楽天モバイルが「ドローン」と「ハンディスタビライザー」を扱う理由
楽天が、個人向けドローン「MAVIC PRO」とハンディスタビライザー「OSMO MOBILE」を販売する。楽天モバイルの周辺機器として扱う。なぜこれらの製品を投入するのだろうか。
楽天が、MVNOサービス「楽天モバイル」の周辺機器として、DJI JAPANの個人向けドローン「MAVIC PRO」と、スマートフォン用のハンディスタビライザー「OSMO MOBILE」を12月9日からオンラインで販売する。
価格(税別)はMAVIC PROが一括14万4259円、OSMO MOBILEが一括3万2400円で、24回の分割払いも可能。MAVIC PROについては、楽天モバイルで扱っているスマートフォンとセットで購入すると、1万2800円~1万3000円が割り引かれる。またSIMカードのみを同時に契約すると、10GBプランまでの月額料金を3カ月無料にする。
MAVIC PROはコンパクトなパーソナルドローン。折りたたむとペットボトルほどのサイズになり、カバンに入れて持ち運べる。有効約1235万画素のカメラを搭載しており、最長4kmの距離から撮影ができる。スマートフォンをリモコンとして使うこともでき、撮影した画像を即座にスマホから確認できる。マークした被写体を自動追尾して撮影する機能も備えている。デバイスの向きを保つ3軸のジンバル(回転台)を備えており、一定の高度を保ちながら移動できるのも特徴。最長飛行時間は27分。
OSMO MOBILEは、スマートフォンを装着して使う手ブレ補正付きの撮影ツールで、こちらも3軸のジンバルを搭載している。専用アプリ「DJI GO」と連携させることで、移動する被写体を自動追尾したり、広範囲のパノラマ写真やタイムラプス動画を撮影したりできる。パノラマ写真は上下左右を含む9枚の写真を撮って合成する。タイムラプスは撮影するポイント(最大5カ所)をあらかじめ決めておくと、自動でOSMO MOBILEが動いて撮影してくれる。
MVNOがこうした製品を扱うことは異例ともいえるが、なぜドローンとスタビライザーの提供を決めたのか。
楽天モバイル事業 チーフプロダクトオフィサーの黒住吉郎氏は、「モバイルの領域はスマートフォンだけで作られてきたわけではなく、その周辺も含めて大きくなってきた。その過程で起きた技術革新がライフスタイルを変えていくきっかけになる」と話す。MAVIC PROの安定した飛行やOSMO MOBILEの撮影機能を支える“ジンバル”も、黒住氏は革新的な技術だと評価する。
楽天モバイルでは「R Mobile SELECT」として、100種類以上のアクセサリーを取り扱っているが、スマホケースやモバイルバッテリーなど、どちらかというとスマホを支える製品が多い。しかしドローンはそれ自体が主役になれる製品だし、ハンディスタビライザーはスマホのカメラ機能を大きく拡張させる製品だ。楽天モバイルは「ちょっといいモバイル、もっと楽しい毎日」というコンセプトを掲げているが、今回の2製品は、まさにこうした方向に合致するというわけだ。また、他のMVNOが扱っていないので、製品ラインアップの差別化にもつながる。
今回はDJI JAPANとの協業ということで、ドローンとハンディスタビライザーを扱うことになったが、スマホと連携するデバイスは幅広く取り入れていく方針。「スマートデバイスやIoT関連の領域を始めさせていただいたので、継続的にやっていきたい」(黒住氏)
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