調査対象の約半数が「スマホ決済サービスアプリのインストール後に利用なし」 MMD調べ
MMD研究所が「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」の結果を発表した。調査対象の全体の約半数がスマホ決済サービスのアプリをインストールしたものの、利用にいたっていないことが判明。また、非接触決済はQRコード決済より利用頻度が高いことが分かった。
MMD研究所は9月19日、「2019年9月 スマートフォン決済に関する実態調査」の結果を発表した。18歳~69歳の男女3万7040人を対象に、8月9日から8月18日にかけて調査を行った。
普段の支払い方法について複数回答で聞いたところ、90.5%が「現金」と回答し、次いで「クレジットカード」「カード型の交通系電子マネー」となる。スマホ決済の利用は16.4%で、年代別では「現金」の利用は若年層ほど多く、「クレジットカード」の利用は高齢層ほど多い。
利用の有無に関わらず、最も利用したい・利用してみたい支払い方法は「現金」が39.4%、「クレジットカード」が37.4%、「スマホ決済」が10.6%で、普段の支払い方法では4番目だったスマホ決済の順位が上がっている。年代別では普段の支払い方法と同様に若年層ほど「現金」が高く、高齢層ほど「クレジットカード」が高い。一方、スマホ決済は60代を除くすべての年代で10%を超えており、10代は11.3%、20代は12.0%、30代は13.0%と若年層が高くなった。
次に各スマホ決済サービスのインストール状況を聞き、アプリをインストールしているという回答者が多かった上位10サービスの利用状況について聞いたところ、全体の約半数がアプリをインストールしたものの利用にいたっていないことが分かった。利用していると回答したユーザーに最も利用しているスマホ決済を聞いたところ、トップは「PayPay」の26.7%、次いで「LINE Pay(コード決済)」が12.1%、「楽天ペイ」が11.6%で、非接触決済では「楽天Edy」の9.1%が最も多い。
スマホ決済を利用者に、1回あたりに抵抗なく使える金額はいくらか聞いた。1万円未満が7割を超え、最も多い回答は「1000円~3000円未満」の26.1%、「どんな金額でも抵抗はない」という回答は15.2%となる。これをQRコード決済と非接触決済で分けて集計すると、QRコード決済利用者のほうが少額を選び、非接触決済は「どんな金額でも抵抗はない」という回答がQRコード決済利用者よりも多いことが分かった。
3000円以上の支払いに抵抗を感じると回答したユーザーに複数回答で理由を聞いたところ「使いすぎてしまいそう」「残高に3000円以上チャージしていない」「お金の管理がしにくい」などの意見がある中で、「カード番号など、個人情報が流出してしまうのではないか」というセキュリティに不安を覚える声も10%を超えている。
スマホ決済の利用者に利用頻度を聞いたところ「2~3日に1回以上」はQRコード決済利用者で27.7%、タッチ式・非接触決済利用者で33.7%と、タッチ式・非接触決済の方が利用頻度が高い。また、普段から財布にいくら現金を入れているのか聞いたところ、最も多いのは「5000円~1万円未満」となる。これをスマホ決済利用者と未利用者で見てみると「自分がどれくらいの現金を持ち歩いているかわからない」という回答はスマホ決済未利用者のほうが多くなった。
スマホ決済利用者に普段利用している場所について複数回答で聞いたところ「コンビニエンスストア」が76.9%でトップ、次いで「ドラッグストア」45.9%、「スーパー」28.6%となる。スマホ決済の利用経験に関わらず、スマホ決済を利用したいと思う場所について複数回答で聞いたところ、トップは「コンビニエンスストア」で37.4%、次いで「スーパー」が27.9%、「ドラッグストア」が23.8%となった。
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