「BALMUDA Phone」は中身にこそ“真価”あり 11カ月使って分かった○と×を整理(1/2 ページ)
発売から間もなく1年を迎える「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」。11カ月使って中身にこそ“真価”があることが分かった。その理由を実機を用いてレビューする。
デザインやスペックと価格のバランスで賛否がある「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」。前回は主にハードウェアを中心にレビューしたが、今回は購入から約11カ月使った感想をソフトウェアを中心にお伝えする。
丸みを帯びたBALMUDA Phoneはまるで石ころのような見た目だが、外観よりも中身、つまりソフトウェアにこだわって開発されたのもポイントの1つだ。バルミューダの寺尾玄社長も発表会で「他のモデル(スマートフォン)よりもソフトウェア開発費は高い」と述べていた。
発表時から今に至るまでに特に注目を集めていたのが、アラームやスケジューラーといったバルミューダ独自のアプリ。スケジューラーは当初、BALMUDA Phoneだけでしか使えなかったが、その後、他のAndroidスマートフォン向けにも開放。Google Playにて無料で配信されている。
スケージューラーこそ大画面の端末で使いたい
バルミューダのスケージューラー、使い始めは操作方法を含め、慣れるまでに時間がかかったが、ピンチインすればより細かく全体のスケジュールの詰まり具合を確認でき、ピンチアウトすれば各曜日にどんなスケジュールが入っているのかを確認しやすい。これがGoogle カレンダーなど他のアプリとの大きな違いだ。
いい面は当然あるし、使いこなせればBALMUDA Phoneだけでも満足できそうなスケージューラー。だが、以前もお伝えしたように筆者自身、BALMUDA Phoneの4.9型ディスプレイよりも大きなディスプレイ、特に昨今のフォルダブルスマートフォン、タブレットで扱いたいと感じる。
というのも片手でBALMUDA Phoneを持ち、もう片方の手でピンチイン/ピンチアウトをすると、画面のほとんどが指と手のこうで覆われてしまい、せっかく登録しておいたスケジュールを確認しづらい。Galaxy Z Fold4などの大画面ならそんなこともなく、他のスケジュールを確認しながら、ピンチイン/ピンチアウトができた。
これらを全て片手でこなすのは難易度が高かったが、片手で端末を持ちもう片方の手で操作する、となればやはり大画面こそ正義だと感じる。寺尾社長は「基本アプリが意外とスマートフォン体験の重要な部分を占める」と話すが、であればなおさら大画面でこそその体験価値は生きるはずだ。
ホーム画面にウィジェットを貼れるToolsが便利な理由
BALMUDA Phoneで気に入っているのはスケージューラーだけではない。そのスケジュールを含め、時計、クイックメモ、電卓をホーム画面に貼り付けておける「Tools」も、よく使う便利な機能の1つだ。具体的に貼り付けが可能なものを書いておく。
- 今日のスケジュール:その日のスケジュールを確認できる
- 時計:現在の時刻、ストップウォッチ、タイマーなどを切り替え可能
- クイックメモ:ホーム画面上で素早くメモを取れる
- 電卓:簡単な計算と為替レートを表示できる
今日のスケジュールはホーム画面の右から左に向かってスワイプすると、事前に登録しておいたスケジュールを確認できる。15時から16時にかけては14時台から21時台までのスケジュールを確認できた。日付も画面の右上でに表示されるので、今日のスケジュールだということを確認しやすい。
時計、別名「Time & Weather」は主に日本全国 約1900カ所、世界205カ国の都市の時間と天気を確認できるアプリだが、ホーム画面では左上に現在の時刻、右上にストップウォッチ、左下にアラーム、右下にカウントダウンのアイコンがあり、それぞれをすぐに切り替えられるのが便利だ。
クイックメモはメモへクイックにアクセスできるという意味で、とっさにメモを取りたいときに利用したい機能だ。書いたメモはそのまま貼り付けておけるが、画面右上の「メモアプリに送る」をタップすると、メモアプリに保存されクイックメモにはいったん表示されなくなる。
電卓、別名「Calculator」はホーム画面に貼り付けても、そのまま簡単な計算を行ったり、為替レートを表示したりできる。為替レートは数字を入力し、右上の「円、ドル、ユーロ」のアイコンをタップし、さらに何から何のレートに換算したいのかを選ぶと、リアルタイムレートでの為替換算が行える。
例えば、146と入力し、円マーク→ドルマークの順にタップすれば、146円が1.0ドル(レートによっては0.99ドル)と表示される。自分のような記者にとってはグローバル製品発表時に海外の価格から日本円に直して表示する場面で、ホーム画面からすぐにアクセス可能なCalculatorが役に立つ。
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