香港で買える「海外用プリペイドSIM」完全ガイド2015年編――海外プリペイドSIM導入マニュアル:周遊プランなど豊富な品ぞろえ(2/2 ページ)
SIMフリーが当たり前の香港では、プリペイドSIMの種類も豊富。中でも香港以外の地域でも利用できる、海外向けSIMも数多く販売されている。
台湾、韓国、シンガポール、日本など「アジア1か国タイプ」
中国・香港・マカオ以外のデータSIMも種類が豊富だ。この各国用は中国移動香港、中国聯通香港がそれぞれ販売している。このうち台湾と日本と韓国は両者が販売するが、韓国は中国聯通香港のものは現地プリペイドSIMをそのまま販売しているものなので、韓国の地元事業者販売プリペイドSIM同様登録が必要で手間がかかる。一方中国移動香港は登録が一切不要なのでこちらを紹介することにする。
これら各国のプリペイドSIMは、以下のメリットがある。台湾は台湾の空港で簡単にプリペイドSIMが購入できるが、時間帯によっては多くの客が並んでおり購入に時間がかかる場合がある。韓国はプリペイドSIM購入後に自分の顔写真やパスポートの写真を送って登録する手間がかかる。シンガポールはパスポート1つあたり3枚のプリペイドSIMしか買えず、何度も渡航してそのたびに買い替えていると購入制限に達してしまうことがある。ところが香港のSIMは一人で何枚でも購入できる。
そして日本用は我々が使うメリットは少ないが、香港SIMは日本でローミング扱いとなるので技適マークのない海外端末に入れて使うこともできる。とはいえ各国用ともLTEは利用できず3Gのみなのが残念なところ。いずれLTE対応になることを期待したい。
商品名 | 台湾7日カード |
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事業者 | 中国聯通香港 |
価格 | 199香港ドル(約3010円) |
内容 | 台湾で連続7日間定額利用可能(3G以降は128Kbps制限)。香港と中国でも100Mバイトまで利用できる。 |
商品名 | Taiwan 3G 7-day Data Prepaid SIM Card |
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事業者 | 中国移動香港 |
価格 | 288香港ドル |
内容 | 台湾&香港で連続7日間5Gバイトまで利用可能。 |
中国移動香港のAPN設定は以下の通り。
- APN:cmhk
- ユーザー名:なし
- パスワード:なし
商品名 | 日本7日カード |
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事業者 | 中国聯通香港 |
価格 | 288香港ドル(約4360円) |
内容 | 日本で連続7日間5Gバイトまで利用可能。1日の単位は香港時間なので注意。現地事業者はソフトバンクモバイル |
商品名 | Japan 3G 5-day Data Prepaid SIM Card |
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事業者 | 中国移動香港 |
価格 | 288香港ドル(約4360円) |
内容 | 日本&香港で連続5日間20Gバイトまで利用可能。1日の単位は香港時間なので注意。現地事業者はソフトバンクモバイル |
商品名 | South Korea 3G 7-day Data Prepaid SIM Card |
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事業者 | 中国移動香港 |
価格 | 288香港ドル(約4360円) |
内容 | 韓国&香港で連続7日間5Gバイトまで利用可能。現地事業者はKT |
商品名 | Singapore 3G 5-day Data Prepaid SIM Card |
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事業者 | 中国移動香港 |
価格 | 288香港ドル(約4360円) |
内容 | シンガポール&香港で連続5日間5Gバイトまで利用可能。現地事業者はSingtel |
アジア複数国周遊タイプ
ちょっと長めの休暇が取れたとき、いくつかの国を周遊して旅行するケースも多いだろう。そんな人のためのアジア周遊タイプのプリペイドSIMも香港では販売されている。1つは香港のセブンイレブンがMVNO事業者となって提供している7-Connectのもの。5日間で500Mバイトの通信が日本を含む8カ国で利用できる。もう1つがHutchisonが販売するもので、こちらは6カ国に限られるが5日間連続しての定額通信が利用可能だ。なおHutchisonのものは前述したように中国&マカオパッケージの利用や、後述のヨーロッパ定額も料金追加で利用できる。
photo,HutchisonのプリペイドSIMは、パッケージがコンビニで売っているお菓子のようなものに変更。一番下の大きく「3-Day」「4-Day」「14-Day」と書かれているのが、海外用のプリペイドSIMだ
商品名 | APAC Roaming Prepaid SIM Card |
