「iPhone 4」のHD動画撮影機能って使える? iMovieは買うべき?
「iPhone 4はケータイ市場を竜巻となって席巻する」と書いた前回のレビューでは、動画や写真の作例の一部、そしてRetinaディスプレイについて詳しく紹介しきれなかった。そこで今回は、iPhone 4の動画機能と「iMovie」、そしてRetinaディスプレイの解像感を改めて取り上げたい。
有効約500万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用した「iPhone 4」は、手軽にきれいな静止画が撮影できるのはもちろん、ハイビジョン(HD)サイズの動画撮影機能も備えている。1280×720ピクセルの高精細な映像が、写真と同じような操作性で簡単に撮影できる。
動画の撮影は、メインカメラでできるのはもちろんだが、VGA相当の画質を持つインカメラでも行える。録画中でも画面をタップすればその場所にピントが合わせられ、暗所での撮影の際にはLEDフォトライトを点灯できる。
百聞は一見にしかずだと思うので、前回のレビューでは紹介できなかった、iPhone 4で実際に撮影した動画を以下に掲載しておく。YouTubeにアップロードする際に再エンコードされてしまうため、画質は元のデータより若干悪くなってしまっているが、それでも十分クオリティの高さは感じてもらえるはずだ。撮影した動画ファイルはH.264形式のMOVファイルとして保存される。
iPhone 4の撮影画面。右上のスライドスイッチをビデオカメラ側に動かすと動画、カメラ側に動かすと静止画の撮影ができる。非常にシンプルな構成なのは相変わらずだが、左上にインカメラとアウトカメラの切り替えボタン、左下にフォトライトのオン/オフ/自動を切り替えるボタンが用意されている
HD動画作例1
HD動画作例2
HD動画作例3
明暗差の激しく移り変わる環境や、画面全体が大きく動く高速道路走行中にどんな映像が撮れるかも試してみた。仕上がりを見る限り、コンパクトデジタルカメラにも匹敵する画質の高さに感じられる。
インカメラ動画作例
インカメラでは、VGA相当の画質で動画の撮影が可能だ。さすがにHD動画の撮影はできないものの、自分撮りなどには十分。鏡代わりに使うこともできるだろう。
iMovieは買っておくべき
iPhone 4専用の動画編集アプリ「iMovie」が6月24日からApp Storeで配信されているが、これは非常に楽しいアプリなので、iPhone 4ユーザーならぜひ手に入れておきたい。価格は600円。安くはないが、それだけの価値はある。
iMovieはiPhone 4で撮影した写真やビデオを編集して、タッチ操作だけで簡単にビデオクリップを作れるアプリだ。Mac用iMovieと同等の機能があるわけではないが、タッチパネルのインタフェースを生かして、ほんの少しの手間と時間で見栄えのいいホームムービーが作成できてしまう。動画編集というと、あれこれと面倒そうなイメージがあるかもしれないが、iPhone 4用iMovieなら本当に簡単だ。
iPhone 4で撮影した写真と映像を組み合わせて作ったのが、下の映像。作成したビデオクリップは「360p」「540p」「HD 720p」のビデオファイルとして書き出すことができる。HD 720pの動画は大画面テレビなどに映し出しても楽しめるだけのクオリティを持つ。
Retinaディスプレイはこんなに精細
さて、ここまでiPhone 4の動画撮影機能と動画編集機能について紹介してきたが、改めてそれをiPhone 4で再生した場合にどうなるかにも触れておきたい。
iPhone 4は、すでにさまざまな形で紹介されているとおり、これまでのiPhone 3G/3GSと比べて4倍の解像度を持つ精細なRetinaディスプレイを搭載している。このディスプレイは、ドットピッチが326ppi(ピクセル/インチ)あり、人間の網膜が認識できる上限といわれる300ppiを上回る。ぱっと見ではドットが分からず、目を近づけ凝らして見ないと1ドットが見えないほどだ。
試しにiPhone 3、iPhone 3GS、iPhone 4のSafariのアイコンを同じ距離から撮影した写真を見てみてほしい。「解像度が4倍」になるとどうなるか、一目瞭然だろう。各アプリのアイコンは、Retinaディスプレイに合わせて高解像度版が用意されている。フォントも非常にきれいだ。
ちなみにRetinaディスプレイは、HD動画を再生する際もとても美しい。試しにiPhone 4が発表されたWWDC10の基調講演の映像を視聴してみたが、高画質モードで見ると表示はとても滑らかだ。
先の記事でも触れたとおり、iPhone 4は写真や動画も撮れるコンパクトデジカメとしても十分役立つだけの性能を手に入れたと言える。
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