AIの“タダ乗り”を防ぐKDDI「Buffmee」を試す 150コンテンツの連携に価値あるが、回答には物足りなさも:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
KDDIは7月28日に出版社やWebメディアなどの150コンテンツと連携した対話型AI「Buffmee」を開始した。AIの無断利用を防ぎ収益を還元する仕組みだが、複数メディアを横断した検索がしづらいなど課題も多い。月額980円に見合う価値を提供し、コンテンツが集まる好循環を作れるかが今後の焦点といえる。
書籍横断で共通テーマの分析や比較も可能、オンデマンドマガジンなども構想
実は筆者も出版社を通じて拙著「通信ビジネス」をBuffmeeで読み込めるソースの1つとして提供している。本書は、キャリア、メーカー、プラットフォーマーなどを横断的に扱い、そのビジネスモデルや技術などを解説した書籍だが、Buffmeeでは、他の「〇〇ビジネス」と合わせて提供されている。そのため、各ビジネスの共通点を尋ねたり、同じ事象がそれぞれの業界に与えた影響などをまとめたりできる。
例えば、「各業界の垂直統合型ビジネスを教えて」と聞くと、拙著で過去のキャリアが展開していたビジネスやAppleのビジネスモデルを紹介してくれるだけでなく、同シリーズで展開されている「音楽ビジネス」や「農業ビジネス」も合わせて、どのような会社がどういった形で垂直統合のビジネスを行っているのかが紹介された。
業界を横断した共通点を尋ねることもできる。試しにあえて遠いように見える「通信ビジネスと魚ビジネスの共通点は」と聞いたところ、それぞれの書籍の趣旨を読み取って、「安定供給の重要性」「技術革新への継続的な対応」「市場ニーズへの適応と多様化」といったように抽象化した形で似ている部分が抽出された。こうした比較がしやすいのは、単独の書籍にはないBuffmeeならではの魅力といえる。
将来的には、オンデマンドマガジンや学習履歴を管理するダッシュボード、さらには書籍を読みながらAIの解説を加える機能などを追加していくという。元のソースにあった情報を整理し、自分に合わせてカスタマイズするだけでなく、ソースである書籍をより深く理解していくことも可能になるというわけだ。AIがあれば、こうした整理や深掘りがしやすくなる。
もっとも、現時点では媒体別のチャンネルになっていることもあり、共通のテーマを複数のメディアをソースとしながら掘り下げる使い方はしづらい。例えば、筆者の書籍は年始に刊行されたので、2026年に入ってからの情報は取り扱っていない。一方で、そのビジネスモデルや歴史的経緯、技術が持つ背景などは掘り下げて書いたつもりだ。
逆に、こうした点は同じテーマでもニュースを主戦場にするメディアでは省かれやすい。Buffmeeにはニュースメディアとしてインプレスの「ケータイ Watch」も参画しているため、この情報を合わせて活用すれば、ニュースをより深く理解できそうだが、現時点ではそれができない。旅行媒体を横断したり、レシピをまたがったりなど、他にもニーズはありそうだ。
情報が2025年末で止まっているため、直近のニュースである「Galaxy Z Fold8」の話は表示できなかった。もしケータイ Watchと組み合わせれば、フォルダブルスマホとは何ぞやという部分だけ拙著を使えそうなのだが……
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