メルカリモバイルがギガの売買状況を公開――1GB平均36円は「買い手市場」なのか:石川温のスマホ業界新聞
メルカリのMVNOサービス「メルカリモバイル」のサービスが始まって約2カ月が経過した。それに合わせて同社は本サービスにおけるデータ量の売買状況を公表した。データの単価は「1GB当たり平均36円」となったというが、今後どのように推移していくかに注目したい。
メルカリは2025年5月2日、今年3月に開始した「メルカリモバイル」での個人間でのデータ量のやりとりの状況を公開した。
メルカリモバイルはメルカリ上でデータ容量を出品したり、購入できるMVNOサービスだ。ギガで売ったお金は「メルペイ」を経由して日常の買い物にも利用できる。
料金プランは2GBで月額990円、20GBで2390円の2種類のみ。いまのところはNTTドコモ回線のみとなっている。
3月4日から4月25日までの集計では、1GBあたりの平均価格は36円、20GBを200円で購入できた事例もあるという。
資料では2GBを990円で契約したが、45GBを900円で購入。結果、1890円で利用できたケースや、同じく2GBを990円、15GBを200円で購入し、1190円に収まったというのが紹介されている。
確かに月末近くになれば、20GBを契約していたのにも関わらず、余らせてしまいそうなので安価に出品した人が殺到したのだろう。逆に2GBでデータ容量が足りない人からすれば、そのタイミングであれば、相当、安価に購入できたはずだ。
1GBで36円という平均単価になると、20GBを契約して売るよりも、2GBを契約して、安価に購入する人の方が「賢く使っている」感があり、ひょっとすると2GBユーザーが爆増する気がしてならない。
ただ、そうなってくると、今度は20GBユーザーが減り、データ容量を出品する人自体が減っていき、流通量も落ちてくるのではないか。となると、当然、データ容量の価値が上がっていくわけだから、平均単価も上昇していくことだろう。
このあたりの売り買いの動向は、まさにゲーム感覚で参加し、日々、一喜一憂して楽しむぐらいじゃないと、単に損して終わって後悔するなんてことになりかねない。
ギガの相場を楽しめる人向きなのかも知れない。
一方で、メルカリ側もユーザーがゲームとして楽しみ続けられるような仕掛けも作っていく必要がありそうだ。以前のメルマガでも「すべて月末で使用期限が切れるのではなく、90日とか180日みたいな有効期限も必要なのでは」と書いたが、povoのトッピングのようにバラエティ豊かなデータ容量がないと、価格が横並びになってしまって面白くない。
メルカリモバイル公式のXアカウントができたようで、ここで今後のギガの売り買いの状況がポストされていくという。
日経平均株価や為替レートのように日々、価格変動をポストするだけでなく、数ヶ月後にはローソク足チャートみたいなものも発表してほしい。
関連記事
「メルカリモバイル」を契約して“ギガの売買”にチャレンジしてみた お得度や通信速度も検証
メルカリモバイルは、データ通信量や請求額をメルカリのアプリ上で管理できる点に加え、特にデータ容量(ギガ)が売買できる点が話題になりました。筆者も早速契約し、通信速度の検証や、実際にギガを売買してみました。通常のメルカリとは異なるフローであることが分かりました。メルカリがMVNO事業に参入したワケ 売買したギガは「繰り越せない」が、ニーズを満たせると判断
メルカリが3月4日、MVNO事業に新規参入し、「メルカリモバイル」の提供を開始した。メルカリモバイルは、フリマアプリのメルカリで誰でも簡単に申し込みを完結でき、データ容量をメルカリのように出品、購入できる機能が大きな特徴。同日開催の記者発表会場には、メルカリ 執行役員CEO Fintech 兼 新規事業責任者 永沢岳志氏が登壇し、新サービスの概要やMVNO事業への参入意図を語った。「メルカリモバイル」なぜ“最低限の機能”で開始? ギガを繰り越せない理由は? サービス責任者に聞く
フリマアプリ最大手のメルカリが、MVNOとしてモバイル事業に参入し、「メルカリモバイル」の提供を開始した。根底にあるのは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というメルカリのミッション。3月に間に合わせるため、ミニマムな状態でサービスをスタートさせた。メルカリが格安SIM「メルカリモバイル」提供 余ったギガをメルカリで売買、月額990円から
メルカリがMVNO事業に参入し、モバイル通信サービス「メルカリモバイル」を3月4日から提供する。「メルカリ」アプリから申し込め、毎月のデータ通信量や支払いはメルカリから管理できる。データ容量(ギガ)が余っている人と足りない人をマッチングさせ、データ容量を個人間で売買できる機能を用意する。「メルカード ゴールド」提供 街の買い物で最大2%還元、利用限度枠が最大300万円に
メルペイが、新たなクレジットカード「メルカード ゴールド」を3月17日から提供する。「メルカード」の特徴をベースに、利用限度枠やポイント還元、付帯サービスなどを拡充した。年間200万円を利用すると1%のボーナスポイントが追加され、メルカリ以外での買い物が最大2%還元になる。
関連リンク
© DWANGO Co., Ltd.