触れると分かる「本当の使いやすさ」に自信──Wオープン3代目の集大成「P-01A」開発の真意(前編):開発陣に聞く「P-01A」(3/3 ページ)
人気のWオープンスタイルを継承し、横向きでも文字を入力できる新機構“2WAYキー”が特徴の「P-01A」。前機種P906iと比べて何が変わり、どんな特徴があるのか。そしてタッチパネルを採用しなかったのはなぜか。パナソニック モバイルの「P-01A」開発チームに話を聞いた。
デザイン性と使い勝手を両立させる、ほかとは“ちょっと違う”逆ヒンジを採用
──P-01Aのデザインと逆ヒンジ、開発の軸が何となく連動しているようですね。
沢村氏 そうですね。P-01Aは、従来のモデルとは構造が異なる“逆ヒンジ”を採用したので、背面のヒンジ部分に生じていたノイズ感をなくし、非常にすっきりとしたものに仕上げました。
このほか、機能向上を果たしつつも前モデルのP906iよりさらに0.5ミリ薄く、柔らかくラウンドさせたC面(角)処理を行ったことで、手持ち感のよさも向上させています。
カラーはフロスティホワイト、シャンパンピンク、グラマラスレッド、グラファイトブラックの4色で展開します。それぞれに特徴がある素材感を生かした仕上げを施しつつ、かつて「P702iD」などに採用したイルミネーション機能“ヒカリドロップス”も備えます。
── このデザインにはどんなテーマがあるのでしょうか。
デザイン担当の古宮幸昌氏(以下、古宮氏):今回は、「無機質な“なまめかしさ”」を目指しました。携帯というデジタル感は残しながら、有機的で柔和な雰囲気も融合させるのが大きなテーマです。これを最も具現化するのが「フロスティホワイト」です。半つや消しのホワイトとシルバーを少し含めたツートーン構成となっておりまして、背面パネルの中央に裏から透過して大きく淡く光る“ヒカリドロップス”が「すりガラスの瓶の中に入り、淡く灯るろうそくの光」をイメージしています。
このほか、「グラファイトブラック」は精密さを少し強調したドット柄、「グラマラスレッド」は“はっ”と振り返るようなグラマーさを演出するウェーブ柄、「シャンパンピンク」はピンク(ロゼ)シャンパンのピンク色。シャンパンの泡のイメージでうっすらラメを含めてあります。
── ヒカリドロップスが復活しましたが、どんな思いがあって採用したのですか。
野中氏 実は、デザインワーク当初は想定していたのが開発途中で一度あきらめかけ、最終的に採用できたという経緯があります。その理由の1つが、部品の厚さといった物理的な問題でした。ただ、このスペースはやはり光ってほしいんですよね。
電気設計担当の渡邊聡氏(以下、渡邊氏):ヒカリドロップスは、高輝度のLEDにすり鉢状の導光板を用い、ヒカリをじわっと拡散する仕組みになっています。旧モデルのP702iDの時代はまだボディも厚く、設計もいくらか容易でしたがこれだけボディが薄くなると、導光板とともにどれだけ構成部品の体積を抑えられるかが重要になります。部品そのものはP702iDとかなり違うものに進化しています。
ディスプレイ部にはもちろん液晶パネルがありますので、使えるスペースはほんの数ミリです。この限られたスペースでヒカリドロップスを実現するにはかなり苦労しましたね。ヒカリを拡散させる導光版は、実はノウハウの固まりです。
──なるほど。不在着信通知など、閉じたまま一目である程度の状況を識別できる通知LEDを重視するユーザーも多いですからね。
野中氏 今回のヒカリドロップスは、フロスティホワイトとシャンパンピンクが少し柔らかいヒカリ、グラマラスレッドとグラファイトブラックがやや派手めなヒカリで演出します。一般的に、男性と女性が求めるヒカリの効果が異なるように、選んでいただくカラーの想定ユーザー別に標準のヒカリパターンを用意しました。もちろん光るパターンのカスタマイズも行えます。
また、iコンシェルなどの新サービスに関連する更新通知もヒカリドロップスで行えるので、より分かりやすく便利に使っていただけると思います。
関連記事
触れると分かる「本当の使いやすさ」に自信──Wオープン3代目の集大成「P-01A」開発の真意(後編)
利用シーンに応じてキー配列が変わる“2WAYキー”と軽量コンパクトなすっきりデザインが特徴の「P-01A」。後編は、“実は大きく便利に進化した”というワンセグやカメラ機能、ドコモ新サービスの対応に関する開発の裏側、そして、どんな「ユーザーの要望で改善した」機能があるかを探る。- 「P-01A」関連記事一覧
変化する2WAYキー搭載の「P-01A」、11月19日発売
