FCNTが新「arrows」でSIMフリー市場に再参入 競合ひしめく中で“シェアの奪い合い”にこだわらない理由(3/3 ページ)
レノボ傘下で再スタートを切ったFCNTが、5年ぶりにSIMフリー市場に参入する。「arrows We2 Plus」と「arrows We2」ではワンランク上の価値を提供しながら、日本でニーズの高い機能を充実させた。競合メーカーがひしめく中でどのように戦っていくのか。
厳しい目を持つユーザーが多い市場で「ブランドを育てていく」狙いも
発表会では、MVNOを代表してIIJ(インターネットイニシアティブ) MVNO事業部 コンシューマーサービス部の亀井正浩氏も登壇。亀井氏は、SIMフリー市場で「日本ユーザーを意識した製品が少なくなってきたことを寂しく思ってきた」中で登場したarrows We2シリーズを歓迎する。
arrows We2シリーズについて「全ての人が使いやすいスマートフォンになっていると感じており、カタログスペックだけでは読み取れない優れた点がある。重みを感じない重心で持ち心地がよい」と魅力を語る。また、「長くお使いいただきたい」という思いから、メモリを8GBから12GBに拡張したと亀井氏は話す。arrows We2 Plusは、既存ユーザー向けに端末割引を行う「mio優待券」の対象になることも明かした。
外谷氏はIIJとの提携について、「arrowsの復活を一緒に盛り上げていきたい、強いエールをいただいたのがIIJだった」と振り返る。SIMフリーに改めて参入するにあたって「今あるパイを食い合うだけでは面白くない。それはIIJと一緒にすべきことではない」と考えたという。「われわれが持っている安心、安全で長く快適に使っていただける便利さを届けていくことで、SIMフリー市場全体のパイを広げよう」という思いが一致。まずは地に足を付けて展開するとした。
質疑応答では、SIMフリー市場で戦う意義について、改めて外谷氏が説明した。販路が広がれば、当然売り上げや出荷台数の拡大にもつながるが、「ブランドを育てていく」狙いもあるという。「SIMフリー市場ではキャリア市場以上に厳しい目を持ったお客さまが多くいらっしゃる。そういった中で受け入れられる商品を提供していくことは、arrows全体を強くしていける」(外谷氏)
目標とするシェアは「公開できるものはない」(外谷氏)と明言は避けた。SIMフリー市場での戦い方については「再参入する上でそこのシェアを奪っても、SIMフリー市場全体を盛り上げていくことにならない。今、SIMフリー市場で買っていないお客さま、arrowsを知らないお客さまにarrows We2をアプローチして育てていきたい」と話す。
SIMフリー市場はまだ伸びる余地がある、とも外谷氏は考える。「例えば1台目はiPhoneを使っているが、2台目を持ちたいというニーズは年々上がっていると思う。そういった考えでarrows We2 Plusのような商品を選ぶということも、SIMフリーではあるのではないか」(同氏)
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