“カメラフォン”の異名はだてじゃない! 「OPPO R11s」徹底検証:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/4 ページ)
ついに日本参入を果たした中国OPPO。その第1弾スマートフォン「OPPO R11s」はカメラがウリ。さっそく試してみるのである。
R11sはインカメラも2000万画素!
スマホで忘れちゃいけないのがインカメラ。R11sはインカメラも20M、つまり2000万画素。
カメラアプリでインカメラに切り替えると「ポートレート」ならぬ「ビューティー」モードが現れて、背景をぼかした自撮りができる。
背景ぼかしはオンにもオフにもできるけどせっかくなので背景をボカしたヤツを。
インカメラとしては画素数の多いセンサーを使っているけれど、さすがにアウトカメラと比べるとちょっと画質は落ちるかな。
ってことで、インカメラもP10やMate10 Proと撮り比べ。
インカメラの背景ボカしは、Mate 10 Proが一番優秀だった。
2000万画素カメラが「暗所用」ってどういうこと?
さて、ここからはマニアックな話。
R11sのアウトカメラは、もはや珍しくもなくなったデュアル構成。
デュアルカメラをどういう風に使い分けるかは、各社ともに工夫している。AppleとSamsungは「広角と望遠」という分け方をして、Huaweiは「カラーセンサーとモノクロセンサー」という分け方にした。中には「超広角と広角」って使い分けをするメーカーもあるし、2つ目のカメラを「背景ぼかし(ポートレート)用」と割り切って、センサーやレンズの性能をちょっと落としているメーカーもある。
R11sはというと、これがなかなかユニーク。
アウトカメラのレンズはどちらもF1.7。同じ明るさのものを搭載している。違うのはセンサー。片方は1600万画素、もう片方は2000万画素のものを搭載している。
面白いのは、内側にある2000万画素カメラを「暗所撮影用」と位置付けていること。
普通、同じセンサーサイズなら画素数が多い方が暗所撮影時、つまり高感度時の特性は落ちる。1画素あたりのセンサーサイズが小さくなるからだ。でも、R11sは画素数が多い方をあえて高感度撮影用にしている。
一体、撮影時に何をしてるのか。
どうも、R11sでは「画素加算」あるいは「画素混合」と呼ばれる技術を使ってるようだ。1画素あたりの感度は低くても、周囲の画素のデータを統合することでノイズを減らす――こういう技術だ。
そして、2つのカメラはある程度暗い場所になると自動的に切り替わる。勝手に切り替わるから、どちらのカメラを使っているのか分からない。
でも、それじゃあ面白くない。そこで、無理やり撮り比べてみよう。
まず、明るさと色温度を変えられるLEDライトを用意。そんなに高いものではございません。
次に、R11sのカメラを片方ずつふさげるようにして、LEDライトを徐々に暗くしながらカメラの切り替わりポイントを見つける。
何とか“ギリギリ”のポイントを探って撮影した写真を2枚をどうぞ。ちなみに、元画像はどちらも1600万画素相当。
分かりやすいように、一部を切り抜いて比べてみよう。
暗所用カメラの方がノイズが少なく色もキレイ。でも画素加算をしているせいか、解像感は少し落ちている。
で、「暗所用カメラ」を搭載した成果は確実に出ているといって良いかと思う。
かなり暗い場所(夜の屋外や雰囲気重視の照明が暗い店)じゃないと切り替わらないけれど、切り替わっただけのことはあったのである。
これはなかなか面白いアイデア。
「だったら最初から画素数の少ないセンサーを使えよ」と思わないでもないが、センサーコストの問題、あるいは画素加算時の工夫で、高画素の方がうまいこと解像感を出せるのかもしれない。
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