「AQUOS R7」実機レポート、“じゃじゃ馬”だった先代の弱点克服で死角なし?(2/5 ページ)
シャープは9日、フラグシップモデル「AQUOS R7」の実機レポート。1インチカメラ&高性能ディスプレイは維持しつつ、前モデルの弱点を補い、魅力を高めている。同日開催されたメディア向け体験会から、実機の仕上がりをレポートする。
1型ライカカメラは新センサーで弱点解消 AF高速、ズームもキレイに
シャープとライカは2021年、AQUOS R6の発売と合わせて戦略的提携を発表。ライカブランドのスマホ「Leitz Phone 1」も発売された。この関係は現在も続いているといい、AQUOS R7でも画質監修をライカが担当している。ちなみに、AQUOS R7の背面カメラに刻印されているロゴは、ライカのスマホブランドに合わせて「Leitz」に変更されている。
カメラは前世代と同じサイズ、1型のCMOSイメージセンサーと搭載する。また、レンズの設計はAQUOS R6をおおむね踏襲しており、7枚組構成で超広角(35mm判換算で19mm相当)、広角(同24mm)、望遠(同約145mm相当)のデジタルズームをサポートする。
大きく変わったのはイメージセンサーだ。前世代機では“高級コンパクトデジカメ向けと同等品”というアスペクト比3:2のイメージセンサーを採用していた。それに対してAQUOS R7では、アスペクト比4:3の“モバイル向け”のCMOSイメージセンサーを採用している。このイメージセンサーは約4720万画素と高解像度で、全ての撮影画素で位相差検出を行う「全画素オートフォーカス」や、暗いシーンで画素を束ねて使う「Octa PD」といった技術を備えている。なお、シャープではセンサーの提供元を明らかにしていないが、ソニー製の比較的新しい製品を採用しているものと思われる。
このセンサーの刷新は、カメラの使用感の改善に大きく貢献しているようだ。AQUOS R6のカメラで気になる点としてオートフォーカスの遅さがあったが、全画素AFと改良されたAI被写体認識によって、大きく改良されている。シャッターボタンを押してから次に撮影できるようになるまでのタイムラグも軽減されているようだ。
Octa PDは、47.2MPという高解像度なイメージセンサーを、画素が大きな12MPのイメージセンサーとして扱う「ビニング」と呼ばれる機能だ。薄暗い部屋など、暗所での撮影性能が大幅に改善されている。
さらに、単眼カメラが苦手としていた高倍率ズームでも、高画素化は効果を発揮するようだ。AQUOS R7のズームはセンサーの中央を切り出すタイプのズームだが、約2倍まではビニングを併用し、高倍率へ切り替えた時点でビニングを解除し、高画素センサーとして扱うようになる。屋外など明るい環境でズーム撮影した際の解像感は改善されることだろう。
モノクロセンサーも活用してポートレートモードも刷新
AQUOS R7では人物写真に特化した「ポートレートモード」が刷新されている。ヒトの髪や肌、瞳、唇などの要素をAIが識別し、最適な補正を加えるという。ポートレートモード専用に「1.9MPモノクロセンサー」を搭載しており、解像感が高い写真の撮影が可能している。なお、AQUOS R6で搭載していた深度センサー(ToF)は非搭載となっている。
モノクロセンサーの搭載ということで期待してしまうのが、ライカらしいモノクロ写真の撮影だ。ただ、シャープ担当者の説明を聞く限りでは、モノクロモードはあくまで静止画のポートレートモード専用で活用されているという。
細かな点としては、ズーム操作がタッチ&スライド操作で行えるようになり、ストレなくズームできるようになった。カメラ設定では、「広角で起動する」というオプションも用意されており、風景写真メインで使っている人には重宝するだろう。
1型センサーが高解像度化したことで、8K撮影機能も2世代ぶりに復活した。2世代前の「AQUOS R5G」(の動画用カメラ)と比較すると、集光量が9倍に強化されているため、晴れた屋外以外でも活用しやすくなった。ただし、8Kはストレージ容量の消費が多く、端末への負荷もかかるため、1回あたり、最大1分までの動画を撮影可能としている。「ここぞ」という瞬間で使うといいだろう。なお、“8K撮影時の光学手ブレ補正”は、AQUOS R7では非対応となっている。
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