日本初の海底ケーブル施設やペリー提督のモールス電信機が近代化産業遺産に認定
KDDIの小山テクニカルセンター 国際通信史料館に収蔵されている「海底線陸揚庫」と「ぜんまい仕掛けのモールス電信機」が、経済産業省の「近代化産業遺産群 続33」において近代化産業遺産に認定された。
KDDIは同社小山テクニカルセンター(栃木県小山市)の国際通信史料館に設置されている「海底線陸揚庫」(復元)と「ぜんまい仕掛けのモールス電信機」(複製)が、経済産業省の「近代化産業遺産群 続33」において電気通信分野の近代化産業遺産として認定されたと発表した。
近代化産業遺産は、日本の近代化を支えた幕末から戦前までの建造物や機械などの産業遺産を産業史や地域史といった33のストーリーを軸に取りまとめ、経済産業省が認定するもの。2008年度に取りまとめた「近代化産業遺産群 33」に引き続き、今回“続33”として全国540カ所の近代化産業遺産が認定された。
海底線陸揚庫は通称ケーブルハットと呼ばれ、1871年に長崎県の小ケ倉千本(現長崎県長崎市)に建設された海底電信線と国内の電信網を接続する施設。ここから上海とウラジオストックをつなぐ海底電信線が敷かれ、それぞれ南回りと北回りでヨーロッパと結ぶ日本初の国際通信がスタートした。施設は復元したものだが、内部には実際に使用した通信機が展示されている。
ぜんまい仕掛けのモールス電信機は、米国の発明家モールスが1837年に発明したもの。日本に開国を迫るペリー艦隊が、1854年に2度目の来日をした際に江戸幕府へ献上したものの同型機。ぜんまいを動力源して送られるテープに、信号を受けた電磁石が針を動かし、モールス符号を刻んでいく。ペリーはこの電信機を2台使い、上陸地の横浜で電信のデモンストレーションを行なったという。なお現在は、逓信総合博物館の保有となっている。
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