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“ガラパゴスから世界へ”日本で当たり前を世界で当たり前に――NTTドコモブースMobile World Congress 2009

Mobile World Congress 2009のドコモブースでは、国産ケータイの可能性を伝えるコンセプトモデルの展示や、FeliCaやMIFAREに対応した“世界版おサイフケータイ”と呼べるU-SAMチップ搭載端末のデモ、そしてLTEについての取り組みなどが展示された。


NTTドコモブース

 「Mobile World Congress 2009」のNTTドコモブースでは、2008年11月に発表された冬モデルに加え、らくらくホンやキッズケータイなどターゲットを絞った端末なども展示。新サービスの「iコンシェル」や「iウィジェット」の体験も行なわれていた。

 そのほか、CEATEC JAPAN 2008で発表したコンセプトモデルの「セパレートケータイ」や「プロジェクターケータイ」を展示。すでに発表済みのセパレートケータイとプロジェクターケータイではあるが、日本国外で実物が展示されるのは今回が始めて。来場者の多くが足を止めて興味深く説明を聞いていた。特にセパレートケータイについては、ディスプレイ側ボディとダイヤルキー側ボディが自由に着脱できるメカニズム(磁石を利用)や通信方法(Bluetoothを利用)がどうなっているのかという質問が多いという。ドコモはセパレートケータイとプロジェクターケータイの製品化をかなり前向きに検討しており、「Mobile World Congressのような場で日本のケータイの持つパワーを世界に広めたい」(担当者)と意気込んでいた。

 また、ソニーの「FeliCa」やNXP Semiconductorsの「MIFARE」など複数の非接触型ICカードを管理できる「U-SAM」チップを搭載した端末の利用シーンも紹介していた。U-SAMチップ自体はまだ出荷されていないため、デモはFeliCaを搭載した日本のおサイフケータイを使って行なわれていたが、国際規格を採用した非接触ICカード端末への期待は大きいという。また、日本のおサイフケータイ端末の契約数が3000万人を超えることについて、驚く来場者も多いという。

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 そのほかにも、海外ローミング中でも現在位置情報を使ったコンテンツを利用できるソリューション、iアプリでホームネットワークにつながった家電を制御するPUCC、横須賀で行なわれているLTEのフィールドテストの様子などが展示されていた。

実機展示は2008年冬モデルが中心。NEC製の「N-01A」とパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P-03A」
スライド端末では、富士通製の「F-03A」とデザイン家電ブランド「amadana」とコラボレートした「N-04A」などが展示されていた
新端末で利用できる新サービスも紹介されていた。エージェントサービスである「iコンシェル」についてはその先進性を評価する声が高いという
セパレートケータイ
単にボディが分割できるだけでなく、シチュエーションに合わせてデザインや構成を変えることも提案している
プロジェクターケータイの展示
試作機はCEATEC JAPAN 2008と同じもの。ポータブルゲームデバイスやフォトスタンドなどの展開も紹介
FeliCaやMIFAREなど、複数の非接触ICカード規格に対応する「U-SAM」チップ搭載端末のデモ。チップ自体がまだ出荷されておらず、デモはおサイフケータイで行なわれていた
海外でも位置情報コンテンツを使えるようにするLBS(Location Based Service)ローミングソリューション。携帯電話のGPS機能は、GPS衛星を使った測位だけでなく基地局と通信して精度を高めるネットワークアシスト方式のものが多い。また、単独測位できる端末でもネットワークアシストが行えないと測位に時間がかかったり、測位そのものに失敗することもある。このソリューションを使えば、ローミングした通信事業者の基地局を使って測位精度を高められるほか、現地のパケット網を経由して現在位置情報を使ったコンテンツを端末に提供できる

家電ネットワークを携帯からコントロールできるPUCCプロトコル
会場内でも「おそらくドコモが世界初の商業サービスを始めるのでは」とウワサされていたLTE。ブースではフィールドテストの様子を展示していたが、GSMが主流の欧州ではようやく3Gサービスが始まったばかり。来場の多くは、ドコモのLTEへの取り組みがかなり先行している印象を受けたようだ

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