ドコモのiPhone 6s販売、予約「2割増し」で行列解消 値下げは“じっくり検討”:期待に応える3年目
下り最大262.5Mbpsの「PREMIUM 4G」に対応。加藤社長が「最高のiPhone 6sは最高のネットワークで使っていただきたい」と優位性をアピールした。
NTTドコモは9月25日、「ドコモショップ丸の内店」(東京・有楽町)で「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」の発売記念イベントを開催。ドコモの加藤薫社長と同社のCMキャラクターを務める女優の高畑充希さんが出席し、購入者らと販売開始のカウントダウンを行った。
“iPhone発売”ではおなじみだった行列だが、この日は雨ということもあり、同店前に並んだ人数は6時半時点で10人以下。取材陣から「行列が少ないのは注目度が下がったためでは?」という質問を投げかけられた加藤社長は、「朝早くの発売に徹夜で並んでいただくと、暑さ寒さもあって、ご迷惑をおかけしてしまう。そうしたことがないよう、予約を重視した。今回は発売までの期間が2週間と長く、その分、店舗とネットでの予約に力を入れた。その影響もあるだろう」との考えを示した。
予約状況については「昨年より2割くらい多い」と好調なスタートであることを明かし、「端末が年々進化していますから、それを楽しみにしている方が増えているのだろう」と分析した。iPhone販売で先行するソフトバンクやKDDI(au)との競争についても触れ、「まだまだ追いついたとは言えず、競走はこれからも続くだろう。番号ポータビリティ(MNP)でどんどん戻っていただけるようにしたい」と意気込んだ。
またドコモが「iPhone 5s」「iPhone 5c」の取り扱いを開始してから丸2年がたち、今回のiPhoneはドコモ内で機種変更するユーザーの増も予想されている。加藤社長は「ドコモのネットワークでiPhoneを使えて良かった――という声をたくさんいただいている。その期待に応えるため、iPhone 6s/6s Plusでは『PREMIUM 4G』の通信速度を国内最速の下り最大262.5Mbpsにアップさせた。ドコモならより速く、より快適にお使いいただける。最高のiPhone 6sは最高のネットワークで使っていただきたい」と、ネットワークの優位性をアピールした。
ドコモはPREMIUM 4Gについて、最大速度が上がっただけでなく、実効速度ベースでLTEから約4倍の速さを体感でき、また混み合った場合でも速度が落ちにくいと説明する。加藤社長は「ネットワークのスピードとエリアを充実させ、快適さをアップさせるのはずっと続けてきたこと。ここ4年、LTEを営んできて、今はキャリアアグリゲーションで高速化し、さらに下り最大300Mbpsを目指している。2015年中にネットワーク側の準備が整い、対応端末が登場すれば300Mbpsの世界を体感していただける」(加藤社長)と、今後のさらなる高速化にも自信を見せた。
料金面では、auが先駆けた月額1700円で5分以内の定額通話が無制限でかけられる新料金に追従。2年契約を迎える既存のユーザーについては、新しい料金体系で用意されている長期契約者向けの割引などで対応する考えだ。また端末価格の上昇については、「機能や性能が上がっていることもあり、こうしたプライスを付けた。ただキャンペーンや割引で、できるだけお手頃になるよう工夫した。ネットワークも含めて、ドコモのiPhoneの良さを感じて欲しい」と理解を求めた。
携帯電話の料金については、先ごろ安倍首相が値下げを要請し、総務省に検討会が設置されるという観測が流れた。加藤社長は「なかなか難しい問題。この10年間でいろいろな変化があったが、やはりスマートフォンの登場が大きい。できることが増えたのも(家計に占める金額が増えた)理由の1つかもしれない」としつつも、「新しい料金体系では長期契約者や若いユーザーへの割引を用意し、お客様がいろいろ工夫できるようにしたつもり。さらに工夫が必要なら、もう1度お客様の声に耳を傾けて、じっくりと検討していきたい」と前向きな答えだった。
iPhone 6s/6s PlusがSIMロック解除に対応することについては、「今までも累計で30万台のSIMロックを解除してきたが、大きな影響は出ていない。しかし(iPhoneは)1番人気がある商品なので、これからどうなっていくのか注視していきたい」と、当面は様子を見る構えだった。
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