BALMUDA Phoneの技適問題、新規参入メーカーが起こしがちなトラブルとは事情が違うワケ:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
「技適の認証で確認すべき事項が生じた」との理由で、BALMUDA Phoneの販売が一次停止された。スマートフォン市場に新規参入したメーカーは、技適に関するトラブルを起こすことが多かった。しかし取材を進めると、BALMUDA Phoneのケースは少々事情が異なることも見えてきた。
過去にもあった新規参入メーカーの技適を巡る問題
スマートフォン市場に新規参入したメーカーが起こした技適を巡るトラブルというと、楽天モバイルのRakuten Miniが記憶に新しい。同端末は、当初対応していたBand 1(2.0GHz帯)をロット変更時に削除したことが発覚。その際に認証の変更を行っていなかった他、対応周波数が異なる3つのバージョンが存在していたり、一部ロットで正しい認証番号が表示されていなかったりといった事実が判明した。2020年7月には、総務省から行政指導を受けている。
楽天モバイルは、対応周波数が本来の記載とは異なるロットを購入してしまったユーザーへの交換を実施したが、技適の認証番号が誤っていた件については、ソフトウェアアップデートでの対応を行った。楽天モバイルの本格参入に合わせて投入したオリジナルモデルで販売数も多かっただけに、全数回収を避けられたのは不幸中の幸いといえる。
これに対し、スタートアップとして鳴り物入りでスマートフォン市場に参入したUQP(現・Cerevo)の「UPQ Phone A01」(2015年発売)は、技適の取り扱いに不備があり、回収を余儀なくされた1台だ。当初出荷された端末は、技適マークのラベルに記載される認証番号がデータ通信専用のものになっていた。UPQ側で調査をしたところ、記載ミスではなく、認証取得前にもかかわらず出荷していたことが判明。回収後に、技適を正式に取得して販売を再開した。
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