コラム

第2回 かなり違う、“2種類”の分離プランケータイの「分離プラン」を改めて考える(1/3 ページ)

2007年から2008年にかけて順次導入されたケータイの「分離プラン」は、通信キャリアにより大きく2つの方式に分かれる。何に差があるのか、そして実際に支払う端末価格がどう変化するのかを比べてみる。

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キャリア別に少し異なる「分離プラン」への対応

2008年6月に導入されたKDDIの割賦販売+分離プラン

 2008年6月に、KDDIが「新シンプルプラン」を開始したことで、国内通信キャリアによる端末の割賦販売+分離プランの導入が完了した。どの通信キャリアも分離プラン向けの端末価格は上がるが、実質約24カ月(もしくは端末代金分割払い中)は利用料金が実質割り引かれる点は共通。ただ、通信キャリアによって大きく2つの方法に分かれている。

 NTTドコモとKDDIは、分離プランで端末の購入価格が高くなる代わりに、従来より基本料金を安価にする料金プランを用意する方法を採用した。各種割り引き前の基本料金は従来より一律で1680円/月分安価になる。現状は分離プランで購入する人が大半なので、この方法は基本料金が安くなった分が“かつての端末割り引き額分である”とみなせる。

 ドコモの分離プランは、バリューコースとバリューコースで端末を購入した場合の基本料金となるバリュープランを、KDDIはシンプルコースとシンプルコースで端末を購入した場合の基本料金として新シンプルプランを展開する。

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 この2社は2年ごとの継続契約で基本料金を50%割り引く仕組みを取り入れており、この“2年ごとの利用”を前提にすると基本料金は840円~910円/月ほど安くなる。総額の参考例として、以下の表にまとめた。以後、実質額を比較しやすくするためドコモとauは分離プランによる基本料金の差額を910円に仮定する。

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 ソフトバンクモバイルとウィルコムの分離プランは、端末価格が高くなる代わりに、端末購入後24カ月もしくは端末代金の分割払い期間中に限って月々の利用料金を割り引く方式を導入する。

 2社ともに今までの方法でも端末を購入できるが、分離プランで端末を購入し、24カ月間使い続ける方が実質の端末代金が安価になるように端末価格と割り引き額が設定されている。このほか、ウィルコムは分離プランで端末を購入した場合にのみ端末の保障を充実させたり、契約解除手数料を減額するといった方法で分離プランで購入するユーザーを優遇している。

 ソフトバンクモバイルは、分離プランの端末販売方式を“新スーパーボーナス”、新スーパーボーナスで端末を購入した場合の月々の利用料金割り引きを“月月割”、ウィルコムは“W-VALUE SELECT”として展開する。割り引き額は端末ごとに設定され、一定でないのがポイントの1つとなる。

 なおソフトバンクモバイルはドコモやauの料金プランに合わせたブループラン、オレンジプランも提供するが、これを考慮するとあまりに複雑になってしまうので、今回は多くのユーザーが加入するホワイトプランにおける利用契約を想定することをお許し願いたい。また、ソフトバンクモバイルの月月割は新スーパーボーナス加入後3カ月目から開始されるので、24カ月間の割り引きをすべて適用するには計27カ月間の継続利用が必要となる。ただこちらも他社と比較しにくいので、今回は24カ月の継続利用で割り引きがすべてに適用されると想定して話を進める。

 では、この2つの方式は何が違うのだろうか。

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