HONORがXiaomiを抜き中国シェア4位に躍進した理由 “ポストHuawei“の座につけるか:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
HONORが中国国内のスマートフォン出荷台数でHONORが4位に躍り出た。HONORの出荷台数は前年比30%増と、一人勝ちになった。HONORがここまで伸びたのは、明確な製品ラインアップと世界最高性能を目指した製品開発に特化したからだろう。
折りたたみスマホでも存在感を示すHONOR
HONORはMagic5シリーズだけではなく、折りたたみモデルの「Magic Vs」もグローバル投入をMWCで発表した。こちらは2022年11月に中国で発表済みだが、他の中国メーカーが折りたたみモデルのグローバル展開に消極的な中で、フラグシップの上を行くモデルとして各国での販売を広げていく。Magic Vsは開くと7.9型になる小型タブレット型の端末であり、事実上グローバルで唯一の同型モデルといえるサムスン「Galaxy Z Fold4」の好敵手になるだろう。Huaweiも世界最薄の折りたたみ「Mate X3」を一部グローバルで発売する予定だが、GMS非搭載、4G非対応では勝負になりにくい。
他のメーカーを見ると、vivoは高性能カメラフォン「X90」シリーズを海外投入しているものの、折りたたみモデルは中国国内のみの展開だ。OPPOは横折り式の「Find N2」は中国国内のみで、縦折り式の「Find N2 Flip」をグローバルに展開。しかしカメラフォンの最新モデル「Find X6」シリーズは中国国内のみの販売だ。そしてXiaomiはライカコラボの最強カメラフォン「Xiaomi 13 Ultra」をグローバル展開予定だが、折りたたみモデルは中国国内販売にとどまっている。
HONORは「カメラ」「折りたたみ」という、今最も注目を集めるハイエンドな製品2種類を他の中国メーカーに先駆けてグローバルに投入する。Appleを抜きサムスンに肉薄したHuaweiがなき今、HONORは「ポスト・Huaweiスマホ」としてこれから注目を集めていくだろう。2023年の中国スマートフォンのシェア1位がHONORになることも十分考えられそうだ。
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グローバル市場では「折りたたみといえばGalaxy Z」という状況だ。だがその話は中国では全く通用しない。中国メーカー各社が折りたたみスマートフォンを次々と投入している。2022年第2四半期の中国国内折りたたみスマートフォンのメーカー別販売シェアは、1位がHuaweiで53.7%と半数以上を占めている。カメラが高評価「HONOR Magic4」の下位モデル「HONOR Magic4 Lite 5G」をドイツで触ってきた
スマートフォンのカメラ性能の指標「DXOMark」で、2022年6月末時点で最高ポイントを記録したHonor「HONOR Magic4 Ultimate」。Huaweiから独立して1年ちょっとでこのようなモデルを出すのは驚きだ。このHonorが発表したエントリーモデル「HONOR Magic4 Lite 5G」を見てみよう。10段階の可変絞りカメラ搭載 5G非対応でも「HUAWEI Mate 50 Pro」の完成度は高い
Huaweiのフラグシップモデル「Mate」シリーズの最新機種「Mate 50シリーズ」が2022年9月にようやく発売されました。カメラについてはライカとの協業が終了したものの、Huaweiの技術の集大成として「XMAGE」ブランドを立ち上げました。6枚羽根による多段階絞りに対応し、絞りを手動で多段階に調節できます。Huaweiが“Honorブランド”を売却 独立して生き残れるのか?
米国政府による制裁を受け、Huaweiのスマートフォン事業は苦境を迎えようとしている。その中で浮かび上がったのが同社のサブブランド「Honor」(オナー)を事業として売却する動きだ。Honorが完全独立したメーカーになったとして、生き残ることはできるのだろうか。“ポスト中国”のあの国でXiaomiスマホが不振のワケ 販売戦略の見直しが急務
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