待望のおサイフケータイ対応、OPPO最高峰「Find X9」が示すスペックを超えた体験価値(2/2 ページ)
オウガ・ジャパンは旗艦機「OPPO Find X9」を発表。価格は14万9800円で12月23日に発売。auやソフトバンクが取り扱う他、MVNO、量販店、ECサイトなど幅広い販路で販売される。待望のFeliCa対応、ハッセルブラッド監修カメラ、国内初MediaTek製ハイエンドチップを搭載。
Hasselbladと共同開発したカメラシステム搭載 色味再現に強いこだわり
Find X9の最大の特徴であるカメラ機能などは、プロダクトマネージャーの中川裕也氏より詳細が語られた。背面には円形のカメラモジュールを配置し、広角、超広角、望遠の3つのカメラ全てに5000万画素のセンサーを採用している。特に広角カメラにはソニー製の1型センサー「LYT-900」を搭載し、F1.6の明るいレンズと光学式手ブレ補正を組み合わせることで、昼夜を問わず高品質な撮影を可能にした。望遠カメラはW型のプリズム構造を採用することで、センサーの大型化とモジュールの小型化を両立させ、光学3倍、AIズームにより最大120倍までの撮影に対応する。
Find X9の最大の特徴であるカメラ機能について詳しく確認すると、背面の円形モジュールに広角・超広角・望遠の3眼を搭載し、全てに5000万画素センサーを採用している点が特徴の1つとなっている。同社は4眼カメラシステムと称している
特筆すべきは「マルチスペクトルカメラ」の搭載だ。これは9つの光の波長帯を個別に読み取る独立したセンサーであり、画像を48分割してエリアごとの色温度を検知する。これにより、複数の光源が混在する複雑な環境下でも、被写体の本来の色味を正確に捉え、青被りや赤被りといった不自然な色調補正を防ぐことができる。これに新開発の画像処理エンジン「Lumo」を組み合わせることで、過度な加工を排した「人間の見たまま」に近い自然な色再現を実現した。Hasselbladとの協業による「マスターモード」や「ポートレートモード」では、同社の伝説的なカメラ「XPan」や「X2D」の色彩やレンズ特性を再現しており、ユーザーはスマートフォンでありながら本格的なカメラ体験を享受できる。
日本初となるDimensity 9500、大容量7025mAhバッテリーを搭載
処理性能の中核を担うプロセッサには、MediaTek製の最新フラグシップチップ「Dimensity 9500」を日本で初めて採用した。ゲストとして登壇したメディアテックジャパンの出石賢氏によれば、このチップは第3世代の「All Big Core CPU」デザインを採用し、前世代比で32%の高速化と55%の電力効率改善を実現しているという。GPUにはArm Immortalis-G925を搭載し、ゲームなどのグラフィック性能も大幅に向上させた。さらに、OPPOとMediaTekが共同開発したリソース管理アーキテクチャ「OPPO Trinity Engine」により、高負荷時の処理速度向上と消費電力の削減を両立している。
この高性能を支えるバッテリーには、シリコンカーボンアノード技術を用いることで、本体の厚みを8mm以下、重量を203gに抑えつつ、7025mAhという規格外の大容量を実現した。これは一般的なスマートフォンの5000mAhという基準を大きく上回るものであり、北海道などの寒冷地でも性能低下を抑える設計が施されている。充電周りでは80WのスーパーVOOC急速充電と50WのAirVOOCワイヤレス充電に対応し、80W充電器が付属する点もユーザーへの配慮といえる。
ゲームをスマートフォンでプレイする人に向けても訴求する。Find X9には、不要な通知を非表示にし、ゲームに集中できるモードを用意する他、ゲーム中などにバッテリーではなく本体に直接電力を供給することで発熱を抑え動作が安定する「バイパス充電」が可能だ。長時間の使用でもバッテリーにほとんど負荷をかけないそうだ。
ゲーム特化機能も充実。通知を遮断するモードに加え、バイパス充電とは、バッテリーを経由せず本体へ直接給電する機能だ。これにより発熱を抑えて動作を安定させ、電池への負荷も防ぐため、長時間のプレイでも安心できる
Google Geminiを統合したAI機能とエコシステム
ソフトウェア面では、Androidベースの「ColorOS 16」を搭載し、操作の滑らかさをつかさどる「ルミナス・レンダリング・エンジン」により、アプリの起動や切り替え時のアニメーションが途切れることなくスムーズに描画できるようになった。
OSはAndroidベースの「ColorOS 16」を採用。独自の「ルミナス・レンダリング・エンジン」が操作の滑らかさを制御し、アプリの起動や切り替え時のアニメーションも途切れることなくスムーズに描画できる
AI機能においては、「第2の頭脳」というコンセプトのもと、Googleとのパートナーシップにより「AIマインドスペース」を実装した。これは情報を直感的に記録・整理するためのツールだ。画面上で3本指を下から上にスワイプするだけで、テキストや画像、Webページなどを即座に保存可能。さらに、保存された内容はAIが自動的に分類し、一元管理してくれる。例えば学校のプリントやポスターを撮影するだけで日時情報を読み取り、カレンダーへの登録を提案する。側面の「スナップキー」を長押しすれば口頭で予定を吹き込むだけでスケジュール管理が可能になる。
Google Geminiが保存情報を活用して具体的なアクションを支援する点も特徴の1つだ。例えば、保存した旅行記事やメモをGeminiに参照させ、詳細な旅程表を作成させることができる。Geminiのアクセス範囲はユーザー自身で設定できるため、プライバシー面でも安心して利用できる仕様となっている。
さらに、異なるデバイス間での連携機能「O+ Connect」により、iPhoneやMacとのシームレスなファイル共有やミラーリング操作が可能となり、OSの垣根を超えた柔軟な利用環境を提供する。iOSとのファイル共有に現状アプリが必要な点について、河野氏はAndroidをベースとしていることから、今後のGoogleの動向次第で同様の機能が実装される可能性は大いにあるとの見解を示した。
競合優位性とターゲットユーザーは
OPPO Find X9が市場において優れている点は、徹底した「バランスの最適化」にある。ハイエンドスマートフォン市場ではカメラ性能や処理速度の追求により、重量増やバッテリー持ちの悪化、あるいは発熱といった課題が常につきまとう。しかしFind X9は、7025mAhという圧倒的なバッテリー容量を確保しながら薄型軽量ボディーを維持し、さらに冷却システムに高性能グラファイトと大型ベイパーチャンバーを採用することで、Dimensity 9500の性能を長時間安定して引き出すことに成功している。
また、カメラにおいても「映える」ための過剰な彩度強調ではなく、Hasselbladの哲学に基づいた「記憶に残る自然な色」を追求している点は、既存のスマートフォンカメラの人工的な画作りに違和感を覚えている層にとって大きな魅力となるだろう。
この端末は、写真撮影を趣味とし、見たままの空気感を残したいと願うクリエイター層や、1日に何度も充電することなくゲームや動画視聴を楽しみたいヘビーユーザーにとって最適な選択肢となる。加えて、O+ ConnectによるApple製品との親和性の高さは、iPhoneをメイン機として利用しつつも、より高性能なカメラやバッテリー持ちを求めてAndroid端末への乗り換えや2台持ちを検討しているユーザー層を取り込む強力な武器となるはずだ。FeliCa対応という最後のピースが埋まったことで、Find X9は日本のハイエンドスマートフォン市場において、実用性を備えた有力な選択肢となるだろう。
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