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事業者 | 7-Connect(セブンイレブン香港) |
価格 | 198香港ドル(約3000円) |
内容 | 以下8カ国で連続5日間500MBバイトまで利用可能。40香港ドル/100Mバイト/日ごとに容量追加が可能。中国(中国聯通)、マカオ(CTM)、日本(ソフトバンクモバイル)、韓国(SK Telecom)、マレーシア(Maxis)、シンガポール(Singtel)、台湾(台湾Mobile)、タイ(AIS) |
7-ConnectのAPN設定は以下の通り。
- APN:pmobile
- ユーザー名:なし
- パスワード:なし
商品名 | ASIA Roaming Mobile Data Prepaid SIM |
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事業者 | Hutchison |
価格 | 288香港ドル(約4360円) |
内容 | 以下6カ国で、248香港ドル/4日の定額通信が可能。248香港ドル/定額:4日間ごとに延長可能。*127*304#に発信して申請する。キャンセルは#127*304#に発信。韓国(KT)、日本(NTTドコモ)、台湾(FET/台湾Mobile)、タイ(True)、シンガポール(StarHUB)、インドネシア(Indosat/Hutchison)。中国マカオやヨーロッパ周遊は別の番号に発信して申請 |
ヨーロッパ用も販売されている
香港ではこれまで近場の中国やアジア向けプリペイドSIMのみが販売されていたが、最近になって欧米向けのSIMも増えてきた。中でもHutchisonのヨーロッパ周遊SIMは、現地のHutchison(3グループ)回線専用ではあるものの割安料金で定額利用ができる。カナダにも対応しており、渡航先によってはオススメな商品だ。そして前述したように中国とマカオ、アジア周遊にも別途申請することで利用できる。
また中国聯通香港は米国の現地事業者やヨーロッパのローミング業者のプリペイドSIMを再販している。ヨーロッパ用は若干割高だが35カ国で利用できるので緊急用に持っているのもいいかもしれない。そして米国用は現地のMVNO、Ultra Mobileのもの。料金は現地とは異なり、海外からの渡航者に使いやすいようになっているようだ。
商品名 | EUROPE Roaming Mobile Data Prepaid SIM |
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事業者 | Hutchison |
価格 | 328香港ドル(約4970円) |
内容 | 以下8カ国で2、88香港ドル/14日の定額通信が可能。288香港ドル追加で14日ごとに延長可能。申請は*127*305#に発信。キャンセルは#127*305#に発信。中国マカオやアジア周遊は別の番号に発信して申請。イギリス(3UK)、スウェーデン(3SE)、イタリア(3IT)、デンマーク(3DK)、オーストリア(3AT)、アイルランド(3IR)、カナダ(Rogers)、香港 |
商品名 | アメリカ30日無限カード |
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事業者 | 中国聯通香港 |
価格 | 318香港ドル(約4820円) |
内容 | 30日データ定額利用可能(速度制限不明)。現地事業者はUltra Mobile |
アメリカ30日無限カードのAPN設定は以下の通り。
- APN:wholesale
- ユーザー名:なし
- パスワード :なし
商品名 | ヨーロッパカード |
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事業者 | 中国聯通香港 |
価格 | 500香港ドル(約7570円) |
内容 | 以下図の35カ国で30日間500Mバイトまで利用可能。現地事業者は国ごとに異なる(自動接続) |
ヨーロッパカードのAPN設定は以下の通り。
- APN:ritesim.m2m
- ユーザー名:なし
- パスワード:なし
海外用プリペイドSIMの販売はこれから増える
香港のように、通信事業者自らが海外用のプリペイドSIMを販売するケースはまだ少ない。だが日本などでもローミング専門事業者などが、複数国をターゲットにしたデータ用プリペイドSIMをすでに販売しており、各国でその種類は増えている。今後は国際ローミングを行っていないMVNO事業者が、海外渡航用に海外用プリペイドSIMを販売する、といった動きも起きるかもしれない。
また日本は世界にもまれに見る海外用レンタルモバイルWi-Fiルーター天国でもあり、海外に行くときはルーターレンタル料金は必ずチェックしておきたい。今後海外用プリペイドSIMが買いやすくなれば、海外でのデータ通信確保の手段に選択肢が生まれ、より自由自在に海外滞在を楽しむことができるようになるだろう
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