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フリービットがフランチャイズ展開でスマホ販売を強化 ━━石田社長「600万円で開業可能。300店舗まで拡大したい」石川温のスマホ業界新聞

MVNO事業開始より1周年を迎えたフリービット。今後は全国でフランチャイズ展開をすることを表明した。

 MVNOにおける競争が過熱する中、フリービットが新たな戦略に打って出た。店舗のフランチャイズ展開を明らかにしたのだ。同社では商業施設などに出店できるキオスク型の店舗を展開しているが、それらの店舗や店員のコスチューム、設備を含めて600万円からの費用で、フランチャイズ店をオープンできるようになるという。同社の石田宏樹社長は「2015年度末までに300店舗を目指したい」と語っている。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2014年11月22日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。

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 フリービットでは、オンラインショップだけなく、福岡、名古屋、渋谷に出店している旗艦店「ATELIER」、テレビショッピングや法人向けのパートナープログラムなど、急速に販路を拡大している。MVNOにとって、現在、ターゲットになっているのが、「スマホは高い」と思ってフィーチャーフォンを使い続けているユーザー達だ。その数、6000万とも言われており、MVNOにとっては「宝の山」と言える。

 しかし、いまだにスマホデビューしていないと言うことは、デジタルに関しての知識も乏しく、「ネットでスマホを買って契約する」というのは相当、ハードルが高いはずだ。彼らが気軽に購入するには、知識がなくても対面で相談できるリアル店舗が重要となる。だからこそ、イオンスマホがヒットしたのだが、他のMVNOにとってリアル店舗を出店するのは、コスト面でもなかなか見合うものではない。IIJは、ビックカメラと組んでMNPの店頭対応を行っているが、あくまでMNPの即日対応を満たすものであって、それ以外の手続きやサポートは提供できていない。

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 その点、フリービットはかなり強気でリアル店舗進出を攻めてきたと言えそうだ。石田社長は「freebit mobileの黒字化が見えてきており、フランチャイズで仲間を増やしても無責任にならないのではないか」と、フランチャイズ展開を決断したようだ。ただ、MVNOとして、NTTドコモから回線を調達し、他のMVNOに負けない料金を競っておきながら、リアル店舗を展開し、なおかつフランチャイズで参入する人たちも儲けさせようとするのには、かなり大変なのではないかと思ってしまう。

 フリービットは「ユニクロのような直販型、さらに特許技術に強みがある」(石田社長)といい、これらによって他のMVNOと差別化するだけでなく、コスト面でも優位に立っているという説明であった。他のMVNOの場合、回線も売れた分だけ追加調達すれば良いので、リスクも少なく参入しやすいと言われている。楽天モバイルなどは端末調達においても「在庫を持たなくて良いので、リスクがないに等しい」(三木谷浩史社長)ということで、「3年で1000万台が目標」といいつつも、まずはネット販売を中心とするなど、かなり身軽に、リスクをできるだけ抑えて事業を展開している感がある。

 しかし、フリービットの場合は、いちおうオリジナル端末を調達し、さらに独自のユーザーインターフェイスを載せ、さらに旗艦店も出店するなど、最初から攻めまくっている。石田社長は「2017年までに国内シェア1%である120万契約を狙う」と豪語している。やはり他のMVNOとは異なり相当なリスクを背負っているだけに、できるだけ早期に契約者数を獲得する必要があり、フランチャイズ化にも踏み切ったのだろう。

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