「auのFlash」はどこが違うか
ドコモに続いて、auもMacromedia Flashを採用した。Flash Liteの最新版を採用しているだけに、実現できる機能は多様だ。その中身を、具体例とともに確認しよう。
ドコモに続いて、auもMacromedia Flashをサポートした。容量はドコモの900iシリーズ同様、100Kバイトだが、その中身にはいくつかの違いがある。
既報のとおり、auではFlash Liteシリーズの最新版である「1.1」を採用している。ドコモが採用した「1.0」から比べると、いくつかのポイントで強化されており、実現できる機能が増えた。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
サーバとの動的な通信が可能
Flash Lite 1.1では、新しくネットワーク接続機能が追加されている。これによりサーバとの動的な通信が行えるようになる。同じFlashコンテンツを表示させていても、特定の部分だけを自動アップデートできる。
これを確認できるのが、リニューアルされたEZwebメニューだ。auではメニューをFlashベースのグラフィカルなインタフェースに変更したが、1つ下の階層に進むと情報にFlashベースの“バナー広告”が表示されている。
ページを更新しても、当然ながらメニュー構成は同じ。しかし、広告部分の表示内容はアクセスするたびに変更される。「この部分だけ、埋め込まれたバナーが再生されている。特定のURLにデータを取りに行くかたちだ」(au説明員)。
auではEZwebの「メディア化」をうたっているが(7月13日の記事参照)、メディアには優れた広告の仕組みが不可欠。新バージョンのFlashで、より自由度の高い広告掲載のシステムが手に入った格好だ。
「ちびまる子ちゃん」に隠された新機能
オーディオフォーマットをサポートしたのも、Flash Lite 1.1の強み。MP3、PCM、ADPCM、SMAFに対応しており、Flashコンテンツと連動させることができる。
これが確認できるのが、下写真の「ちびまる子ちゃん」のFlashコンテンツだ。
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ユーザーは携帯電話のテンキーを押すことで、「ド」「レ」「ミ」といった音を出すことができる。この音は、au端末に搭載されたヤマハチップのメロディフォーマットであるSMAFで作成されている。FlashのインタフェースでSMAFを扱えるため、こんなアプリが実現するわけだ。
ちびまる子ちゃんのFlashコンテンツでは、もう1つ新機能を確認することができた。「動く待ち受け」コンテンツがそれだ。
この待ち受けコンテンツは、時間に応じて朝、昼、晩と表示が変わる。のみならず、電池が切れかけると「バッテリー残量が低下しています!」と画面上に表示してくれる。このように、バッテリー残量とFlashを連動できる点が新しい。
Flash Lite 1.1では、Flashコンテンツと電話機能を統合するためのAPIが盛り込まれた。デベロッパーはスクリプトコマンドを利用して、日時/曜日のほかに電波状態、バッテリーレベル、音量といった電話機ならではの機能にFlashからアクセスできるようになっている。つまり、「携帯電話ならでは」のFlashコンテンツを作りやすくなっているわけだ。
このほか、W3Cが標準化したベクタフォーマットであるSVGをサポートした。auが採用を進めるBREWと連携しており、Flashインタフェース上からBREWを立ち上げることも可能だ。テキスト入力が可能な点も、Flash Lite 1.0ベースのドコモのFlashと異なっている。
なお、FlashをHTML内にインライン表示した場合、キーイベントを取ることができず、アニメーションを動かすことはできてもインタラクティブな表現は不可能になる。この点は、Flash Lite 1.1を採用したauの端末でも課題として残っている。
7月12日の発表で、下表のようなコンテンツプロバイダが待ち受けアプリ・携帯マンガを含むコンテンツを提供予定。情報料、ダウンロード料などは各コンテンツにより異なるという。
事業者名 | コンテンツ |
---|---|
ウォルト・ディズニー・ジャパン | Disney-ez「ディズニーキャラクターギャラリー」、くまのプーさん森のなかま達、ディズニーモバイルシアター |
ジェイ・アニメ・ドットコム | ちびまる子 EZ、世界名作劇場EZ |
ジグノシステムジャパン | 待受∞ムービー、待受アートパラダイス、厳選素材フォト、ほか14サイト |
バンダイネットワークス | キャラくるメール!、キャラゲーEX、キャラっぱ!、ほか13サイト |
ケイブ | MoMA |
コンポジット | いろメロミックス |
サイバード | 着キャラ! |
集英社 | ケータイ少年ジャンプ |
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