「HTC J ISW13HT」を水没させるとどうなるか:自由研究
おサイフケータイに赤外線通信など、日本向けの仕様盛り込んだHTCのAndroidスマートフォン「HTC J ISW13HT」。とことん日本市場向けにカスタマイズしているのに、なぜか防水性能はうたわれていない。しかし、HTC Jには防水を目指したと思われる痕跡がある。
6月に「HTC J ISW13HT」を入手して以来、ずっと気になっていたことがあった。
グローバルメーカーのHTCが、日本市場に最適化したモデルとして開発し、鳴り物入りで発売されたHTC Jは、音楽へのこだわりとして高音質ヘッドフォン「Beats by Dr. Dre urBeats In-Ear Headphones」を同梱しているのに、イヤフォン端子にパッキンが付いたカバーがぴっちりとはまっていたり、充電する度に何度か爪を引っかけて開けなくてはいけない端子カバーが付いていたりする。背面のカバーも、たくさんのツメでがっちり固定されていて、外そうと思うとかなり力を入れてバキバキと外さないといけない。それなのに、防水性能についてはカタログや公式サイトで一切触れられていないのだ。
そして、実際にHTC Jを購入しようと量販店店頭でデモ機に触れていたときに、販売応援と思しき人はこんなことも言っていた。
「発売前にこの端末の試作機を見せてもらったときは、防水にも対応するって説明されていたんですよ」
販売員の話の真偽のほどは定かではないが、実際、5月の時点で一部のブログなどでも防水性能について話題になっていたことも記憶にあったので、夏休みの自由研究よろしく、水につけてみることにした。
もちろん、なんの下調べもせずにいきなり水に入れるほどの勇気は持ち合わせていないので、まずは背面のカバーを外して、水が入る場所がないかじっくり見てみた。
特筆すべきは、やはり端子カバーのゴムパッキンと、カバーのすき間の少し内側に、ボディをぐるっと囲むように用意された厚さのあるスポンジのような質感のテープ。水の浸入を防止する役割を持っていそうなパーツで、水滴くらいは間違いなく防げそうだった。
そこで何日かシャワー中の浴室に置いたりして、湯気や水滴がかかる環境でどうなるか様子を見てみたが、特段の変化は感じられなかったので、実際にシンクに水を張ってその中に入れてみることにした。その様子が以下の動画だ。
水道水の深さは5センチほど、入れたのは10秒ほどなので、防水性能というよりは浸水防止性能くらいの検証だが、いきなり電源が落ちるようなことはなかった。動画を撮影した後、写真を撮るためにもう一回水に入れ、ゆっくりと引き上げてボディをタオルで拭き、ゆっくりとカバーを開けてみた。
カバーの内側を見てみると、やはりスポンジ状の素材が水の侵入を防いでいることが分かる。スポンジ状のパッキンの内側に水滴がある部分もあったが、これはカバーを開けたときに水がはねた可能性もあり、浸水とは断定できない。ただ、安心して風呂の湯船の中にドボンと落とせるほどの防水性能があると考えるのは難しいかもしれない。
日常生活の中でちょっと水がかかったり、雨の中で使うくらいの状況には対応できるが、水没した場合は危険——。個人的にはそんな印象だ。風呂場での使用も、落とさないように注意すればなんとかいけるかもしれない。
しかしこの“防滴”性能、なぜカタログなどでうたわれていないのだろうか。正式な認証を通過させる時間がなかったのか、それともしっかり防水・防塵とうたうには性能が足りなかったのか。詳細は確認していないが、なんとも不思議だ。
なおKDDIやHTCは、HTC Jの防水性能については一切保証していないので、水の近くでの使用は自己責任となることは留意しておいてほしい。製品のロットによっては、パッキンが貼られていない可能性もゼロではなく、すべてのHTC Jで同等の結果が得られるとは限らない。ITmedia Mobile編集部でも、読者諸氏がHTC Jを水に入れてみた結果何が起こるかについては責任は持てないのでご注意を。
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