NTTドコモが225Mbpsサービスを3月27日に開始━━果たして「プレミアム4G」は将来的にも使える名前なのか:石川温のスマホ業界新聞
NTTドコモが3月27日から提供する「LTE-Advanced」。下り最大225Mbpsというさらなる高速化を実現するものだが、ドコモがLTE-Advancedのことを「Premium 4G」と言い始めたのには、ちょっと首をかしげたくなった。
2月25日、NTTドコモがLTE-Advancedの記者会見を行った。キャリアアグリゲーションにより通信速度は国内最高の225Mbps。3月27日より、全国22都道府県の都市部から開始し、2015年度には全国主要都市に広げるようだ。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年2月28日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。
来週からスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress」で発表されるスマートフォン、タブレットはカテゴリー6に対応してくるものと予想され、225Mbpsが普通に使える状況になりそうだ。
今回、NTTドコモは225Mbpsにかけて、発表会も2月25日に設定していた(ちなみに、220MbpsのUQコミュニケーションズも2月20日を意識し、記者向けイベントを実施していた)。
その意気込みは素晴らしいが、ただちょっと首をかしげたくなったのがLTE-AdvancedのことをNTTドコモでは「Premium 4G」と言い始めたことだ。
NTTドコモと言えば、LTE開始時に「Xi」と言ってみたものの、iPhone発売時に他社が「LTE」と連呼し始めたものだから、急遽「ドコモLTE」と言い始めたことがある。
最近でも4つの周波数帯が使えると言うことで「フルLTE」とアピールし始めたと思ったら、今度は「プレミアム4G」と言う始末。
そもそも、「何に対するプレミアムなのか」とツッコミどころが満載だ。
もともとキャリアとして「4G」と言っていたなら「プレミアム4G」という上級感を出すのは理解できる。
NTTドコモの場合、4Gとは一度も言ったことがないにもかかわらず、いきなり「プレミアム」が出てくる不可思議さ。
他社が4Gといい、2020年には5Gが見えてるから「プレミアム4G」なのかも知れないが、2つの周波数帯を重ねて「プレミアム4G」なら、今後計画されている3つの周波数帯を重ねた時には何と言うつもりなのか。ちゃんと、将来の進化も考えて「プレミアム4G」と命名しているのか。
確かに、すでにKDDIが「キャリアアグリゲーション」とアピールしていることもあり、NTTドコモが後追いでキャリアアグリゲーションを訴求するのは、敗北感が半端ないというのは理解できる。しかし、また後先考えずに変な名前をつけるというのは、将来的に困るのではないか。
NTTドコモのカテゴリー名と言えば、iモード対応機種で900シリーズ、700シリーズと言ったときの棲み分けはとても上手くいっていたように思える。
しかし、その後、PRIME、SMART、STYLE、PROという4つのカテゴリー分けをしたときから「将来のことを考えずに、名前をつけているな」というダメな感じが明確に出ていた。
そもそも、それぞれのカテゴリーのスペック分けなどがきっちりと決まっているわけでもないのに、何となく4つに分けようという考え方が甘すぎた。
あのとき、結局、メーカーは自分たちが何シリーズを作っているのかわからず、最終的にドコモ側が、そのときのラインナップの状況を見て「これはとりあえず、SMARTね」といった具合に適当にシリーズを割り振っていただけのことだった。
記事を書くメディア側とすると、こうしたサービス名称やシリーズ名称などは、ページを構成したり、記事で説明文を書き加える必要があるため、「明確な規定」がないと、とても扱いづらいものになるのだ。
「Xi」と原稿で書いても通じないため「NTTドコモは高速通信技術であるLTE(Xi)」といったような書き方にせざるを得ないのだ。
「プレミアム4G」もいちいちそういった注釈をつける必要が出てきそうで頭が痛い。
NTTドコモはもうちょっといろいろ考えて、プロモーション名称を考えた方が良いと思う。
関連キーワード
NTTドコモ | LTE(Long Term Evolution) | LTE Advanced | キャリアアグリゲーション | Xi(クロッシィ) | 石川温のスマホ業界新聞 | 石川温 | Mobile World Congress | 第4世代移動通信(4G)
関連記事
ドコモ、下り最大225Mbpsの「PREMIUM 4G」を3月開始 スマホは15年度早期に対応
ドコモは、LTE-Advancedを利用した次世代通信サービス「PREMIUM 4G」を3月27日に開始すると発表した。通信速度は下り最大225Mbpsで、今後はさらに高速な300Mbpsを目指す。ドコモ、下り最大225Mbps対応のルーター「Wi-Fi STATION HW-02G」を2月18日に発売
LTE-Advancedに対応し、3月以降に下り最大225Mbpsの通信が可能になる、ドコモのモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION HW-02G」が、2月18日に発売される。ドコモ、下り最大225MbpsのLTE-Advancedを3月開始 「高度化C-RAN」など最新技術を説明
ドコモが3月から開始する「LTE-Advanced」は、既存のLTEを高速化する次世代通信規格。どのような技術を使って高速化しているのか、同社が説明した。ドコモ、2015年3月から下り最大225Mbpsの「LTE-Advanced」を開始
下り最大150Mbpsから225Mbpsへ――。ドコモが15年3月から「LTE-Advanced」を導入する。複数の周波数帯を束ねる「キャリアアグリゲーション」により、下り最大225Mbpsを実現する。
関連リンク
© DWANGO Co., Ltd.