ドコモは2008年冬モデルのPRIMEシリーズ「P-01A」を11月19日に発売する。新機構の2WAYキーや暗所撮影に強い高感度撮影モード機能付き510万画素カメラを備え、「キングダム ハーツ」「レイトン教授」などの横向きプレイ対応ゲームアプリもプリセットする。ドコモPRIMEシリーズ、バリューコース一括は6万270円、分割は月々2380円から
ドコモの冬モデルの4機種が11月19日から20日にかけて発売される。PRIMEシリーズの「F-01A」「P-01A」「SH-01A」はバリューコース一括で6万円台前半で、従来の90xiシリーズよりも少々高めの価格設定となっている。写真と動画で解説する「P-01A」
好評の“Wオープンスタイル”を継承しつつ、開けるとキーの配列が変化する新機構“2WAYキー”を採用して進化したパナソニック モバイル製の「P-01A」。ワンセグやフルブラウザ、ゲーム、カメラなどを楽しむ「横向きUI」を3世代目にしてかなり満足のいくものに仕上げて登場する。発売9カ月で300万台出荷──存在感増したパナソニックの“VIERAケータイ”、さらに3つの“SHIN化”を推進
パナソニック モバイルは2008年冬商戦向けモデルの製品説明会を実施。シェア向上と“復活”の引き金になった“VIERAケータイ”を軸にした今後の製品展開の方向性などを説明した。また、2010年度に海外市場へ再参入する意向も示した。横に開くと表示が変わる“2WAYダイヤルキー”、横向き進化のWオープンスタイル──「P-01A」
パナソニック モバイル製の「P-01A」は、前モデルのP906iがさらに進化したWオープンスタイルのハイエンドモデル。縦開きと横開きでダイヤルキーの表示や配列が変わる“2WAYキー”を新たに備え、横開き時もそのまま文字の入力が可能になった。キングダムハーツやレイトン教授といった人気ゲームもプリインストールする。ドコモ、2008年冬モデル22機種発表──新型番で新たな4シリーズ展開
ドコモは2008年冬モデル全22機種を発表。過去最多数の機種を用意し、8機種のタッチパネルケータイを投入する。ほかにも8M CCDカメラや3Wayスタイル、HTC・Nokia・RIM製スマートフォン、横スライドQWERTYキー、多色、防水、ブランドコラボなど多彩なラインアップで展開。ユーザーエージェント機能「iコンシェル」やウィジェット機能「iウィジェット」などの新サービスも始める。- 「P906i」関連記事一覧
写真で解説する「P906i」
好評のWオープンスタイルはそのままに1.1ミリの薄型化を果たし、デザインの小リニューアルを行った“P905iの正常進化モデル”がパナソニック モバイルの「P906i」。P905iTVなみのワンセグ性能、顔認識AF付きカメラ、そして横向きのヨコオープンスタイル用インタフェースなどを新たに備え、細かい機能や使い勝手がかなり進化した。インタビュー:P905iで妥協した“ほんの数ミリ”──「P906i」の進化の過程はここから始まった
人気モデル P905iの“正常進化モデル”として登場したパナソニック モバイル製の「P906i」。多くのユーザーに支持されたP905iに何が足りなかったのか、P906iはどこが進化したのか。パナソニック モバイルのP906i開発チームに話を聞いた。横向きUIとワンセグ強化で“Wオープン”デザイン洗練──「P906i」
P905iの優れた特徴を継承しつつ、デザインや機能がさらに向上した「P906i」。横向きUIやP905iTV並みのワンセグ機能、顔認識AFなどを追加しながら1.1ミリの薄型化を果たし、デザインが洗練。ガンダムやレイトン教授などの人気ゲームも内蔵する。横向きUIはどう?──「P906i」
ディスプレイが横にも開く“Wオープンスタイル”を継承した「P906i」。では新たに備えた“横向きメニュー”はどう使えるか。動画とともに確認していこう。無線LAN、タッチパネル、擬似5.1ch、顔認識カメラ、横UI……“全部入り”がさらに強化──ドコモ、906iシリーズ8機種発表
NTTドコモが2008年夏モデル「906iシリーズ」8機種を発表。905iシリーズの“全部入り”をさらに強化した。それぞれ新操作デバイスや統合検索、高画素カメラ、横向きUI、Bluetoothなどの特徴を追加するとともに、VoIPで通話定額の「無線LAN」搭載モデルも登場する。発売は6月初旬から。- 「NTTドコモ」関連記事一覧
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.