「Xperia」と「ウォークマン」はどちらを選ぶべき? どんな場面、どんな人に向くのかを考えてみた(1/2 ページ)
ソニーのスマートフォンといえば「Xperia」、携帯音楽プレイヤーといえば「ウォークマン」。どちらも音質にこだわって制作されており、音楽を聴く人なら1度は有力な選択肢になったか、既に所有している人もいるだろう。では、それぞれにどのような特徴や違いがあり、どのような場面やどのような人に向くのか──これをテーマに考えたい。
ソニーのスマートフォンといえば「Xperia」、携帯音楽プレーヤーといえば「ウォークマン」。どちらも音質にこだわって開発されており、音楽を聴く人なら1度は有力な選択肢になったか、既に所有している人もいるだろう。では、それぞれにどのような特徴や違いがあり、どのような場面やどのような人に向くのか。
Xperiaはスマートフォン向けのプロセッサや音声通話機能を備え、ハイエンドモデルでは負荷のかかるゲームなどの処理にも対応できる。一方、ウォークマンは音楽再生専用機として作られており、音声通話機能はない。アンプやコンデンサーといった音響部品の質が高く、ノイズを抑えるための基板設計などにも専用機ならではのこだわりがある。
それぞれで利用できる音楽再生アプリにも違いがあり、Xperiaには「ミュージックアプリ」、ウォークマンには「W.ミュージックアプリ」という異なる名称のアプリが搭載されている。
イコライザーの仕様にも違いがある。XperiaはDolby Atmosをベースにしたイコライザーが主で、端末全体の音質を調整できるが、ウォークマンではよりアナログレコードのような雰囲気の再現や、音源ごとの微細な音質調整に向いている。また、プレイリスト管理やUI(操作画面)の表示も細かいこだわりがあり、例えば、再生中にカセットテープを模したアニメーションを表示でき、再生画面の作りにも設計思想の違いが表れている。
ウォークマンは基本的にモバイル通信機能がなく、ストリーミング再生においてはWi-Fiが必要だが、ローカル再生を重視するユーザーには向いている。一方、Xperiaは通信が前提にあるため、Wi-Fi環境下でなくてもストリーミングを快適かつ高音質で聴ける。
ローカルのストレージに保存した音楽やストリーミングサービスで聴く音楽は、Xperiaなら左右均等に配置されたスピーカーで聴ける一方、ウォークマンには内蔵スピーカーはない。
価格(税込み、ソニーストア)は、Xperiaの最新モデル「Xperia 1 VII」が20万5000円前後から。ウォークマンは「NW-ZX707」が10万4500円、「NW-WM1AM2」が18万7000円、「NW-WM1ZM2」が44万円だ。
では、これらの他にXperiaとウォークマンに違いはあるのだろうか? ウォークマンの上位モデルに焦点を当てて、Xperiaと比較すると決定的な違いがある。
スマートフォンでは得られない、音質を徹底的に追求した機能も
音質にとことんこだわるならウォークマンだろう。特にフラグシップモデルやハイエンドモデルに相当するウォークマン「NW-WM1ZM2」「NW-WM1AM2」「NW-ZX707」では、スマートフォンにはない“音を聴くための技術”が惜しみなく投入されている。ここで、Xperiaなどのスマートフォンにはない3モデルに共通する特徴を確認してみよう。
バランス接続により左右の分離(ステレオ)を実感しやすい
ハードウェアで最も分かりやすい違いは、上位3モデルが4.4mmバランス接続に対応していること。4.4mmバランス接続は、従来の3.5mmや6.3mmステレオ端子とは異なり、左右の音の信号がそれぞれ独立していることで、信号が混線しにくく、ノイズが入りにくいという特徴を持っている。
3.5mmよりも一回り太く、互換性は持たないため、4.4mmバランス接続が可能なウォークマンのジャックには、4.4mmバランス接続が可能なイヤフォンやヘッドフォンが必要になるが、左右の分離感を感じられ、より繊細な音の表現を楽しめる。
全てのPCM音源を11.2MHz相当のDSDに変換「DSDリマスタリングエンジン」
入力された音源がハイレゾでなくても、DSD相当の滑らかで奥行きある音質にアップコンバートする。ソニー独自のアルゴリズムにより、音源本来の情報量を保ちながら、繊細で柔らかな音に変換。オンとオフの切り替えも可能で、楽曲や好みによって使い分けられる。
アナログレコードの味わいをデジタルで再現「バイナルプロセッサー」
ウォークマンの上位機種では、アナログレコードの空気感や立体的な広がりを再現できる。「アームレゾナンス」「ターンテーブル」「サーフェイスノイズ」など、レコードらしい音の表現を選択でき、まるで本物のレコードを聴いているかのような体験を得られる。
アナログアンプの位相特性を模した「DCフェーズリニアライザー」
デジタルアンプでありながら、アナログアンプのような“自然な低域”を表現する。この機能に対応するウォークマンでは、音の輪郭や量感を調整できる。オフにすることも可能で、曲のジャンルや再生環境に合わせた繊細なチューニングを楽しめる。
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