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第55回 “HDR風”写真で夏の風景を超ハデハデに荻窪圭のiPhoneカメラ講座(1/2 ページ)

iPhoneのHDR機能を使えば、明暗差が大きなシーンでもきれいに撮れる。今回はHDR風に写真を仕上げてくれるアプリの遊び方を紹介しよう。

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 iPhoneには標準でHDR撮影機能ってものが付いていて、それを使うと、明暗差が大きなシーンでもちゃんと撮れるようになります、という話はみなさまが知っている通り(→第4回 “連写+合成”ができるHDR撮影を活用する)。iPhoneは暗いのと普通のと明るいのを3枚撮って合成してる。複数の異なった明るさの写真でダイナミックレンジが広い写真を作るので、ハイダイナミックレンジ=HDRというわけだ。

 さらにHDRって極端に強く処理をかけると、非現実的な明暗差になり、エッジ部分(明暗差が大きな部分)が浮き上がって、絵画風でアーティスティックな仕上がりになる。

 欧米ではけっこう好まれてるようで、随所で……特に風景写真でよく見られるのだ。

 で、ここからが本題。

 元写真が1枚しかない(つまりHDR撮影してない)ときでも、デジタルエフェクトで、HDR風写真に仕上げることができるのだ。まあHDRっぽくするためにデジタル的にいろいろ無理をするので(特に暗いところに)ノイズが増えたりするんだけど、どうせiPhoneで撮った写真だし、細かいクオリティや芸術性を求めてどうする、という精神で作ったのがこれ。

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隅田川を遡る船の上から撮った「かちどき橋」の写真

 後ろのビルがなかったら、日本じゃじゃないみたい、と言われた1枚。

 ちなみに元の写真はこちらです。

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元の写真。普通に薄曇りの写真

 こういう処理が誰でも簡単にできるのである。今回は夏休み写真を派手派手に仕上げて思い出を改ざんしようというテーマなのです。

 登場するアプリは2つ。「snapseed」(無料)と「HDR Art」(100円)。順番に行きます。

SnapseedのHDR Scapeを使う

 最初に登場するはいつものSnapseed。これ、無料の割によくできてるので、何かあると、まずこれなのだ。

 HDR風写真を作るのに適しているのは風景。ということで、外堀に浮かぶボートの上から撮った元牛込見附(要するに飯田橋駅)の写真を使ってみる。

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 夕暮れ時なので、空はまだ青いけど地面はかなり暗くなっており、まもなく大人の時間が始まります、というそんな夏の日没直後。

 これを開いたら、「HDR SCAPE」機能を使う。もうそれだけ。簡単すぎて申し訳ない。

photophoto snapseedで開いたら、「HDR Scape」をタップ(写真=左)。はい。いっちょあがり(写真=右)

 無事、夕暮れの水辺+高層ビルの江戸+東京な写真がちょっと幻想的でHDRっぽい写真になりました、と。

 このままでは全体に地味なので、彩度や輝度やフィルタの適用量を調節して完成したのがこちら。

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 見事、HDRやりすぎ感満載の、カラフルで派手な東京の風景に仕上がったのでありました。

 やり過ぎるとイタいけど、風景にこれをかけると、雨交じりのどんよりした風景写真も美しい田舎の風景になるので楽しんでください。

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元写真。雨まじりの足尾

          ↓

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美しい田舎の風景に

 それ以外でもがしがしとかけてみるべし。

 雨まじりの桐生駅で撮った115系の車両。やっぱこの国鉄車両はよいですな。緑とオレンジのカラーリングもよい。

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夕刻の115系

          ↓

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超幻想的に! どこへ連れて行かれるのか、的な

 逆にHDRが苦手な被写体もある。例えば料理。

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普通のカツ丼

          ↓

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ぎゃ

 例えば人物。

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顔の陰影が強調されて怖いことに

 ただそれは開発者も分かっていて、「人物モード」ってのが用意されている。

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少し表現が柔らかくなった

 人物写真は人物モードにすべし。

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