LTE対応で翻訳スピードも向上――「POCKETALK W」9月7日発売 eSIM版は2万9880円
ソースネクストの翻訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク)」がモデルチェンジ。LTE通信に対応するなど大幅なスペックアップが図られている。ソラコムとの協業でeSIM内蔵モデルも用意する。
ソースネクストは9月8日、翻訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク) W」を発売する。新たにLTE通信に対応し、翻訳対応言語を拡充するなどハードウェア、ソフトウェア両面で大幅な改善を実施。「SIMカードの設定が分かりにくい」というユーザーからの声に応えて、eSIMを内蔵した「グローバル通信(2年)付きモデル」も用意する。想定販売価格は先代から据え置きで、通常モデル(eSIMなし)が2万4880円(税別)で、グローバル通信(2年)付きモデルが2万9880円(同)となる。
自社開発に移行 ユーザーの声を生かして改良
POCKETALK Wのハードウェアとソフトウェアは、ソースネクストが自社開発している(ハードウェア設計自体は中国企業に委託)。本体サイズは59.8(幅)×110(高さ)×15.8(奥行き)mm、重さは約100gで、サイズと重量ともに初代POCKETALKからほぼ据え置いているが、初代のユーザーからのフィードバックを踏まえて、さまざまな改良を施している
画面のタッチ操作に対応 物理ボタンも搭載 スピーカーも改善
画面は2.4型(従来比約3.2倍)に大型化し、タッチ操作にも対応。物理的な「音声入力ボタン」を2つ用意し、翻訳機能をすぐ呼び出せるようにした。音声認識による翻訳言語の切り替えにも対応した。
スピーカーは1.5W出力のものを2つ搭載し、騒がしい場所での聞き取りやすさを向上。Bluetoothオーディオデバイスに音声を出力する機能も備えた。
本体の充電端子はUSB Type-Cとなった。
LTEと5GHz帯Wi-Fiに対応
モバイル通信では、W-CDMA(3G)に加えてLTEにも対応する。対応周波数帯(Band)は以下の通り。SIMカードは「Nano SIM」をサポートする。グローバル通信(2年)付きモデルでは、eSIMと切り替えながら使うこともできる。
- LTE:Band 1/2/8/19/28(Bバンドのみ)
- W-CDMA:Band 1/2/5/6/19
Wi-Fi(無線LAN)通信では、2.4GHz帯に加えて5GHz帯(IEEE 802.11a/n)もサポートする。
グローバル通信(2年)付きモデルのeSIMは、初代の「専用グローバルSIM(2年)」と同様にソラコムが提供する。接続設定をすることなく、日本を含む105の国・地域で通信できる。eSIMを内蔵する翻訳機は世界で初めてだという。
翻訳機能も改善 学習者向けの機能強化も
最大通信速度の向上と音声翻訳処理の改善によって、POCKETALK Wの平均翻訳速度は初代と比較してモバイル通信時で2.5倍、Wi-Fi通信時で約7.4倍アップ(ともに自社調べ)した。
また一部言語において「地域ごとに異なるアクセントや発音に対応する」(関係者)ために方言対応を行った。新規対応のものと合わせて、対応言語は「74」となる。
利用する翻訳エンジンを調整することで、アジア系言語の翻訳精度も向上したという。
初代が「思った以上に語学学習で使われた」(同)ことを踏まえ、翻訳履歴をクラウド経由で無制限に保存する機能も追加した。いったん保存した履歴はPCやスマホのWebブラウザからも閲覧可能で、コピーアンドペーストも簡単に行える。本体にも最大で1万件の翻訳履歴を保存できる。
後日、同社が販売する語学学習アプリ「Rosetta Stone(ロゼッタストーン)」との連携にも対応する予定だ。
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