operaらが新たに参加表明
日本企業としてはシャープ、アクロディア、ブライセン、エイチアイが新たにSymbian Foundationに加わった。 ノキアデザインは“生活密着型リサーチ”から生まれる――Nokiaのチップチェイス氏
世界各国に端末を投入するグローバル企業のNokiaは、各地域のニーズを汲んだ端末の開発に長けており、それが同社端末のシェア拡大につながっている。Nokiaでデザインを手がけるヤン・チップチェイス氏が、地域密着型端末を生み出すNokiaのリサーチ方法を紹介した。紅の赤、輝く雲をボディカラーに――ノキア、「NM706i」を披露
ノキアが、今年3モデル目の日本市場向け端末として投入するのが「NM706i」。3色のボディカラーのうち2色を日本限定色とするなど、日本市場を意識した端末に仕上がった。同社のマクギー社長は、「今年後半に、エキサイティングな新製品を投入する予定」と期待を持たせた。携帯出荷、好調6月の反動で400万台割れ――JEITA 7月携帯出荷台数
電子情報技術産業協会(JEITA)が7月の携帯電話・PHS端末の国内出荷台数実績を発表した。6月に500万台超を出荷した携帯電話は400万台を割り込み、2カ月ぶりで前年同期比マイナスに。PHSも4カ月ぶりのマイナスとなった。シンプルストレート端末「W63K」に法人向けカメラなしモデル登場
KDDIは、京セラ製のシンプルストレート端末「W63K」からカメラと外部メモリ機能を省いた「W63K カメラなしモデル」を発表した。端末内のデータを遠隔操作で消去できるなどセキュリティ機能を強化。- 日本通信、法人向けのプリペイド3G通信サービス「b-mobile3G hours500」発表■■日本通信は、ドコモの3G回線を利用したPCデータ接続サービス「b-mobile3G hours500」を発表した。接続時間を500時間、利用可能期間は600日間を伸ばして法人向け販売する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.