まとめ

iPhone 13/13 Proのカメラは何が変わった? 「ハード」と「ソフト」の進化まとめ(3/3 ページ)

iPhone 13シリーズで進化を遂げたカメラについて、ハードウェアとソフトウェアの視点からまとめてみる。iPhone 13 Proは超広角カメラにAFが付いて、マクロ撮影が可能になった。コンピュテーショナルフォトグラフィーで注目したいのが、撮影後にボケ具合やフォーカスを選べる「シネマティックモード」だ。

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何といってもシネマティック!

 ハード面での進化がカメラユニットなら、ソフト面はコンピュテーショナルフォトグラフィー。

 プロセッサがA15 Bionicになり、ますます高速な処理が可能になったらそれを「コンピュテーショナルフォトグラフィー」に使わないわけがないわけで、スマートHDRは3から4になり、3つの全てのカメラでナイトモードを使えるようになり、新たに「フォトグラフスタイル」が搭載された。


カメラアプリに「フォトグラフスタイル」を搭載

 撮影する写真の画作りを細かくコントロールできる機能っぽい、というとややこしいけど、普段iPhoneが画像を解析して部分ごとに色や明るさを調整して最終的な写真を仕上げるって作業を全自動で行っていたのだけど、そこの調整にちょっと口を出して好みのスタイルで撮れるようになるもの、と思えばよさそうだ。

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この撮影した信号から画像を生成する際の複雑なプロセスに、ちょっと口出しできるイメージだ

カメラアプリの左から3番目が「フォトグラフィックスタイル」のアイコン。代わりにフィルターがなくなったようだ。決められたスタイルしか選べなかった従来の「フィルター」に変わる機能か

 そして今回の一番の「コンピュテーショナルフォトグラフィー」的な新機軸は「シネマティック」モード。


シネマティックモードの登場

撮影モードにビデオとは別に「シネマティック」が追加される

 最近では「シネマティック Vlog」なんてのもあるようで、何をもってシネマティックというのか難しいところではあるけれども、その1つのボケの要素は欠かせなさそうであり、iPhoneのシネマティックモードは映画のような背景のボケと「ピント送り」の演出を加える機能だ。

 iPhoneらしいのは、それを2つのタイミングで実現できること。

 1つは撮影時。フォーカスを合わせる位置を変えることで映像の意図を伝えることができるのだが、それを自動的にやってくれるというのだ。

 背景をボカした映像をリアルタイムで撮り、どこにフォーカスを合わせるかを自動的に判断することで、手前から後ろへすっと焦点を変えたり、ある被写体から別の被写体へ焦点を動かしたりしてくれる。

 もちろん、画面をタップすることで任意の被写体に合わせることもできる。


被写体の向きや動きに応じて自動的にフォーカスの対象を変えてくれる

手動でフォーカスの対象を変えることもできる

 もう1つは撮影後の編集時。

 映像ファイルに深度データが含まれており、撮影後にフォーカスのコントロールができるのだ。これはすごい。背景ぼかし機能を動画でも使えると思えばいいかも。


何と映像ファイルに深度マップが作成され、撮影後にボケ具合やフォーカスを選べる。これはすごい

 今回一番使ってみたいと思ったのがシネマティックモードだ。

 どんなクオリティーの映像になるか、不自然さはないかも含めて試してみたい。Apple Eventで上映された映像は、プロが撮ったものだからね。われわれがどのくらい恩恵に授かれるかの方が重要だ。

 つまるところ、今回もまた……特にiPhone 13 Pro/Pro Maxの方は(多少カメラユニットは大きくなったけれども)3つのカメラを全部アップデートしてハード的にレベルアップし、同時にA15 Bionicパワーを駆使して、「コンピュテーショナルフォトグラフィー」を進化させた上に「シネマティックモード」という、映像作家じゃなくても使ってみたくなる撮影機能を付けてきてくれたのだ。

 個人的には「マクロ」撮影機能がついたことを評価したい。

 もう1つ、iPhoneのカメラの欠点だった「構図に強い光源があるときに発生するゴースト」がどうなったか、気になるよねえ。これが改善されていたらかなりうれしいのであるが、はてさて。

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