日本初の「Daydream」対応スマホとなる「LG V30」――2018年は有機ELディスプレイが全盛となるか
ドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2017」に合わせて発表された「LG V30」。LGとしては初めての有機ELディスプレイを採用したこの機種は、久々の「王道を行くハイエンドスマホ」として期待できる。
今回のIFA取材で、予想外にいい驚きをくれたのがLGエレクトロニクスだ。
プレスデー初日の朝9時からの新製品発表会という、「一限目の体育」並みのテンションの上がらないスケジュールで、足取りもかなり重く会場に向かったのだが、プレゼンを聞いているうちに引き込まれていった。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年9月2日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
新製品「LG V30」は、同社では初となる有機ELディスプレイを搭載。映像にエフェクトをかけながら撮影できたり、特定の場所に滑らかにズームを行えたりと、動画撮影に注力している様子が伺えた。
デュアルカメラ、防水、非接触充電などの機能は一通り揃えており、スペック、使い勝手はかなり高い。
LGエレクトロニクスとしては、久々に王道を行くハイエンド機に仕上がっており、申し分のない出来と言えるのではないか。
しかも、プレゼン中に、いきなり日の丸が投影され、かなり驚かされてしまった。
グーグルのVR機能である「Daydream」に、グーグルとLGエレクトロニクスは日本で初めて対応するというのだ。発売時期は未定だが、V30が日本で展開されることは間違いないようだ。
実はDaydreamの仕様を満たすには、表示の反応速度が俊敏でなくてはならず、液晶ではそのスペックを満たせないという状況にある。つまり、Daydreamに対応するには有機ELディスプレイでなければならないとされている。
日本市場で有機ELディスプレイのスマホを投入しているのは、現状、サムスン電子とASUSぐらいしかない。サムスン電子は自社の「Gear VR」推しであり、Daydreamに対応しているものの、主力にはなりにくい。
とはいえ、ASUSでは、SIMフリー市場のみの展開で、販売台数はキャリアが扱うモデルほど見込みない状況にある。
「有機ELディスプレイを搭載してキャリアにも採用されるメーカー」となると、自ずとLGエレクトロニクスが選ばれたということではないだろうか。
有機ELディスプレイは、サムスン電子のように曲げることのできるものと、ガラスを使ったものの2種類が存在する。Galaxy S8や次期iPhoneなどデザイン面で目新しさを出そうと思うと自ずと有機ELディスプレイが選択肢となる。また、VRといった機能を取り込むにも有機ELが不可欠だ。
現状は、部材を作れるメーカーも限られるため、今すぐに主流にはなりにくい。しかし、サムスン電子に続き、LGエレクトロニクスも有機ELディスプレイに注力してきことで、2018年は有機ELディスプレイを搭載したスマホの比率がさらに高まってくるのではないだろうか。
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