レビュー

価格と性能のバランスがいい「Xiaomi 14T Pro」 10万円台前半でもいい感じの「ライカカメラ」を楽しめる荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)

「Xiaomi 14 Ultra」のライカ無双っぷりがまだ冷めやらぬ中、2024年秋モデルとしてライカカメラを備えるハイエンドモデル「Xiaomi 14T Pro」が日本でも発売される。画質はもちろんXiaomi 14 Ultraが上だが、ハイエンド機としてちょうどいい感じの撮り心地なのだ。

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Leicaポートレートの実力は?


Xiaomi 14T Proで撮影しているの図

 続いて人を撮る。Leica オーセンティックとLeica バイブラントで。


顔をちゃんと見つけて白い枠が出ている。右下、顔のアイコンが赤いのはビューティー機能をオンにしているから(半分くらいの強さでかけている)

Leica バイブラントで人物

Leica オーセンティックで人物

 どっちがお好みか問題――わたしなら、基本オーセンティックを使うかな。

 続いてはポートレートモードを試してみよう。

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 ポートレートモードにすると、カメラは「倍率表記」ではなく「レンズの焦点距離表記」になる。背景をぼかす機能を提供する……んじゃなくて、搭載レンズそのものの23mmと60mmに加えて、Leicaの代表的なレンズフィーチャーしましたというデザインだ。

 「23mm」「35mm」「60mm」「75mm」「90mm」の順である。まず35mmで撮って、背景を大きくぼかしてみた。


ポートレートモードだと倍率ではなく焦点距離表示になる。選べるのは5種類

35mmで背景をぼかして撮影。Leicaポートレート。エッジの処理もいいし、美肌処理も不自然さがあまりなくてよし

 ポートレートにはLeicaポートレートとマスターポートレートの2つのスタイルが用意されている。

 違いはこんな感じ。ちょっと補正かけて華やかにするか、リアルな感じにするかだ。


60mmでマスターポートレート。肌を含めて全体に明るく処理されている

60mmでLeicaポートレート。こっちの方がナチュラルだよね

 実はここ、ちょっと暗くて外光と人工照明がまじっている環境だったので、色に影響されないモノクロでも撮ってみた。ライカの名がついたモノクロフィルターだ。黒がいい感じに締まっててカッコいい。


やっぱモノクロも撮りたいよね。ライカ監修のモノクロは黒がぎゅっとしまってて階調もいい感じできれい

 さらにポートレートモードで「マスターレンズシステム」を使うと、ライカレンズのシミュレートをしてくれる(っぽい)。


マスターレンズシステムを使うとと35、50、75、90mmの4つのレンズが使える

 ここは50mm/F0.95で撮ってみた。


50mmで室内のポートレート

 ポートレートモードは、もちろん人以外にも使える。背景をぼかした印象的な写真を撮りたいときにいい。

 横断禁止を35mmで撮ってみる(マスターレンズシステムの35mmを使用)。


信号待ちの間につい撮ってしまった「横断禁止」。横断歩道があるのに横断禁止とはこれいかに

 さらにうちの黒猫を50mmで(マスターレンズシステムの50mmを使用)。


マスターレンズシステムの50mmでうちの黒猫を撮影

 夜のスナップもいこう。とんこつらあめんのちょうちんを60mmで。


60mmの望遠でちょうちんを撮ってみた。夜感がいい感じに出てくれてよい

 かくして、色もいいしHDRもわざとらしくないし、実に安心して使えるカメラなのだった。

価格と性能のバランスがちょうどいいスマホ

 最後に「ドキュメントモード」も。便利なのでぜひ使ってみてほしい。

 お店にこんな感じの手書き日替わりメニューがあったのだ。


本日のメニューを60mmで

 ここにドキュメントモードでカメラを向けると、こんな風に枠を見つけて、そこだけを補正して矩形で撮ってくれる。

ドキュメントモードにするとドキュメントを見つけてそこだけを台形補正して切り出してくれる

これ、何気に便利

 なお、動画までは今回手が回らなかったけど、ビデオモードでは8K(7680×4320ピクセル)/30fpsまで撮影できる。ただし、スーパー手ブレ補正をオンにすると、解像度がフルHD(1920×1080ピクセル)までになる。スーパー手ブレ補正をオンにして歩きながら録ると、ブレがほとんど無くて素晴らしい。実用的なのは、そっちかな。

 さらに映画モードにすると背景をぼかしたよりワイドな映像を撮れる。


 総じて、価格を考えるとすごく魅力的な端末。ライカっぽいアーティスティックなスナップから、実用のドキュメントまで撮れるのだ。

 最近、トリプルカメラを搭載したハイエンドスマホの場合、超広角と広角の2つを5000万画素クラスに強化してくる製品が目立つ中、Xiaomi 14T Proは広角と望遠を5000万画素に強化してきた。これはスナップ向きカメラとしては“アリ”な選択だ。

 先述した通り、カメラとしての性能はXiaomi 14 Ultraに分があるけど、価格を考えたらバランスはXiaomi 14T Proの方がいいかなと思う。まあなんというか、ハイエンド機としてちょうどいい感じなのだ。

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