コンデジすら超える約2300万画素の描写力――「Xperia Z5」のカメラ機能を試す(1/3 ページ)
これまでのXperia Zシリーズとは一線を画したカメラ性能を備えた「Xperia Z5」。さらに進化した「プレミアムおまかせオート」と、手ブレ補正が強化された動画撮影機能を中心にカメラ機能を徹底検証した。
Xperia Z5のカメラは予想していたよりすごかった。Xperia Z1~Z4のどれよりもワンランクステップアップした感が漂っている。カメラ性能のみならず使い勝手もよくなり、仕様の理不尽さも減少した。今までのXperia Zシリーズはカメラに力は入れているものの、トップは取れてない感が漂っていたのだけど、Xperia Z5で一気にトップを取れるかも、というレベルに達したのだ。
個人的には初期状態の「プレミアムおまかせオート」ではなぜか800万画素モードに固定されるという謎仕様が引っ掛かっていたりしたんだが、それもやっと解消された。夜景に強いといいながら暗所ではよくピントを外していたんだけど、それも解消された。これまでは、ちょっと使っただけで「ああこれはフルリニューアルだ」と思わせるデキだったのだ。ちなみに、本稿ではソフトバンク版のXperia Z5を使用しているが、キャリアごとの端末でカメラ性能の違いはない。
約2300万画素の新型センサーは今までとひと味違う
Xperia Z5で画素数がまた上がった。今やコンデジでも2000万画素がほぼ上限で普通は1600万画素前後。1型センサーを積んだハイエンド機でも2000万画素止まりという時代に、約2300万画素である。
センサーサイズは1/2.3型と従来と同じなので、あまり無理に上げてもろくなことはないし、画像1枚当たりのファイルサイズがどんどん大きくなるのであまり歓迎したくはないのだが、普通に撮る分には何の問題もないレベル(むしろきれい)に仕上がっているのがさすがソニー。まず撮ってみる。
いつものあずまやからどうぞ。
2枚の作例をよく見てほしい。どちらもプレミアムおまかせオートで撮影。プレミアムおまかせオートでも4:3では2300万画素モード、16:9では2000万画素モードで撮れるようになったのだ。これはよい。今まではプレミアムおまかせオート時は800万画素に固定されていたから、すごく不満だったのだ。でもXperia Z5では選べるようになった。今回は全てこのモードで撮っている。
画質的にはこのあずまやシーンはちょっと露出オーバー気味だけど、松葉のディテールもすごくはっきりしていてなかなかいい。
今までのコンデジやスマホのカメラって、センサーの縦横比が「4:3」だったのだ(サムスンが16:9のセンサーを搭載しているけど、それは例外的存在だ)。それを16:9のモードで撮ると上下をカットした絵になる。ちょっともったいない。
でもXperia Z5では、明らかに16:9で撮った方が横に画角が広いのだ。画素数的にはちょっと落ちるけど、4:3だと長辺が5520ピクセル、16:9だと5984ピクセルである。カメラユニットの詳細が公表されてないのでどういうことをやっているかは追求しないけど、これはよい。横方向によりワイドで撮りたいときは16:9にするって使い方もできるし。
16:9だとレンズの端ギリギリまで使うせいか四隅が流れているけど、まあしょうがないところですな。レンズは24ミリ相当でF2.0。Xperia Z4が25ミリ相当だったのでちょっとワイドになった。広角過ぎると思ったときは音量キーでデジタルズームが効く。もとの画素数が多いので、ちょっとくらいデジタルズームしても気にならない。ISO感度はベースがISO40。
続いて象の滑り台。よく見るとちょっとフレアが入っているのは逆光気味で(右上に太陽がいる)、よからぬ反射をしたせいだろう。
ガスタンクはiPhone 6s Plusで撮ったものと半年ほど前にXperia Z4で撮ったものを比較用にどうぞ。
Xperia Z4だけ撮影時期(季節や天候)が異なるのでその辺は加味するとして、比べてみると面白い。まず約2300万画素になったXperia Z5と約1200万画素になったiPhone 6s Plus。大きな違いは画角。Xperiaの方がずっと広い範囲が写っている。青空の色は好みがあるのでなんともいえないが、Xperia Z5の方がキリッとした感じ。
続いて、約2070万画素で撮影したXperia Z4と、約2300万画素で撮影したXperia Z5。ディテールの描写力がこれだけ違うのである。単に画素数が上がっただけではない違いだ。Xperia Z4はディテールが少しもやっとしているのに対し、Xperia Z5はシャキッとしている。もうコンデジを超える画質と言っても過言じゃない。
これはいい。もう1つプレミアムおまかせオートで変わったのは、何と露出補正とホワイトバランス補正(明るさと色合いの調節)ができるようになったこと。プレミアムおまかせオートの設定ボタンをタップすると現れる。どのくらい効果があるか。
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