TCLが最新フラッグシップ「IDOL 4/4S」を発表――新“alcatel”ブランドで若年層に訴求:Mobile World Congress 2016
TCL Communicationが、Mobile World Congress 2016に先駆けて最新スマートフォン「IDOL 4」と「IDOL 4S」を発表。各アプリをより効果的に使える「BOOM」キーを搭載。ブランドを「alcatel」に一新して、若年層に訴求していく。
中国TCL Communicationは、2月22日からスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2016」に先駆けて、20日(現地時間)に「ALCATEL」ブランドの最新スマートフォン「IDOL 4」「IDOL 4S」を発表した。
8コアCPUのSnapdragonを搭載、ボディはスリムな厚さ7ミリ前後
ALCATELはフランス発祥の携帯電話ブランドで、2011年以降は「ALCATEL ONETOUCH」シリーズを展開。2015年、本格的なグローバル展開モデルとして発売された「ALCATEL ONETOUCH IDOL3」は、日本でもSIMロックフリーで発売された。IDOL 4/4Sは、その後継機にあたる最新フラッグシップだ。
IDOL 4は、1.7GHz+1.2GHzの8コアCPU(Snapdragon 617)を搭載しており、メインメモリは2GB、5.2型のフルHD(1080×1920ピクセル)ディスプレイ(TFT液晶)を搭載する。IDOL 4Sは、よりハイスペックな上位モデルで、1.8GHz+1.4GHzの8コアCPU(Snapdragon 652)を搭載、メインメモリは3GB、5.5型のQHD(1440×2560ピクセル)ディスプレイ(有機EL)を搭載する。どちらもOSはAndroid 6.0(Marshmallow)だ。
IDOL 4/4Sは、ガラスとアルミを用いたスリムなボディが特徴。IDOL 4は7.1ミリ、IDOL 4Sは6.99ミリという薄さを実現している。上下逆にしても同じように使えるリバーシブル仕様を採用したIDOL3と同様に、左右と上下がほぼ対称のシンメトリーデザインで、上下逆に持っても電話ができる仕組み。さらに、IDOL3では前面に搭載されていたデュアルスピーカーが、IDOL 4/4Sでは背面にもスピーカー開口部を設け、より自在なスタイルで音楽を聴けるように改良された。
アウトカメラは、IDOL 4が1300万画素、IDOL 4Sが1600万画素。0.1秒の高速オートフォーカスや、暗い場所でも明るく撮れる機能など、性能の強化が図られている。インカメラは両モデルともに800万画素だ。自撮り用のフラッシュライトを搭載し、本体の角度によって違う表情を撮影し、動かして見られる「Parallax selfie」といった独自機能も追加されている。
各アプリを効果的に使える「BOOM」キー
最大の特徴といえるのが、新たに搭載された「BOOM」キーだ。本体の右側面中央に搭載された物理キーで、これを押すと、ユーザーが使っているアプリを認識して、そのアプリをより効果的に使える機能へと導いてくれる。例えば、カメラ起動時に押すと連写ができたり、ギャラリー閲覧時に押すと短いスライドショーが生成されたり、音楽を聴いている時に押すと、エフェクトが加味されたりする仕組みだ。
ブランドを「alcatel」に一新
IDOL 4/4Sの発表に合わせて、ブランドとロゴを刷新することも発表された。従来の「ONETOUCH」の表記がなくなり、シンプルな「alcatel」となり、中央の「a」にアクセントをつけた新しいロゴとなる。その狙いについて、同社のダン・デリー氏は、世界的に好評を博したIDOL3のユーザーの16%が18歳以下、50%が25歳以下と、若年層に支持された結果などを報告し、今後も、より一層「ミレニアル世代」と呼ばれる若い世代に訴求していく姿勢を示した。
VRヘッドセットとして使えるパッケージ
IDOL 4/4Sは、パッケージにも新たな試みが盛り込まれている。何と、パッケージをVRヘッドセットとして使えるのだ。仕組みとしては、Googleの簡易VR「Google Cardboard veiwers」と同様で、Google Carboard向けのVRコンテンツも視聴できるという。
IDOL 4/4Sの出荷は4月からの予定。日本での発売予定について、日本の広報担当者に聞いたところ、明確な回答は得られなかったが、「皆さんの要望があれば」と、発売に向けて準備を進めている印象を受けた。期待していてもいいだろう。
機種名 | IDOL 4 | IDOL 4S |
---|---|---|
メーカー | TCL Communication | |
OS | Android 6.0 | |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 617 MSM8952/1.7GHz+1.2GHz 8コア | Qualcomm Snapdragon 652 MSM8976/1.8GHz+1.4GHz 8コア |
メインメモリ | 2GB | 3GB |
ストレージ | 16GB | 32GB |
外部メモリ | microSDXC(最大512GB) | |
ディスプレイ | 約5.2型フルHD TFT液晶 | 約5.5型QHD AMOLED |
解像度 | 1080×1920ピクセル | 1440×2560ピクセル |
連続通話時間 | 約900分(2G/3G) | 約780分(2G/3G) |
連続待受時間 | 約720時間(2G/3G/4G) | 約420時間(2G/3G/4G) |
バッテリー容量 | 2610mAh | 3000mAh |
アウトカメラ | 有効約1300万画素CMOS | 有効約1600万画素CMOS |
インカメラ | 有効約800万画素CMOS | 有効約800万画素CMOS |
サイズ | 約72.5(幅)×147(高さ)×7.1(奥行き)ミリ | 約75.4(幅)×153.9(高さ)×6.99(奥行き)ミリ |
ネットワーク | LTE:Band1、3、7、8、20、28A、38、40 | LTE:Band1、3、7、8、20、28A |
Windows 10搭載デバイスも発表
Windows 10を搭載する2 in 1デバイス「PLUS 10」も発表された。10型ディスプレイを搭載したタブレットと、4G LTEに対応するキーボードを組み合わせるとラップトップPCとして使えて、タブレットの向きを変えることで、映像を見たり、ビデオ通話を利用するのに適したスタイルにすることもできる。6月から欧州、中南米などで発売される予定で、日本での発売は未定だ。
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