2001年後半の携帯ロードマップ:J-フォン編

モバイルカメラと3Dポリゴンなどの機能を備えたJavaアプリで絶好調のJ-フォンは,年内には28.8Kbpsのパケット通信を導入し,来年6月にはIMT-2000サービスを開始する。

【国内記事】 2001年8月7日更新

 長らく業界第3位に留まっていたJ-フォングループだが,カメラ付き端末を使った「写メールキャンペーン」(6月15日の記事参照)や,最強スペックを誇る「J-SH07」発売の効果か(7月9日の記事参照),いまや第2位のauグループとの差は90万契約あまりに縮まってきた(8月7日の記事参照)。

年内には28.8Kbpsパケット通信導入

 今後のJ-フォン端末を選ぶ際に大きなトピックとなるのはやはりパケット通信の導入だ。予定では年内に28.8Kbpsのパケット通信を導入する。

 J-skyサービスは,現状回線交換をベースに作られており,J-sky Webも実は未だにパケット化されていない。J-フォンのパケット化のメリットとしては,以下のようなことが考えられる。

高速化 9.6Kbpsから28.8Kbpsに
課金方式の変更 現在の1Kバイトごとに2円という課金体系が変更される可能性
接続性の向上 現在はリクエスト中は話中となるが,パケット通信ではビジーになりにくい

 現在,NTTドコモのiモード(9.6Kbps)やKDDIのcdmaOne(14.4Kbps)でもメールやコンテンツサービスにパケット通信が使われており,欧州でも汎用パケット通信システム「GPRS」(用語)がコンテンツサービス普及の起爆剤として期待されている。

同時期にJavaフェイズ2

 パケット通信の導入と同時期にJ-フォンはJavaのフェイズ2を導入する。現在J-フォンのJava仕様はここで公開されているが,Java端末はJ-フォンのサーバからしかJavaアプリをダウンロードできない。フェイズ2では一般サイトからでもアプリをダウンロードできるようになる。

 ただし現在発売されているJ-SH07などはフェイズ2には対応せず,新端末のみが対応する予定だ(6月21日の記事参照)。

 近日登場予定のJ-フォン端末は2機種ある。モバイルカメラ用フラッシュを搭載した「J-T06」とアクティブマトリクス液晶に「ATOK Pocket」(用語)も搭載する「J-D05」だ(6月14日の記事参照)。

Photo
左が東芝製の「J-T06」,右が三菱電機製の「J-D05」。それぞれJavaに対応し,背面にはモバイルカメラも備える

コンテンツ対応はどうなるのか?

 先日WAP2.0が発表され,KDDIは秋から発売する端末に対応ブラウザを載せると明言。ドコモも将来的な対応を表明している(8月2日の記事参照)。

 WAP2.0でWML(用語)とcHTMLという2つの記述言語が統一されようとしている中,MML(用語)を採用するJ-skyは今後どうしていくのか。J-フォン広報部によると「(WAP2.0で記述言語として採用されている)XHTML BasicへはW3Cにて賛同している」という。

2002年6月にIMT-2000開始

 パケット通信対応の次に予定されているネットワーク周りの大きな展開はIMT-2000だ。J-フォンはIMT-2000の導入を延期し,2002年6月から首都圏で開始する(3月6日の記事参照)。通信方式には,ドコモと同じくW-CDMA方式を用いる。UIMカード(用語)なども利用される。

時期 サービス地域
2002年6月 首都圏(1都3県主要都市)
2002年10月 東海,関西,北海道,東北,北陸,中国,四国,九州の県庁所在地および主要都市
2003年 人口カバー率90%

 ドコモの2001年10月1日に比べると,半年ほど遅れてサービスを開始するJ-フォンだが(5月30日の記事参照),人口カバー率90%達成の時期はドコモと同じ。

 ただしJ-フォンに出資している英Vodafoneは,3Gサービスを2003年まで延期すると発表しており(7月21日の記事参照),資材調達などでVodafoneと協調すると思われるJ-フォンのIMT-2000サービス予定は変更される可能性も高い。

[斎藤健二,ITmedia]

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