楽天モバイルが「データSIM」と「ARROWS」をラインアップ “ポイント支払い”も夏にスタート:二子玉川と仙台にも出店
楽天モバイルがデータSIMの提供を開始し、対応スマホに「ARROWS M01」をラインアップした。MNPがその場でできる実店舗を二子玉川と仙台にも拡大し、ポイントサービスの拡充なども図る。
MVNOサービス「楽天モバイル」を展開する楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズは2月24日、同ブランド初のデータ専用プラン「楽天モバイル データSIM」を3月16日から開始すると発表した。またSIMカードとセット販売するスマートフォンに、富士通製の「ARROWS M01」を追加する。
データSIMは既存の音声付きプランと同様にNTTドコモのLTE回線を利用しており、下り最大150Mbpsの高速データ通信が可能。料金プランは月間のデータ容量が2.1Gバイトで月額900円(税別、以下同)、4Gバイトで月額1450円、7Gバイトで月額2260円の3種類を用意した。
高速通信が可能で2Gバイト以上のデータ容量を持つプランは「業界最安水準」(同社)だという。このほか、通信速度が最大200kbpsと低速ながら月額525円で使い放題になるベーシックプランもある。いずれもSMS機能は月額120円の有料オプションとして提供する。
高速通信のデータ容量が超過した場合は、通信速度を200Kbpsに制限する。さらに、連続した3日間に一定以上の通信(2.1Gバイトプランで360Mバイト、4Gバイトプランで800Mバイト、7Gバイトプランで1.2Gバイト)を行った場合も、通信速度制限を行う。データ容量は100Mバイトごと300円でチャージが可能で、チャージ後の有効期限は3カ月間となっている。
楽天モバイルではデータSIMの発表に合わせて、予約購入者に楽天スーパーポイントを500ポイント付与するキャンペーンも開始した。期間は2月24日から3月16日の9時59分まで。
3月から楽天モバイルでデータSIMを提供することから、従来提供してきた「楽天ブロードバンド」のデータ専用プランは新規の申し込みを終了する(エントリー2!プランを除く)。すでに契約しているユーザーは引き続き利用できる。
ARROWS M01は、「楽天市場のメインユーザーと重なる」(同社)というフィーチャーフォン利用者やスマホ初心者を意識したモデル。2月24日から予約を開始し、3月21日以降の出荷開始を予定している。価格は3万6720円(一括払いのみ)で、購入者には2000ポイントをプレゼントする。
防水/防じん仕様のボディに4.5型(1280×720ピクセル)の有機ELディスプレイを搭載。有効約800万画素のメインカメラと1.2GHz駆動のクアッドコアプロセッサ「Snapdragon MSM8926」、容量2500mAhのバッテリー、らくらくフォンのノウハウを生かした「シンプルホーム」などを備えた。OSはAndroid 4.4を採用。カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色だ。
同日開催された楽天モバイルの記者会見には、モバイル事業を統括する楽天 副社長執行役員の平井康文氏が出席。「人間には206本の骨があるというが、モバイルは207本目の骨と言えるほど重要なもの。日本のモバイルインフラは世界をリードする品質だが、その料金は高止まりしており、このままでは経済成長戦略を下支えできない。楽天モバイルで是非活性化させたい」と意気込みを語った。
会見ではデータSIMとARROWS M01の販売に加え、楽天モバイルショップやポイントサービスの拡充も明らかにされた。
ショップは現在の楽天カフェ(東京・渋谷)に加え、楽天が本社を移転する二子玉川と、東北楽天ゴールデンイーグルスの拠点である仙台への出店を計画。二子玉川店はこの春、仙台店も「今シーズン中」(平井氏)の開店を目指し、その後も早期に10店舗程度を構えたいという。実店舗では番号ポータビリティ(MNP)の手続きがすぐに済むことから、MNP利用者への対応を強化するのが目的。同時にフルサービスを提供するショップのみだけでなく、家電量販店などで製品を手渡すだけのシンプルな拠点の展開も検討している。
ポイント関連では、楽天モバイルの利用料金に合わせて100円で1ポイントがたまる仕組みを4月に開始する。4月上旬以降、たまったポイントでSIMカードや端末を購入できるほか、夏ごろをめどに、毎月の料金をポイントで支払うサービスも開始する。
春商戦向けの新規加入キャンペーンでは、契約から1年間、ポイント料率が2倍になるサービスも実施。このキャンペーンでは上位会員であれば料率が3倍、さらに楽天カード会員なら料率が4倍にアップし、3月下旬に開始するお友達紹介プログラムと合わせて“楽天経済圏”の活用を進めるという。
平井氏は今回の発表内容について、「目標である1000万回線を実現するため、プロダクトとサービスを強化するのが目的。今回の施策で、目標達成のスピードを倍くらいに加速できるのでは。今後は3倍から4倍に加速させたい」と説明した。
なお楽天モバイルの契約数は非開示だが、現在の進捗は「目標の1合目」(平井氏)とのこと。ただしこれは10%(100万回線)という意味ではなく、「サービス立ち上げの準備が終わり、成功への確信を持った段階。楽天モバイルが、モバイル市場で一定の地位を築ける、リードできる確信を持ったところ」(平井氏)を意味するという。またMVNO各社が参入を発表している光コラボモデルについては「検討中」(同社)だという。
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