──P-01Aのデザインと逆ヒンジ、開発の軸が何となく連動しているようですね。
沢村氏 そうですね。P-01Aは、従来のモデルとは構造が異なる“逆ヒンジ”を採用したので、背面のヒンジ部分に生じていたノイズ感をなくし、非常にすっきりとしたものに仕上げました。
このほか、機能向上を果たしつつも前モデルのP906iよりさらに0.5ミリ薄く、柔らかくラウンドさせたC面(角)処理を行ったことで、手持ち感のよさも向上させています。
カラーはフロスティホワイト、シャンパンピンク、グラマラスレッド、グラファイトブラックの4色で展開します。それぞれに特徴がある素材感を生かした仕上げを施しつつ、かつて「P702iD」などに採用したイルミネーション機能“ヒカリドロップス”も備えます。
── このデザインにはどんなテーマがあるのでしょうか。
デザイン担当の古宮幸昌氏(以下、古宮氏):今回は、「無機質な“なまめかしさ”」を目指しました。携帯というデジタル感は残しながら、有機的で柔和な雰囲気も融合させるのが大きなテーマです。これを最も具現化するのが「フロスティホワイト」です。半つや消しのホワイトとシルバーを少し含めたツートーン構成となっておりまして、背面パネルの中央に裏から透過して大きく淡く光る“ヒカリドロップス”が「すりガラスの瓶の中に入り、淡く灯るろうそくの光」をイメージしています。
このほか、「グラファイトブラック」は精密さを少し強調したドット柄、「グラマラスレッド」は“はっ”と振り返るようなグラマーさを演出するウェーブ柄、「シャンパンピンク」はピンク(ロゼ)シャンパンのピンク色。シャンパンの泡のイメージでうっすらラメを含めてあります。

背面パネルから透けて演出する“柄”の試作パターンいくつか。ずしりと重い、金属製無垢パネルなどもあったようだ。なお、“カスタムジャケット”も開発段階の議題にはなったが「サイズ、厚さ、品質を考えた上で、それぞれのカラーにベストマッチする柄を提案することに落ち着いた」(野中氏)という── ヒカリドロップスが復活しましたが、どんな思いがあって採用したのですか。
野中氏 実は、デザインワーク当初は想定していたのが開発途中で一度あきらめかけ、最終的に採用できたという経緯があります。その理由の1つが、部品の厚さといった物理的な問題でした。ただ、このスペースはやはり光ってほしいんですよね。
電気設計担当の渡邊聡氏(以下、渡邊氏):ヒカリドロップスは、高輝度のLEDにすり鉢状の導光板を用い、ヒカリをじわっと拡散する仕組みになっています。旧モデルのP702iDの時代はまだボディも厚く、設計もいくらか容易でしたがこれだけボディが薄くなると、導光板とともにどれだけ構成部品の体積を抑えられるかが重要になります。部品そのものはP702iDとかなり違うものに進化しています。
ディスプレイ部にはもちろん液晶パネルがありますので、使えるスペースはほんの数ミリです。この限られたスペースでヒカリドロップスを実現するにはかなり苦労しましたね。ヒカリを拡散させる導光版は、実はノウハウの固まりです。
──なるほど。不在着信通知など、閉じたまま一目である程度の状況を識別できる通知LEDを重視するユーザーも多いですからね。
野中氏 今回のヒカリドロップスは、フロスティホワイトとシャンパンピンクが少し柔らかいヒカリ、グラマラスレッドとグラファイトブラックがやや派手めなヒカリで演出します。一般的に、男性と女性が求めるヒカリの効果が異なるように、選んでいただくカラーの想定ユーザー別に標準のヒカリパターンを用意しました。もちろん光るパターンのカスタマイズも行えます。
また、iコンシェルなどの新サービスに関連する更新通知もヒカリドロップスで行えるので、より分かりやすく便利に使っていただけると思います。
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ヒカリドロップスの“光りパターン”いくつか
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