注目は、性能向上よりも新機軸――iPhone 7/7 Plusは新たなステージへ:神尾寿のMobile+Views(3/3 ページ)
9月7日(現地時間)に開催されたApple Special Event。テクノロジーとリベラルアーツの交差点から、人々のライフスタイルを、世界そのものを革新してきたAppleが、新たに何を語ったのか。サンフランシスコの地からレポートを届けたい。
そして最後に、性能について。
Appleは今回のキーノートにおいて、iPhoneのパフォーマンスについての説明を、10番目という最後の項目として扱った。しかしその中身は、普通であれば真っ先にアピールしてもおかしくない優れたもの。新開発された「A10 Fusion」チップは、高性能処理を担う2つのコアと、低消費電力で動く高効率なコアを2つ組み合わせた4コア構成。高速処理用コアの性能は先代のA9チップよりも40%も高性能であり、高効率コアの方はこれまでの5分の1の電力で稼働するという。
グラフィック性能もあわせて向上しており、こちらはA9チップよりも50%も高速だ。性能向上という点で見ても、今回のiPhone 7シリーズは順当に進化しているといえる。それでもスペックの説明は「10番目」である。つまり、それだけ今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusは、スペック以外の部分での新提案や新機軸など、注目の進化が多かったということだ。
生まれ変わったiPhone 7とiPhone 7 Plus
無責任なうわさでは「新型iPhoneは、あまり代わり映えしない」という声もあったが、ふたを開けてみれば今回のキーノートは驚きの連続であり、iPhone 7とiPhone 7 Plusは「生まれ変わった」といってもいいほど、これまでのiPhoneの常識を覆すものだった。
イヤフォン端子や物理的なホームボタンを廃する一方で、Air Podsやタプティックエンジンを用いた新たな利用スタイルやUIの提案があり、カメラ機能は本格的な一眼カメラ並みにきれいな写真が簡単に撮れるように進化した。日本のユーザーからすれば、Apple PayでSuicaやiDが使えるようになることも大きな変化だろう。また、これは実機を見てもらわないと分からないが、ジェットブラックを筆頭にした本体デザインの向上や、美しさと見やすさを増した新世代Retina HDディスプレイの進化もかなりのものである。iPhone 7とiPhone 7 Plusによって、iPhoneは新たなステージに入ったといえるだろう。
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