ドコモdマーケットを統括する熱い男――NTTドコモ/阿佐美弘恭スマートライフビジネス本部長:石川温のスマホ業界新聞(2/2 ページ)
NTTドコモは7月1に組織改編を行った。これを機に組織をまとめ上げる立場として「スマートライフビジネス部」本部長になった阿佐美弘恭氏に、ドコモのコンテンツビジネスの方向性について聞いた。
NTTドコモのサービスとiPhoneは「相容れない」ものなのか
8月にブルームバーグがNTTドコモ・坪内和人副社長に行ったインタビューのなかで、坪内氏が、ドコモとアップルのビジネスモデルが同じであり「共存できない。棲み分けができない限り無理」と語っていた。
確かに、いまのドコモはdマーケットでの動画や音楽、アニメストアなどのコンテンツ配信を強化し、11月にはdocomo IDをオープン化させようとしている。マルチデバイス、マルチネットワークを年明けにかけて加速する予定だ。
しかし、KDDIを見れば、iPhone上でも「うたパス」や「ビデオパス」などのコンテンツサービスを提供しており、共存は可能なように思える。
では、実際、コンテンツを担当する阿佐美さんはiPhoneとの「共存」をどのように考えているのか。先日、直撃したところ「(iPhone関連の話は)ノーコメントってことになっている」としながらも「Google Playと同じスタンスとして考えればよいのではないか」と語った。
NTTドコモとしては、これからdocomo IDをサービスの中心に置こうとしており、マルチデバイス展開して行くには認証機能は不可欠だ。しかし、Androidでサービスを展開するには、Googleアカウントがつきまとう(それを回避するためのTizen導入でもあるのだが)。
仮にドコモがiPhoneを導入した場合、dマーケットとAppstoreなどが競合するが、それはいまのGooglePlayの存在と変わらないというわけだ。
dマーケットでWebベースで提供されているサービスは、すでにiOS上でも利用できる。「スゴ得コンテンツ」のコンテンツもiPhoneで利用できるものも多いようだし、iPhone上にショートカットもおける。
坪内社長は「共存できない」と語るが、阿佐美さんの話を聞く限り、決してそんなことはなさそうだ。
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