FOMA 901iシリーズの特徴と疑問(3/3 ページ)
FeliCa対応、3Dグラフィックスと3Dサウンドへの対応。着うたファイルの容量アップや、メール送信容量の拡大──。機能盛りだくさんの901iシリーズは、新サービスを打ち出すのではなく“完成度を高めた”シリーズとなっている。
セキュリティ強化したFeliCa〜3機種が対応
5機種中、「SH901iC」「N901iC」「F901iC」だけがiモードFeliCaに対応する。いずれもセキュリティを強化しており、端末に電話をかけることでFeliCa機能も含めて端末をロックできる「遠隔ロック機能」にも対応している。従来は「F900iC」のみが対応していた機能だ(6月16日の記事参照)。
気になるのは、「P901i」「D901i」がFeliCa未対応な点。夏野氏は、「(901iでは)そもそも全機種にFeliCa搭載は想定していなかった。FeliCaチップの供給量を考えてのことで、既定路線。現在はFeliCaチップは潤沢に供給されている」と話す。
もしもFeliCaチップの供給が滞った場合、端末の発売を遅らせたり、市場で品薄になる可能性もある。そうしたリスクを回避するために、この段階ではFeliCaなしモデルも用意したということだ。
「今後の900iシリーズ(901iSや902i)は、全機種がおサイフケータイになる」(夏野氏)
メール送信可能な2Mピクセルカメラ搭載
カメラは全機種が記録画素数で200万画素クラスを搭載した。さらに、メール送信可能なファイル容量を、業界最大となる500Kバイトにアップし、「2Mの写真がそのまま送れるように調整した。添付できる動画も15秒から1分以上の長さになった」(夏野氏)。
送信された大容量静止画はiショットサーバに保存され、受信者には参照用のURL付きメールが送信される。901iシリーズ以降の端末で受信した場合、端末がURLを自動認識し画像を自動取得。添付ファイルと同様に閲覧できる。
ただしせっかくの大容量静止画も、FOMAやムーバで受信した場合、20K/10Kバイトに変換されてしまう。大容量ファイルをそのままのサイズで受信できるのはPCだけだ。
ムーバにも送信可能なデコメール
デコメール機能も強化された。全機種がデコメールのテンプレートを搭載し、さらにムーバや900i以前のFOMAに対しても、デコメールを送信できるようになった。
iモードセンター側で、デコメールをサーバに保存し、URLを受信者に送信する。受信者はメール中のURLをクリックすることで、ブラウザからデコメールを見られるようになる。この機能は12月中旬から提供開始する。
機能面で大きなトピックがなく、900iの改良とも見える901iシリーズだが、これまでの不満点を一つずつ潰すことで完成度を高めた。新サービスへのチャレンジを目指すシリーズというよりも、まさに「3G携帯の完成形」だ。
なお、11月26日にシリーズ第1弾となるSH901iCが投入された後の発売スケジュールは明らかにされなかった。ただし、Gガイド番組表リモコンのアップデートスケジュールから判断すると、第2弾はF901iCとなる可能性が高い。SH901iCとF901iCはアップデートで予約録画機能に対応予定だからだ。残りの機種の発売タイミングは不明だが、年内に発売できない可能性も高そうだ。
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