幅92mmの「HUAWEI Pura X」は“令和のズルトラ”? 「Xperia Z Ultra」と実機比較、折りたためるファブレットだ
HUAWEI Pura Xは横幅約92mmという現代では珍しいサイズ感を持ち、伝説のファブレットをほうふつとさせる。展開時のアスペクト比は16:10で、かつての名機「Xperia Z Ultra」とほぼ同等の表示領域を実現している。折りたたみ構造により携行性を高めつつ、大画面のロマンを現代の技術で再現した「令和のズルトラ」と呼べる一台だ。
Huaweiが2025年2月に発売した「HUAWEI Pura X」は、近年のスマートフォン市場では珍しい横幅が広い機種。折りたたみ構造を採用しつつも、他社製品にはない画面比率や操作感には、どこか懐かしい感触を覚える。
数カ月使ってみて実感したことは、かつての名機「Xperia Z Ultra」をはじめとしたファブレットを思い起こさせるものだった。本稿では、実機を用いて比較しつつ、Pura Xが「Xperia Z Ultraの後継」と呼ぶにふさわしい理由を探っていく。
展開時のサイズ感に宿る「ファブレットの遺伝子」
Pura Xの最大の特徴は、展開時のディスプレイのアスペクト比にある。アスペクト比は16:10と縦長のスマートフォンが主流の中では横に広い。どちらかといえば2016年ごろまで主流だった16:9比率のスマートフォンに近いのだ。
そして、横幅約92mmという普通のスマートフォンよりも幅広なサイズは、何と2013年に登場した「Xperia Z Ultra」とほぼ同じだ。全体的な本体サイズこそPura Xの方がコンパクトだが、画面幅の広さというXperia Z Ultraをはじめとした、かつての「ファブレット」の本質的な魅力を継承している点に注目したい。
実機を重ねて比較してみると、Pura XはXperia Z Ultraのディスプレイ部分だけを切り出し、極限までベゼルを削ったかのような印象を受ける。縦長スマートフォンが主流となった現在、横に広い画面はむしろ新鮮に感じるほど。ブラウジングや映像視聴など、かつてのファブレットが得意とした用途をそのまま引き継げると実感した。
この92mmという横幅は、スマートフォンとしては大きく、タブレットとしては小さいという絶妙な領域に位置している。パスポートとほぼ同じサイズなだけあって、Xperia Z Ultraに限らず、QWERTYキーボード付き「BlackBerry Passport」やスタイラスペン付き「LG Optimus Vu」などアスペクト比が4:3比率のスマートフォンも、幅90mm前後だった。
その中でも大型だったファブレットは結果として、手に持てる限界の大画面という独自の立ち位置を確立しており、Pura Xもファブレットといっても違和感のない設計となっている。
使ってみて分かったPura Xが「ファブレット後継」である理由
そんなPura Xを実際に使ってみると、Xperia Z Ultraを思い出すのは単なるサイズ感だけではない。画面表示などの使用感に直結する部分も似通っている。
Pura Xは折りたたみ構造を持ちながらも、開いたら16:10アスペクト比でWebサイトや動画コンテンツをより広い画面で楽しめる。サイズ感はXperia Z Ultraの画面と同じくらいなのだが、Webブラウザの表示量も実はほぼ同じ程度になる。
ベゼルをなくしたことで、当時のZ Ultraが掲げた「手のひらに可能な限りの大型ディスプレイを詰め込む」理念が、まさに2025年の技術で再現された。
また、現代のHuawei端末らしく、基本性能だけでなくAIによる画像処理やHDR対応の高輝度パネルなど、映像表現の面でも大幅な進化が見られる。Xperia Z Ultraで指摘されたカメラ性能の弱さも、Pura Xは実用的なレベルをしっかり確保しており、あらゆる点で進化は体感できる。
マルチタスクもXperia Z Ultraの時代はミニアプリという形でいくつかのアプリを画面上に配置できたが、Pura Xは画面分割やポップアップウィンドウで任意のアプリを配置できる形で踏襲されている。
起動できるアプリの自由度はPura Xの方が高いが、複数のミニアプリを配置できる点は「タブレット端末」をルーツに持つXperia Z Ultraらしいと改めて実感した。
かつてのXperia Z Ultraを使った後にPura Xに触れると、折りたたみのロマンと実用性を両立させた「進化系ファブレット」と呼ぶにふさわしい。
Pura Xは「令和のズルトラ」といえるスマホだった
かつてのXperia Z Ultraはファブレットというジャンルを確立し、コンテンツ消費に新たな価値を提供した。今なお、当時のスマートフォンの常識を超えた存在としてファンやかつてのユーザーに記憶されている。
タブレット端末としての側面が強かったXperia Z Ultraに対し、Pura Xはスマートフォンとしての側面が強い。その思想の違いからなる使い勝手の細かい差異こそあれど、Pura Xはファブレットというジャンルをしっかりカバーできるスマートフォンだと感じた。
その遺伝子を現代の技術で受け継いだスマートフォンがPura Xといえる。ベゼルレス化、折りたたみ構造といった新しい要素があるのに、手にした瞬間に、Xperia Z Ultraに触れたときと同じ感覚がよみがえる。
Pura Xは、単なるHuaweiの新モデルではなく、ファブレットというジャンルを現代によみがえらせた象徴的な一台である。もしあなたがかつてXperia Z Ultraを愛したユーザーなら、この端末には確かな懐かしさと、新時代の可能性を同時に感じるはず。Pura Xは「令和のズルトラ(※ズルトラ=Xperia Z Ultraの通称)」と呼べるようなスマートフォンだった。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマートフォン世代。3度のメシよりスマートフォンが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマートフォンやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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