セカイカメラ次期バージョンは「11月中」 “エアツイッター”など新機能もぞくぞく:CEATEC JAPAN 2009(2/2 ページ)
CEATECに頓智・がセカイカメラを出展。“エア動画”“エアピアノ”といった新機能が披露されたほか、次期バージョンの内容も一部が明らかになった。
さて、いろいろと新機能が搭載されたCEATEC版セカイカメラだが、気になるのは“次期バージョンにどれが搭載されるのか”、そして“次期バージョンがいつ出るのか”だろう。井口氏はこれに関していくつかの情報を明かしてくれた。
まず、バージョン2は「11月中にはリリースしたい」という。さらに今回発表したエア動画とエアリンクの機能は、バージョン2で実装される。ただ、エア動画に関しては、まずは施設や店舗などでの利用を前提に、視聴のみできる形でスタートする。ユーザーが自由に動画を投稿できるようになるのはもう少し先になりそうだ。
拡張現実であると同時にコミュニケーションサービスでもあるセカイカメラだが、バージョン2ではTwitterとの連携もより本格的になる。現行のセカイカメラでは自分がエアタグとして投稿した写真やコメントをTwitterに同時投稿できるが、次期バージョンでは「“ニアバイ”がエアタグになる」ように、ユーザーの周辺に残されたつぶやきが「エアツイッター(仮称)」としてエアタグになる。
そのほかにもさまざまな改良が施されているというバージョン2。早くもリリースが待ち遠しい。
井口氏に聞くセカイカメラの今、これから――
リリース直後から渋谷や秋葉原では多くのエアタグが集まり、現在もセカイカメラの“クリッカブルワールド”は着々と拡大している。モバイル系の位置情報サービスでは、店舗やレストランの情報といったナビゲーション的な使い方を想像しがちだが、ユーザーの“草の根タギング”で構成されている現状のセカイカメラは、そういった実用的な側面よりも、その場所の属性をのぞき見るかのようなエンターテインメント性を強く感じる。実際、井口氏の予想を超える多様なセカイカメラの使い方が生まれているようだ。
「まず、姉ヶ崎寧々のエアタグには驚かされました。あそこまでやると、一種のインスタレーションになる」(井口氏)――都内の各所では、恋愛ゲーム「ラブプラス」のキャラクターである姉ヶ崎寧々のエアタグが氾濫し、ネットユーザーから注目を浴びた。CEATECの会場となった幕張メッセにも、このエアタグが投稿されている。
「セカイカメラのリリース日にお子さんが生まれて、子供の成長をセカイカメラに刻んでいきたいと言ってくれた人」も現れたという。ARはライフログとしての可能性も持っている。また思い出だけでなく、ユーザーの“創作”や“実演”を場所にひもづけて保存したり、共有したりするツールにもなる。エアピアノやエア動画など、ポストできるエアタグの種類が増えれば、路上ライブをエアタグ化してその場に残すといった、アウトドアなCGMが広がるかもしれない。
しかし、エアタグの種類が増え、エアタグの投稿数も増え続けるとなれば、現在より細かなフィルタリング機能が必要になる。新たなフィルタリングとしては、テキスト、動画、音声といったフォーマットごとのフィルターや、キーワードによるフィルタリングなどが検討されているようだ。今後のバージョンで、順次機能が追加されていくだろう。
オープンプラットフォームを目指し、開発者向けにAPIの公開も控えているセカイカメラ。Android版の開発も「着々と進んでいる」(頓智・CTO 近藤純司氏)とのことで、2010年には登場しそうだ。また、開発者向けのAPI公開も控え、デバイスだけでなく、サービスそのもののバリエーションも広がりを見せるだろう。
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