テレビ電話のイメージが変わる? 家族と「FaceTime」を使ってみた(3/3 ページ)
Appleが「iPhone 4」の目玉機能の1つとして搭載したテレビ電話機能「FaceTime」。実際に家族と使ってみて、iPhone 4ならではの簡単さと、無料ならではの気軽さが実感できた。毎日使うものではないが、家族や親しい人との会話に、映像という新たな要素が加わるのが楽しい。
東京と広島でFaceTime通話
妻の実家での短い滞在を終え、仕事のため一足先に家に帰った自分は、よく朝iPhone 4の着信音で目が覚めた。約束の時間よりもだいぶ早かったが、出てみると息子からのFaceTimeのコールだった。
画面の「受け入れる」ボタンを押すとほどなく息子の顔が画面に現れる。「おはよー」という明るい声が部屋に響いた。
音質・画質はともに良好。お互いiPhone 4を顔から離し、ハンズフリー状態で通話しているわけだが、特に声が聞き取りにくいということもなかった。映像は、ときどきフレームレートが落ちることもあったものの、それほどカクカクではなく、十分相手の表情の変化や動きが分かるレベル。画面の縦横切り替えやインカメラとアウトカメラの切り替えもスムーズだった。
通話料が無料なので、心置きなく電話ができるのもいい。ときには変顔を見せて笑いを取ったりしながらのんびりと会話を楽しんだ。息子が写してくれた妻は、まだ“リラックスしきった姿”だったけれども。
その後も毎朝息子からFaceTimeがかかってきて、元気な姿を確認する日が続いた。昨日あったことをいとこ君と楽しそうに話してくれる息子がほほえましい。またFaceTimeのおかげで、息子が家に忘れていった宿題も無事発見。アウトカメラで息子の部屋の学習机を写し、教科書とノートを探し出して宅配便で広島に送ったりもした。
なおケータイカメラと同様、インカメラの画角は広角寄りなので、普通に手に持って自分の顔を写すと下ぶくれになってしまうので気を付けたい。ちょっと面倒だが、あごをぐっと引くか、iPhone 4を見上げるような位置で持つと顔がきれいに写る。周りの照明にも、余裕があれば気を配りたいところ。直射日光が当たらない窓際では、自然な太陽光が斜め上から当たるのでとてもナチュラルな感じで好印象だ。逆に暗い場所だと映像にノイズが乗り、顔色も悪く見えてしまう。窓を背にすると、逆光になって顔だけ黒くなってしまうのにも注意したい。
テレビ電話の歴史に投じられた“一石”
冒頭でも触れたとおり、すべての通話がテレビ電話になると、困るシーンもあるだろう。きっと、メールが普及しても便せんと封筒がなくならないように、音声だけの電話はこれからも使われ続けるに違いない。しかし、離れて生活する親しい人の姿が、写真ではなくリアルタイムの映像で確認できるテレビ電話は、シーンによってはとても便利でうれしいツールだということが、FaceTimeで実感できた。
毎朝FaceTimeで会話していると、さすがに話すことも減ってはくるのだが、髪型が変わっていたり、見たことがない服を着ていたりするのも映像で分かるので、それがまた新しい会話につながっていく。言葉で説明しにくいものも、映像を相手に送れば一瞬で共有できる。「百聞は一見にしかず」という言葉通り、映像を交えて会話するのは今までの電話とは違う体験だ。FaceTimeは、それを無料で楽しめる。
以前テレビ電話を利用したことがある人も、iPhone 4を持っていて、親しい人にiPhone 4ユーザーがいたら、ぜひFaceTimeを試してみてほしい。用事もないのにFaceTimeで会話を始める必要はないが、何か見せたいものや伝えたいことがあるときFaceTimeで会話をすれば、きっと新しい発見があるはずだ。
無線LANが必須なので、現状では景色がいい場所や面白いものが見えた場所から気軽に友達や家族などにFaceTimeでテレビ電話をかける、という利用は難しい。当面は自宅やインターネット環境があるホテルの部屋など、屋内での利用が中心になるだろう。ただ、観光地や商店街などで公衆無線LAN環境の整備が進めばば、それも不可能ではなくなる。インフラの普及とともに、FaceTimeが利用できるシーンは広がるだろう。
“未来の電話”として多くの人に知られていながら、これまでほとんど利用されてこなかったテレビ電話。FaceTimeはそのテレビ電話の歴史に投じられた“一石”だと感じた。
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